機械式駐車場の長期修繕計画とは?計画通りに工事しなければいけないのか?

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「長期修繕計画」という言葉をご存知ですか。

マンションには、修繕積立金を原資とする将来の大規模修繕工事に関する計画である「長期修繕計画」が策定されることが通常です。

 

しかい、機械式駐車場については、別途、長期修繕計画が存在することもあれば、計画自体がない場合もあります。

この記事では、マンションの「金食い虫」と呼ばれる機械式駐車場の長期修繕計画について、解説しています。

 

 

 

 

 

1.機械式駐車場の長期修繕計画

 

 

機械式駐車場にも、長期修繕計画があります。

 

保全計画とも言うそうです。

 

通常は、長期修繕計画の単独での作成は受注していません。

定期的なメンテナンス契約とセットで作成してもらうのが普通です。

 

 

また、作成期間はメンテナンス契約締結後から、半年〜1年程度の期間が必要となるところもあるようです。

 

いずれにしても、現在のメンテナンス業者と相見積を取って、検討するようにしましょう。

 

 

2.長期修繕計画における交換・更新時期

 

 

機械式駐車場の長期修繕計画において、部品の交換時期や更新時期はどのように決められるのでしょうか。

 

機械式駐車場の耐用年数は減価償却資産として15年と定められています。

しかし、それはあくまで「法定」なのであって、実際の機械式駐車場の装置自体の全面的な取替えは、約25〜30年程度で行われることが多いです。

 

実際、私のマンションでも、耐用年数の終了前に、メーカーが見積とともに長期修繕計画を出してきました。

 

ところが、特に何も故障などが起きませんでした。

 

数年後、しびれを切らしたメーカーと管理会社が、「優先修繕事項」として、再び見積を上げてきました。

 

そうなんです。

 

業者にもよりますが、基本、長期修繕計画は「目安」です。

 

焦って工事を発注してしまわないように注意しましょう。

 

 

マンション管理士会の研究会にて作成報告された資料として、こちらのリンクで、考えが述べられています。

 

上記資料によれば、年々、更新費用は安くなってきているとのことです。

(以前は1パレット150~250万円程度だった更新費用が、1パレット50~80万円台に安くなってきている話もある、とのことです。)

 

また、そのことが原因で、長期修繕計画に従い、

 

計画的に部品交換を行い耐用年数(25年)以上使用した場合の費用よりも

 

壊れてから直す方法(事後修繕)により必要最低限の部品交換で耐用年数満了時点(約25年)で全て更新した方が経済的である

 

との考えも述べられており、非常に参考になります。

 

 

 

 

 

 

3.機械式駐車場とエレベーターの違い

 

 

機械式駐車場もエレベーターも、建物自体ではなく、設備という点で共通しています。

 

しかし、明らかに異なる点があります。

 

それは、

 

法律上の規制がかかるか、かからないか

 

ということです。

 

 

エレベーターは建築基準法の適用を受けるため、定期点検が「義務」となっています。

また、構造上の技術的な基準等も法律の規制を受けます。

 

 

しかし、機械式駐車場は建築基準法の適用を受けません。また、駐車場法という法律の適用も受けません。

従って、機械式駐車場には定期点検の義務がありません。

また、構造上の技術的な基準等も、各メーカー任せになっています。

 

すなわち、機械式駐車場の長期修繕計画はなおさら、各メーカーやメンテナンス業者等の独自色が色濃く出るものである、と言えます。

 

 

4.工事を判断するのは誰か?

 

 

これは、当然ながら管理組合が自分達で工事実施するか否かを判断しなければなりません。

 

機械式駐車場のメンテナンス方式には、主に2種類あります。

 

部品交換を含めたメンテナンス契約(フルメンテナンス方式)

 

それとも、

 

部分的なメンテナンスのみで部品交換は契約に含まれない方式(POG方式)

 

です。

 

 

エレベーターとは異なり、部品交換時期の予測は難しいため、機械式駐車場のメンテナンスでは、POG方式が主流となっています。

 

これはつまり、長期修繕計画が存在していても、工事の判断主体である管理組合の組合員(つまり、住民です。)自身が、主な部品の種類や機能等を勉強しなければ、適切な工事実施の判断ができない、ということです。

 

長期修繕計画を作成してくる業者は、通常、メンテナンスも行っているため、定期点検結果等と合わせて、工事見積を提出してきます。

ただ、点検結果に基づき工事見積を提出した段階で業者は責任から解放されます。

つまり、最終的な責任は、やはり工事実施の判断主体である管理組合に押し付けられる、というわけです。

 

 

5.長期修繕計画の通りに修繕した方が良いのか?壊れてから治す事後修繕の方が良いのか?

 

 

結論から言えば、機械式駐車場については、

 

壊れてから直す(事後修繕)

 

という方法が良さそうです。

(つまり、分かりやすく言えば、長期修繕計画は無視する、ということです。)

 

マンション管理士会の研究会にて作成報告された資料として、左記のリンクで、考えが述べられています。

 

上記の資料では、

 

業者(管理会社またはメンテナンス業者)の提案をそのまま受け入れず、管理組合自体が十分にチェックした結果

 

耐用年数を経過しても修繕費用を抑制できている

 

と記載されています。

 

 

主な内容は以下の通りです。

 

・耐用年数を超える16~17年目における修繕費用合計(鉄部塗装は除く)が、

約27,000円/台 ~ 約46,000円/台
(総額では、約150~240万円)

に修繕費用が抑えられている。

 

・エレベーターのように人が乗る設備と、人が乗って動かない機械式駐車場においては、人命危険度の観点から修繕の考え方も異なる。

 

・調査結果より、機械式駐車場については、壊れてから治す事後修繕で足りるものであることが判断できる。

 

・故障中は使用できないことによる利便性の低下が懸念されるものの、事後修繕により修繕費用の大幅な抑制が可能となる。

 

 

6.まとめ

 

いかがだったでしょうか。

マンションだけでなく、機械式駐車場にも長期修繕計画があります。

 

しかし、内容及びその性格は全く異なるものです。

 

まず、同じ設備であるエレベーターと比べると、人命危険度の観点から修繕に対する考え方が異なること。

そのため、長期修繕計画に基づく計画的な修繕よりも、壊れてから直す、という事後修繕という考え方が採用できること。

また、実際に、事後修繕の方が、修繕費用を抑制できている、という結果が出ていること。

 

私のマンションも、メーカーによる長期修繕計画が、故障しないまま、ずっと後ろに年数がズレていくだけの、何が何やら分からない計画でした。

それでも、管理会社及びメーカーは、

 

人命にかかわります

 

と言って、脅してくるかもしれません。

 

言いなりにならないように、管理組合の組合員自身も、機械式駐車場の各部品等について、知識をつけておくべきなのです。

 

 

 

 

 

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マンションの機械式駐車場の価格は?工事方法により値段が違う?

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マンションは、通常、人口密度が高い地域に建設されます。

ですから、限られた土地を有効に利用するために、立体駐車場が利用されています。

特に機械式駐車場は多くのマンションで使われています。

 

ところが、この機械式駐車場は「金食い虫」とも言われています。

一体、機械式駐車場の価格はどのくらいなのでしょうか。

 

 

1.機械式駐車場の費用には何がある?価格はどの段階で使う?

 

 

機械式駐車場の価格が、直接関係してくる段階は、「更新」(リニューアル)の段階です。

つまり、20~30年後に機械式駐車場を新品と入れ替える際に、価格が関係してきます。

 

 

そもそも、機械式駐車場の費用には何があるのでしょうか。

 

マンションが建築される流れから考えます。

 

 

まずはマンションが新築され、機械式駐車場が設置されます。

この段階では、デベロッパーが機械式駐車場のコストを負担します。

 

 

そして、入居が始まり、機械式駐車場が利用され始めます。

この段階では、通常の定期点検とメンテナンスが行われ、継続的な費用が発生します。

 

 

また、5年、6年と使っていくうちに、故障する部品も出てきます。

このような時は、メンテナンス契約にもよりますが、劣化部分の交換費用が発生します。

 

 

そして、そのような劣化部分の交換を続けていても、いずれやってくるのが「寿命」です。

「耐用年数」とも呼ばれます。

耐用年数が到来した機械式駐車場は、選択を迫られます。

 

それは、

「更新」(リニューアル)

するのか、

「撤去」

するのか、

「停止」

するのか、という選択です。

 

そして、それぞれ更新費や撤去費等が発生します。

 

この時、「更新」(リニューアル)するための、入れ替える機械式駐車場の費用が、価格というわけです。

 

 

2.機械式駐車場の「更新」(リニューアル)について

 

 

機械式駐車場は設備も大きく存在感があります。

 

その分、リニューアル費用も多額になります。

(だから、「金食い虫」と言われています。)

 

 

リニューアルの方法にはいくつか種類があります。

 

例えば、既存のピットと呼ばれるくぼみ(機械式駐車場が設置してある場所)をそのままにして、新たな設備を入れ替える場合があります。

 

または、このピット自体を一度取壊し、もっと大きな車が入れるように掘りなおすことも考えられます。

 

 

グレードアップや、収容台数を増やす工事などは、一般的なリニューアルよりもさらに費用がかかります。

 

では、リニューアル等の種類別に、目安の金額を記載していきます。

(地下ピット式機械式駐車場を例とした場合です。(財)駐車場整備推進機構が実施したアンケート結果を参考としています。)

 

 

3.既存の設備と同等の機械式駐車場設備への取り換え

 

 

耐用年数(一般にては20~30年程度)が経過した後に、機械式駐車場の設備そのものを入れ替える場合です。

 

地下ピットは既存のものを使用します。

(つまり、新設の場合と比べると、地下ピットの掘削費用が不要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

100〜150万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

3,000〜4,500万円が必要となる、ということです。

 

 

4.既存のサイズより大型の機械式駐車場へ入れ替える場合

 

 

耐用年数(一般にては20~30年程度)が経過した後に、機械式駐車場の設備だけでなく、地下ピットも大型化する工事を行う場合です。

 

地下ピットは既存のものを取り壊し、さらに広げる(大型化する)工事をします。

(つまり、既存ピットをそのまま使用する場合と比べると、地下ピットの取り壊し及び改修費用が必要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

200〜250万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

6,000〜7,500万円が必要となる、ということです。

後ほど説明する、新たに機械式駐車場を設置する工事よりも割高な傾向があります。

 

 

 

5.機械式駐車場を廃止して、平置駐車場にする場合

 

 

耐用年数(一般に20~30年程度)が経過した後に、機械式駐車場の設備を撤去して、地下ピットを埋め戻し、平置の駐車場にする場合です。

 

既存の機械式駐車場を撤去して、地下ピットは埋めて平面にします。

(つまり、既存ピットをそのまま使用する場合と比べると、設備の撤去費用と地下ピットを埋める費用が必要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

180〜230万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

5,400〜6,900万円が必要となる、ということです。

 

 

6.平置駐車場に地下ピットを作り、機械式駐車場を新設する場合

 

 

今までとは反対に、機械式駐車場がなかったパターンです。

 

この場合は、平置の駐車場だった場所に地下ピットを掘削し、機械式駐車場を新たに設置します。

(つまり、今までの更新の場合と比べると、地下ピット掘削及び設備の新設のための費用が必要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

150〜200万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

4,500〜6,000万円が必要となる、ということです。

 

 

7.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

機械式駐車場の価格と言っても、

 

入替え
大型化して入替
廃止
新設

 

などの工事方法により、必要な工事費が異なってきます。

 

それは、地下ピットの掘削費用だったり改修費用などです。

 

また、機械式駐車場の更新費用は、例え既存の地下ピットを活用したとしても、1回分の大規模修繕工事費に匹敵するほど、高額になります。

 

このため、廃止検討するマンションもあると聞きますが、ほかにもリースなどの方法もあるようです。

 

「金食い虫」と言われる機械式駐車場ですが、狭い土地を有効活用してくれることは事実です。

 

将来の費用と、本当に必要かどうかの見極めを、真剣に考えることが重要です。

 

上記に記載してきた価格幅はあくまで目安です。

最近では、1パレット50~80万円台に安くなってきている話もある、とのことです。

 

実際の更新の際には、複数の業者から相見積を取得するようにしましょう。

 

 

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マンションの機械式駐車場における問題には何があるか?

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「国土交通省・マンション総合調査」(平成25年度)によれば、都心では約40%ほどのマンションに機械式駐車場があるそうです。

 

とはいえ、私もそうでしたが、マンションを購入する時点で、将来、機械式駐車場が原因で多額の費用が必要となることなど、真剣に考える人はまず、いないでしょう。

 

この記事では、マンションの機械式駐車場に関する問題をまとめました。

 

もし、新築マンションの購入などを考えているようでしたら、ぜひご一読下さい。

 

 

1.高額なメンテナンス費用〜大規模修繕1回分に匹敵〜

 

 

機械式駐車場の費用は、ランニングコストと、リニューアルコストです。

つまり、毎年の維持管理費と、耐用年数が到来した時の設備更新費です。

 

維持費は1台あたり年に約1万円程度で、30台分あれば、毎年約30万円が維持費として必要になります。

 

さらに築後20〜30年目を迎える頃には、耐用年数が到来し、新品に交換するなら1パレットあたり100〜150万円ほどのコストが発生します。

 

30台で考えるなら3,000〜4,500万円もの費用が必要と言われています。

 

 

また、毎年の定期的な維持費以外にも、耐用年数が比較的短い部品等の交換も必要なため、20〜30年のサイクルで見ると、大規模修繕工事の1回分に匹敵するコストが必要と言われています。

 

1回目の大規模修繕工事は、仮に凌ぎきれても、2回目・3回目は分かりません。

 

これまでの修繕積立金では不足するかもしれません。

 

その場合、修繕積立金の値上げ、若しくは一時金を徴収される可能性が考えられます。

 

 

2.マンションの長期修繕計画に含まれていない場合がある

 

 

一般的に長期修繕計画は30〜35年周期で作成されます。

 

そして、大規模修繕工事は12年周期で計画されることがほとんどです。

 

つまり、向こう30年の修繕計画に合わせて、積立金を値上げしたりして、準備をします。

 

ところが、このような長期修繕計画に、機械式駐車場の維持・更新に掛かる費用が計上されていないマンションがあると言うのです。

 

機械式駐車場の維持・更新費用は、大規模修繕工事1回分に匹敵するほど、高額であるのに関わらず、です。

 

 

かくいう、私のマンションも計上されていませんでした。

 

そして、1回目の大規模修繕をギリギリのお金でやり繰りした直後に、管理会社が提出してきたのです。

 

やり終えたばかりの大規模修繕工事に負けないくらい高額な、「機械式駐車場の長期修繕計画」を。

 

管理会社が作成する長期修繕計画は、疑ってかかりましょう。

 

疑ってかかると得することはありますが、信用すると損することしかありません。

 

 

3.長期修繕計画も信用ならない

 

 

もし、機械式駐車場の空き台数が多く、無駄に維持管理費用が垂れ流しになっているようなら、平置化なども検討されるべきです。

 

ただ、そうではない場合。

 

つまり、空き台数もほとんどなく、住民の方々も機械式駐車場を存続させることに異議がない場合。

 

そんな場合には、機械式駐車場に関する長期修繕計画も立案しておくべきです。

 

長期修繕計画を立てることで、修繕積立金の残高、大規模修繕工事の予算、機械式駐車場の更新タイミングや必要な工事費などが見えてきます。

 

 

そして、この長期修繕計画に基づき、将来の一時金徴収や積立金値上げが必要か否かの話し合いをすることができるようになります。

 

とはいえ、管理会社などが作成してきた長期修繕計画を鵜呑みにしてはいけません。

 

竣工時から同じ管理会社の場合は、長期修繕計画の金額が高止まりしている可能性があるからです。

 

実際、私のマンションでは、長期修繕計画が改定されるたびに、予定の工事金額が倍々ゲームのように上がっていましたが、誰も気づいていませんでした。

 

 

重要なことは、保守会社や管理会社から出てくる「機械式駐車場長期修繕計画」は、信用してはいけない、ということです。

 

あくまで、将来の計画などの話し合いを行うための材料とするなら良いのですが、工事金額などを鵜呑みにしては絶対にいけません。

 

 

4.耐用年数が終わったら入れ替える?部分的?それとも、平置にする?

 

 

修繕積立金には限りがあります。

また、銀行などから借入をする場合でも、限界があります。

 

もし、どう考えても、機械式駐車場の部品交換や更新費用が足りないような場合、どうすれば良いのでしょうか。

 

そういった場合は、機械式駐車場を全部、あるいは一部撤去して平置きに変えるという方法があります。

 

もしピット式駐車場の場合は、砂などを入れて埋め戻すような場合もあります。

 

ただ、現在では、雨水などが侵入しないように、鉄板などでカバーするやり方が多いようです。

 

将来、また機械式駐車場の需要が出た場合に、カバーを取り外し、設備を入れ替えれば、また使用が再開できる、ということです。

 

もし、機械式駐車場の空きが多いような場合、平置き化にすることで、無駄なメンテナンス費用を節約することができます。

 

 

5.法律上の問題〜駐車場附置義務〜

 

 

マンションを建築する場合、自治体から条例に基づき、最低限の駐車場台数を設置する義務が課せられていることがあります。

(駐車場附置義務、と言います。)

 

これは、繁華街など、立地条件が良いマンションほど、適用される場合があるので、注意が必要です。

 

駐車場附置義務が影響する場合としては、住民の半数以上が駐車場を使っていない場合が考えられます。

 

このような場合は、費用対効果を考えれば、機械式駐車場を平置化して、不要なメンテナンス費用を節約することが効果的と考えられます。

 

しかし、もし、駐車場附置義務の設置台数ギリギリだった場合、1台でも駐車場を潰せば付置義務を満たさなくなり、建築基準法違反になってしまいます。

 

そうなってしまうと、例えば、将来の建て替えなどが不可能になってしまう可能性があります。

 

機械式駐車場の平置き化や廃止する場合、この駐車場附置義務についても、注意するようにしましょう。

 

 

6.駐車場使用料は一体何に使われているの?

 

 

駐車場が満車の場合でも注意が必要です。

 

駐車場使用料が、キチンと駐車場のメンテナンスに使われているかどうか、チェックしましょう。

 

例えば、私のマンションでは、駐車場使用料が、不要な工事(しかも、駐車場とは関係ない工事です。)に頻繁に使用されていました。

 

その結果、いざ、メンテナンス費用が必要となった場合、資金が不足している、という有様でした。

 

その原因は、管理規約にもあるようです。

知人のマンションでは、管理規約上、駐車場使用料は「管理費」に充当されるようになっていたらしいです。

 

 

マンション標準管理規約では、駐車場の維持管理費用及び修繕積立金に充当するよう、記載がされています。

 

知人のマンションでは、管理規約を改定し、ことなきを得ましたが、住民に全く専門知識がない場合、不要な、しかも高額なメンテナンス工事が知らず知らずのうちに、管理会社主導で行われているかもしれません。

 

十分、注意しましょう。

 

 

7.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

機械式駐車場は「金食い虫」と言われてしまっています。

 

しかし、その事実を知らない人が多いです。

 

また、機械式駐車場の正しい使い方を知らないことなどが原因で、事故が発生していたりもしています。

 

空き台数が多いから、マンション外部の人に勝手に貸し出したりしていませんか?

 

もし収益事業に認定されてしまうと、税金を払う必要が出てきて、やらなきゃ良かった、っていうことにもなりかねません。

 

機械式駐車場の問題をしっかり把握して、自分たちで勉強する姿勢は必須です。

 

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機械式駐車場での事故とは?事故情報を調べて気を付ける

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機械式立体駐車場は、土地が限られた都心などでは、狭い土地でも駐車場台数を多く確保できることから、広く普及しています。

一方で、事故などの発生もあると聞きます。

機械式駐車場の事故にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

 

1.事故の発生件数などは?

 

機械式駐車場は、日本全国で約54万基あり、自動車1台分にすると、約287万台分があるそうです。(平成25年3月時点)

また、商業施設や事務所ビルだけでなく、共同住宅にも多くの機械式駐車場が設置されています。

 

これらの機械式立体駐車場で、人が挟まれるなどして大けがをしたり、亡くなったりする事故が発生しています。

 

政府広報オンラインによると、2007年度から2013年度までの7年間で、

 

207件の事故が発生し、

 

うち10件が死亡事故、16件では重傷者が出ているようです。

 

また、発生場所を確認できた事故145件のうち約40%が、共同住宅の機械式駐車場で発生しているとのことです。

(出典:政府広報オンラインホームページ)

 

 

2.事故の原因は?

 

 

同じく政府広報オンラインでは、2つの事故事例が紹介されています。

 

どちらの事例にも共通して指摘されていることは、

 

・幼児が事故にあっている
・機械式駐車場設備自体に幼児同伴時の安全策がないこと
・緊急時の取扱を利用者が理解していないこと

 

が挙げられています。

 

共同住宅では、当然のことながら小さい子供を連れた家族が機械式駐車場を利用することが想定されます。

また、機械式駐車場は入出庫の操作の際に時間がかかるため、その間、小さい子供が設備の中に入り込んでしまうことも考えられます。

 

 

今後、このような幼児や緊急時の安全策などが、しっかりと対応されていくことが望まれますが、まず、幼児が巻き込まれる事故が発生していることを自覚し、操作時には十分気を付けることが重要です。

 

 

3.機械式立体駐車場の事故情報

 

 

機械式駐車場が普及するきっかけは、商業施設でした。

したがって、取扱に関して知識を有する商業施設等の専任操作員などが操作することが前提として設計されていました。

しかし、先ほど挙げた共同住宅の事故などでは、緊急時の対応等に十分な知識のない利用者が操作しています。

このような設計・製造の段階の前提と、実際の利用段階でのズレが、事故発生の原因の一つと指摘されています。

 

では、事故の内容などを把握して、利用者自身で対策をたてることは可能でしょうか。

国土交通省ホームページでは、機械式立体駐車場における事故の再発防止を図るため、立体駐車場工業会からの報告等に基づき、これまでに発生した重大事故の情報提供が行われています。

http://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_gairo_tk_000063.html

 

そして、毎年度ごとに、事故の発生日、被災者、事故概要等の情報提供が行われています。

 

 

4.国土交通省導入したチェックリスト

 

 

これまで記載してきたように、機械式駐車場の普及に伴い、利用者が機械に挟まれ死亡するなどの事故が発生しています。

 

機械式駐車場の部品等の劣化が原因となる事故は確認できませんが、こちらは設備自体に安全装置などがあるため、設備の不具合による事故ではなく、操作する人や周囲の人の不注意などが、事故の原因となるようです。

 

このような事故等をうけ、機械式駐車場の安全点検を強化する要請がされてきました。

実は、機械式駐車場には法的な点検義務がありません。

(エレベーターは、建築基準法により定期検査が義務付けられています。)

 

したがって、安くない点検・メンテナンス費用を負担して、定期的な点検を実施するかどうかは、共同住宅の場合であれば、管理組合が決める事項とされています。

 

定期点検は、点検業者との委託契約が結ばれるのが一般的です。

ただし、先ほど記載したように、法定の義務がないことなどから、点検項目や頻度などは、統一されておらず、点検の精度にも業者ごとにばらつきがあるのが実情のようです。

 

このような現状を受け、国土交通省では、点検業者選定の目安となる指針案を作成し、公表しました。

 

「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針案」

 

 

この指針案には、各装置装置ごと(安全装置や遠隔監視、搬送台車など)に200に及ぶ点検項目が記載されています。

 

また、点検実施の頻度に関する目安も記載されています。

 

同指針によれば、事故防止において重要な装置については、1~2か月ごとに作動状況を確認するように記載されています。

(人感センサーや非常停止ボタン、警報などの安全設備)

 

 

5.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

機械式駐車場は共同住宅の長期修繕計画を考えるうえで、「金食い虫」と言われているほど、メンテナンス等に費用が嵩む設備です。

 

にも拘わらず、エレベーターと異なり法定点検の義務はなく、点検業者ごとのサービスも不均一なのが実情です。

 

また、利用者に対する十分な指導等がなされない結果、死亡事故や重傷事故などが発生しています。

 

そのような背景から、機械式駐車場を平置化したり、駐輪場に変更したりするマンションもあるようです。

今後、機械式駐車場を取り扱う業者に期待することは、利用者目線に立ったメンテナンス計画の立案や、死亡事故を発生させないようなきめ細かいサービス・点検等ではないでしょうか。

 

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機械式駐車場の耐用年数とは?機械式駐車場にも寿命がある?

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機械式駐車場は、狭い土地でも、駐車場の収容可能台数を増やすことができるメリットがあります。

機械式駐車場は、駐車場需要があるのに、土地がない、という都心立地向きの設備です。

では、機械式駐車場の寿命(耐用年数)はどれくらいなのでしょうか。

 

 

1.そもそも駐車場の種類にはどのようなものがある?

 

 

そもそも、駐車場は大きく、

 

平面

 

 

立体

 

に分けられます。

 

 

平面駐車場というのは、よく町でみかける砂利をしいた駐車場だったり、郊外のスーパーなどのアスファルト舗装された駐車場です。

 

つまり、

 

建物ではなく、

 

土地

 

です。

 

アスファルト舗装などの定期的なメンテナンスは必要でしょうが、基本的には土地の耐用年数は無限、と考えられています。

 

 

 

では、立体駐車場はどうでしょうか。

 

立体駐車場は、駐車スペースへの格納方法により2つに分けられます。

 

自分で走行して駐車スペースに停める
「自走式」

 

か、

 

機械によって駐車スペースまで移動してもらう
「機械式」

 

の2種類です。

 

 

 

 

2.法定耐用年数とは?

 

 

では、耐用年数、とは一体何でしょうか?

 

機械・設備などが使用に耐えられる年数。

(出典:大辞林 第三版)

 

 

耐用年数には、法人税の計算のために、税法により定められた

 

法定耐用年数

 

や、

 

不動産鑑定士による不動産の鑑定評価を行う際に使用される

 

経済的残存耐用年数

 

というものなど、使い方などによって、色々と呼び方が変わります。

また、その意味するところを変わります。

 

 

「自走式」立体駐車場の耐用年数は、駐車場設備、というよりは、その建物自体の耐用年数になります。

 

ですから、立体駐車場の建物構造で多く見られる鉄骨造のように、30年を超える耐用年数となります。

 

 

例えば、立体駐車場の法定耐用年数は以下のとおりです。

・ 自走式立体駐車場(建物)鉄骨造・・・31年
・ 自走式立体駐車場(建物)鉄筋コンクリート造・・・38年

 

 

また、一般的な機械式駐車装置と呼ばれている構造物としての駐車場の法定耐用年数は15年です。

 

 

それでは法定耐用年数を過ぎた立体駐車場はどうなるのでしょうか?

取り壊されてしまうのでしょうか?

 

 

この法定耐用年数は、税金の計算のために、法律により定められたものです。

 

ですから、実際の使用可能な耐用年数とは異なることが通常です。

適切な維持管理が行われていれば、法定耐用年数以上に使用可能であるケースがほとんどです。

 

 

3.機械式駐車場の耐用年数は?

 

 

適切な維持管理を行っていても、土地とは異なり、所有している限り永遠に使用できるわけではありません。

 

機械式駐車場の法定耐用年数は15年です。

 

 

しかし、法定耐用年数は税金計算目的のため、やや短めに設定されています。

 

通常であれば、20〜25年は使用できる、という話を聞きます。

 

 

ただし、それは機械式駐車場設備「一式」の話です。

ほかの設備として、昇降装置、排水装置、安全装置などがありますが、それぞれの法定耐用年数は15年よりも短いのが一般的です。

 

ですから、20年以上使用するためには、それぞれの装置に応じた周期での交換が必要になります。

 

 

4.リニューアル・更新について

 

 

どんなにしっかりとメンテナンスを行ったとしても、将来的には必ず耐用年数には終わりがきます。

耐用年数の終わりを迎えた場合、その先も使用を継続したければ、設備のリニューアル・更新が必要になります。

 

機械式駐車場のリニューアルには、費用がかかります。

 

一般的に機械式駐車場は金食い虫、と言われているように、メンテナンスだけでなく、リニューアル・更新にもお金がかかります。

 

一方で、適切なメンテナンスを行っていなければ、耐用年数も短くなってしまうことに気をましょう。

 

 

5.機械式駐車場の今後

 

 

近年、駐車場は若者の自動車離れや、車の大型化などにより、駐車場の需要は減少傾向にあります。

 

稼働率が低いマンションでは、装置自体を撤去し、駐輪場として利用している場合もあります。

 

また、適切な維持管理を行い続けても、土地とは異なり、永遠に使用できるわけではありまさん。

設置後、20年を経過した当たりでは、設備の更新、または撤去のいずれを選択するかを真剣に考えなければならないでしょう。

 

 

また、そのような住民の足元を見た、管理会社などの不必要な工事提案もある、という話を聞きます。

 

更新か、撤去か、という問題はマンション全体の問題です。

 

慎重に検討し、失敗のないようにしたいものです。

 

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機械式駐車場とは?機械式駐車場の仕組みについて【簡単解説】

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機械式駐車場は、マンションや事務所ビルなどで設置されています。

 

機械式駐車場は1種類ではなく、収容台数や動作方法によって数種類あります。

 

そして、それぞれ異なるメリットおよびデメリットがあります。

 

この記事では、機械式駐車場の種類と、メリットおよびデメリットについてまとめました。

 

 

1.そもそも機械式駐車場とは?

 

 

そもそも機械式駐車場とは何でしょうか。

 

この「機械式」とは、

 

駐車場所までの移動を機械で行う

 

という意味です。

 

自分で駐車場所まで走行する場合は、

「自走式」

の駐車場と言います。

 

機械式駐車場は、都心のような限られた土地においても、駐車台数を増やすことができるため、昭和50年代頃から、居住用のマンションでも機械式駐車場が利用され始めています。

そして、現在では主に商業地等を含む都市圏を中心に利用されています。

 

 

2.機械式駐車場の種類は大きく2種類ある

 

 

機械式駐車場の種類は、以下の大きく2種類あります。

 

・上下にのみ動くタイプ
・上下左右に動くタイプ

 

そして、上下左右に動くタイプは収容台数や使い勝手は良いのですが、上下にのみ動くタイプに比べて、メンテナンス費用が嵩むというデメリットがあります。

 

 

また、それぞれのタイプには、地上や地下、構造に応じて以下のものがあります。

 

【上下にのみ動くタイプ】
・地上二段式
・ピット二段式

 

【上下左右に動くタイプ】
・昇降横行式
・垂直循環方式
・エレベーター方式

 

 

 

3.地上二段式

 

 

 

車を上下に2台とめるタイプの機械式駐車場です。

 

地上二段式は一般住宅に多く採用されているタイプです。

パレットと呼ばれる車載台が昇降することで、それぞれの車を取り出します。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・下段は上段パレットにより雨や日光を遮ることができます。
・上段は地上から高い位置にあるため、下段よりも防犯性に優れています。
・敷地面積の有効活用ができます。

 

【デメリット】
・平面式の駐車場に比べて、上段のパレットは車の出し入れに時間がかかります。

 

 

4.ピット二段式

 

 

ピット二段式とは、地下構造を有する装置のことです。

車を上下に格納するという点では地上二段式と同じですが、下段パレットが地下部分となる点で違いがあります。

ピットを大きくすると、三段式にすることも可能です。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・下段は地下部分に格納されるため、上段パレットにより雨や日光を遮ることができます。
・下段は地下部分に格納されるため、上段よりも防犯性に優れています。
・敷地面積の有効活用ができます。

 

【デメリット】
・地下部分は、大雨等による浸水被害が発生する可能性があります。(特に三段式の場合。)
・平面式の駐車場に比べて、上段のパレットは車の出し入れに時間がかかります。(特に三段式の最下段。)

 

 

5.昇降横行式

 

 

入出庫用の一台分の空きパレットを利用し、各パレットが上下左右に動くことで、指定のパレットを呼び出すタイプの駐車場です。

3段以上することも可能です。

また地下構造にする場合と、地上部分で三段式にする場合のどちらもあります。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・上段は地上から高い位置にあるため、下段よりも防犯性に優れています。
・地下部分に格納されるため、上段パレットにより雨や日光を遮ることができます。

 

【デメリット】
・呼び出し時の車の位置によっては、入出庫に時間にばらつきがあります。
・地下部分は、大雨等による浸水被害が発生する可能性があります。

 

 

6.垂直循環方式

 

 

パレットを垂直方向に循環して動作させることにより、入出庫位置までパレットを呼び出すタイプの駐車場です。

1階部分に入出庫部分が設置されているケースが多いです。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・格納される全てのパレットへの侵入が困難なため、防犯性に優れます。
・全ての車が外壁等により格納されるため、雨風や日光等による劣化等を防ぐ効果があります。
・エレベーター方式に比べると、メンテナンスが容易で、費用もかかりません。

 

【デメリット】
・呼び出し時の車の位置によっては、入出庫時間にばらつきがあります。
・大型装置のため、作動音・振動音が発生します。

 

 

7.エレベーター方式

 

上下左右に配置されたパレットを、上下左右に動作させることにより、車を入出庫させるタイプの駐車場です。

 

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・格納される全てのパレットへの侵入が困難なため、防犯性に優れます。
・垂直循環方式に比べると、騒音の程度が小さいです。

 

【デメリット】
・呼び出し時の車の位置によっては、入出庫時間にばらつきがあります。
・垂直循環方式に比べると、メンテナンス費用がかかります。

 

 

8.機械式駐車場の耐用年数は?

 

 

機械式駐車場のタイプや、使用頻度、維持管理の状態等により異なります。

 

国土交通省の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」によると、駐車装置は20~25年程度で取替え、昇降装置は10年程度、安全装置は5年程度で修繕・取替え、排水ポンプは10年程度で取替え、という目安が記載されているます。

 

この他に、パレットや支柱等の鉄部塗装も必要です。

 

 

 

9.機械式駐車場に法定点検はある?

 

 

機械式駐車場には、法律で定められた定期検査等の義務はあるのでしょうか。

エレベーターは建築基準法により定期検査が義務付けられています。

一方で、機械式駐車装置には法的な点検義務がありません。

 

しかし、人身事故等が過去に発生しているように、使用に際して危険を伴う機械装置であることは確かです。

したがって、法律で定められていはいなくても、定期的な保守点検が不可欠と言えます。

 

また、機械式駐車場に使用されている部品等は種類が多く、また耐用年数にもばらつきあるため、適切な維持管理を行わないと故障の原因となります。

 

 

10.機械式駐車場のマンションを選ぶ際の注意点

 

 

機械式駐車場は、上記のようにタイプによってメリット・デメリットが大きく異なります。

また、マンションによっては、全戸数分の台数がない場合もあります。

 

したがって、マンション購入の際には、以下のようなポイントについて、事前に確認しておくことをお薦めします。

 

・駐車位置が定期的に抽選されるような仕組みとなっているか
・駐車位置のメリット・デメリットに即した駐車料金設定となっているか
・駐車場のメンテナンス費用および体制は適切か
・自分の所有する車が格納できるサイズかどうか
・近隣に貸駐車場があるか
・機械式駐車場の長期修繕計画
・現状の稼働率
・過去に人身事故が発生したことがあるか
・ゲリラ豪雨が発生しやすい地域かどうか

 

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不動産価格を比較する方法とポイント【簡単解説】

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不動産価格を比較しようとしても、何をしていいか分からない………という方。

 

この記事では、比較のポイントを絞ることについて、解説しています。

 

 

1.目的別に比較すべき対象が変わる?

 

 

例えば、新築マンションを探しているけど、それぞれのマンションで、どこを比較すればいいか分からない、という方。

 

中古マンションを探しているけど、どこに注目して比較すればいいか分からない、という方。

 

それぞれの目的に応じて、重視するポイントは異なります。

 

不動産価格は複雑な要素が入り組んで決まっているので、一つ一つを念入りに比較したのでは、とてつもない時間がかかる割に、効果はあまり得られないでしょう。

 

重要なのは、自分の目的が何なのか、そして、比較するべき重要なポイントを絞れるだけ絞ることです。

 

 

2.なぜ、目的別に比較するポイントが異なるのか?

 

 

目的別に比較するポイントが異なる理由、

 

それは、

 

不動産の価格の決まり方

 

が違うからです。

 

 

つまり、価格の決まり方に関係ない、もしくはあまり影響がないことまで、細かく調べるのはナンセンスです。

 

逆に、価格に重大な影響を及ぼす要因については、ポイントを絞ってしっからと調べるべきなんです。

 

 

 

 

3.目的別の比較ポイント

 

 

例えば、不動産価格を比較する場合、目的や用途を無視すれば、以下のようなポイントが挙げられます。

 

・坪単価
・専有単価
・延床単価
・グロス利回り
・ネット利回り
・間取り
・方位
・建物の延床面積
・賃貸可能床面積
・基準階面積
・分譲単価
・粗利益率

などなど

 

こんなに沢山の項目の比較なんてやってられない!

 

と思いますよね。

 

 

以下では、そんな方のために、各目的や用途別に、比較すべきポイントを、重要なものに絞りました。

 

 

目的:住む

 

 

・一戸建

 

路線価に着目しましょう。

 

路線価を比較すれば、土地価格の違いが分かります。

また、総額から土地価格を引けば、建物価格の目安が分かります。

 

一戸建の場合は、

 

路線価

 

を調べて、比較しましょう。

 

 

 

・中古マンション

 

室内であれば、リフォームをどのくらいしているか、が重要です。

 

また、もう1点、借金をしているかいないか、をチェックして下さい。

管理が悪いと、修繕積立金の管理がザルになり、小修繕にお金を使い、大規模修繕の時にお金が足りず、借金をしてしまうことになります。

 

 

 

目的:投資

 

投資目的の場合は、

 

グロス利回り

 

 

空室率

 

を確認して下さい。

 

広告に出ているのは、空室がない時のグロス利回りです。

 

空室率が大きい、または大きかった場合は、要注意です。

 

 

 

 

4.坪単価の比較だけではダメなのか?

 

 

坪単価の比較は、物件ごと、というよりは、年ごとで行うことに意味があります。

 

つまり、不動産価格の推移をグラフなどで比較する場合には、坪単価に単純化して比較した方が分かりやすい、ということがあります。

 

ただし、目的や用途ごとに様々な比較ポイントがある中で、坪単価だけを比較する効果というのは薄いです。

 

 

5.まとめ

 

 

不動産価格を比較するときは、

 

目的

 

をはっきりさせましょう。

 

 

なぜなら、目的別に注目すべき要因が異なるからです。

 

 

ポイントを絞って、より効果的な比較を行いましょう。

 

 

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不動産価格が適正かどうかを調べる方法【簡単解説】

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不動産を買いたい場合、売りたい場合。

 

本当にこの価格で買っていいのだろうか。

 

この価格で売って損はしないだろうか。

 

そんな時、基準となるのが「適正な価格」です。

 

不動産の適正な価格はどのように分かるのでしょうか。

 

 

1.適正価格を知る方法

 

 

不動産の適正価格を知る方法として、様々な方法が巷では紹介されています。

 

そんな様々な方法でも、本質的には、

 

2つ

 

に絞られます。

 

 

それは、

 

自分で調べる

 

のか、

 

専門家に依頼する

 

かの、どちらかです。

 

 

ここでいう専門家は不動産鑑定士です。

 

時価を決定するのは、不動産鑑定士の独占業務となっているためです。

 

不動産業者の査定価格

 

というのは、あくまで時価の参考にはなりますが、時価そのものではありません。

 

 

グループ分けをすると、不動産業者の査定価格は、

 

自分で調べる方法

 

に分類されます。

 

 

 

以下、不動産価格を調べる方法を、グループ分けしました。

 

 

【自分で調べる】
①公的指標
公示地価
基準地価
相続税路線価
固定資産税評価額

②成約価格
不動産取引価格情報

③売り出し価格
販売チラシ
インターネット情報

④査定価格
AIによる査定価格
不動産業者の査定価格

⑤トレンド分析
不動産価格指数
各専門機関による予測値

 

【専門家に依頼する】
鑑定評価額

 

 

2.不動産の適正な価格とは?

 

 

不動産の適正価格とは?

 

という質問の答えは、

 

時価

 

になります。

 

 

「不動産の価格」というのは、色々に様々あるように思われがちですが、本質的には、

 

時価

 

 

売買価格

 

しかありません。

(詳しくはこちらの記事で解説しています。)

関連記事:【簡単解説】不動産価格の決まり方は?不動産価格を決定する方法とは?

 

 

 

売買価格は、

売主と買主という取引当事者間で、

時価を基準とした交渉がなされたうえで、

合意された価格です。

 

 

ですから、時価と乖離することもあり得ます。

 

 

つまり、売買価格は調べるものではなく、結果として分かるものなんです。

 

もし、売買の参考にするための不動産の適正価格を知りたい、ということであれば、

 

 

公的指標や査定価格、売り出し情報を調べて自ら時価を推測するか

専門家である不動産鑑定士に依頼するか

 

 

の2者択一になります。

 

 

不動産業者の査定価格は、あくまで仲介手数料、または買取のための提案価格です。

 

つまり、売主や買主の希望が織り込まれた売買価格と同様に、不動産業者の希望が織り込まれている査定価格は、時価と乖離することがあります。

 

 

3.不動産の適正価格を自分で調べる方法

 

 

不動産の適正価格、つまり時価を自分で調べる方法をそれぞれ簡単に解説します。

 

 

3-1.公的指標

 

 

不動産のうち、土地価格については、公的機関から、以下の指標が公表されています。

 

公示地価
基準地価
相続税路線価
固定資産税評価額

 

これらの指標は「一物四価」という呼ばれ方で広く知られています。

 

 

下記の表は、一物四価の特徴をまとめたものになります。

 

 

また、それぞれの簡単な解説は以下の通りです。
(詳しく知りたい方は、こちらをご覧下さい。)

関連記事:土地価格には4つの価格?一物四価を正しく理解!【簡単解説】

 

 

①公示地価

 

国土交通省が毎年1月1日時点の土地の時価として公表している価格。

目的は、一般の土地取引の指標とされています。

 

 

②基準地価

公示地価と同じく、土地の時価を示す指標ですが、都道府県から公表されます。

また、基準日も毎年7月1日時点です。

 

 

③相続税路線価

相続税や贈与税の税金を計算する目的で、毎年1月1日時点の土地価格として公表している価格です。

価格水準として、公示地価、つまり時価水準の80%の水準です。

 

 

④固定資産税評価額

各市区町村が、固定資産税や不動産取得税等の税金を計算する目的で、土地や建物等の固定資産について公表している価格です。

公示地価や相続税路線価と異なり、3年ごとに見直しが行われ、公表されます。

土地は、時価の70%程度の価格水準となっています。

 

 

3-2.成約価格

 

 

売り主と買い主の双方が合意し、売買契約書に記載される価格が成約価格です。(「実勢価格」とも言います。)

インターネットで不動産業者が公開している情報は、次で説明する売り出し価格になります。

 

 

成約価格と売り出し価格の違いは、分かりやすく言うと、

 

売り出し価格は値引き前
成約価格は値引き後

 

というイメージです。

 

 

成約価格は、国土交通省のホームページである「不動産取引価格情報」というサイトから調べることができます。

(個人情報の関係で場所は特定できませんが、成約価格が分かる貴重なサイトです。)

関連記事:土地価格の実勢価格とは?時価や公示地価、売買価格との違いは?

 

 

 

3-3.売り出し価格

 

 

実際に販売チラシなどの広告に掲載される価格です。

ポストに投函されている販売チラシや、インターネットで検索して入手することができます。

中古マンションなどの売買では、値引き交渉が行われることが多いので、ある程度の値引き幅を上乗せした価格となっていることに注意が必要です。

 

関連記事:【時間がない人は必見!】効率的に不動産情報を集めるやり方はコレ!

 

 

3-4.査定価格

 

 

不動産業者が、物件がいくらで売れるのかを査定した価格のことです。

また、最近ではインターネット上で、AIが査定してくれるサイトもあるようです。

主にリフォームに必要な費用、周辺環境などを反映するためには、現地調査が必須です。

 

これを行っていない査定は、

机上査定

と言われ、やや精度が落ちます。

 

また、現地を調査してからの査定額も、分析方法や資料などを考慮すると、後ほど説明する不動産鑑定士による鑑定評価額とは異なり、時価ではないことに注意しましょう。

 

関連記載:【時間がない方必見!】AI(人口知能)を使って不動産価格を検索

 

 

3-5.トレンド分析

 

 

不動産価格には、高騰期と低迷期の波が存在します。

 

ですから、不動産の適正価格を知るためには、現在の情報を集めるだけではなく、過去の推移と今後の傾向についても調べる必要があります。

 

価格の推移について調べるには、以下のグラフが分かりやすいと思います。

 

不動産価格指数

(出典:国土交通省ホームページ)

 

 

市街地価格指数

(出典:「地価にみる日本の今」伊藤裕幸)

 

 

また、将来予測については、例えば、一般財団法人日本不動産研究所が予測値を公表しています。

マンション価格の予測

 

 

関連記事:【時間がない方必見!】不動産価格の推移をグラフで調べる方法

 

 

 

4.不動産の適正価格を専門家に依頼する方法

 

 

不動産鑑定の大手企業としては、

 

一般財団法人日本不動産研究所
大和不動産鑑定株式会社
株式会社谷澤総合鑑定所

 

が有名です。

 

他にも、信託銀行だったり、不動産仲介会社なども不動産鑑定をしている会社もあります。

 

また、地元で有名な不動産鑑定事務所に相談する方法もあります。

 

 

5.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

繰り返しになりますが、不動産の適正価格を調べる方法は、

 

2つ

 

にまとめられます。

 

 

それは、

 

自分で調べる

 

か、

 

不動産鑑定士に依頼するか

 

です。

 

 

不動産鑑定士に依頼するのは費用がかかりますが、細かい分析作業を任せられる、また、時価の証明書として不動産鑑定評価書が手に入るという良いところもあります。

 

一方で、自分で調べる方法は、公的指標から成約価格、将来トレンドまで自ら調べることになり、時間と手間がかかる分、費用を節約できるというメリットがあります。

 

どちらを選ぶかは、予算と時間に応じて、選択されるのが宜しいかと思います。

 

 

関連記事:【時間がない方必見!】不動産価格を検索できるサイトまとめ

 

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【簡単解説】マンション価格の推移と今後の予測について

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建築費が上がったり、新築マンション価格が高騰していたり、マンション価格には波がありますよね。

 

この記事では、マンション価格の推移についてまとめています。

 

 

1.マンションはいつ買うのがオススメか?

 

 

まず、結論から先に言いますと、

 

マンションに買い時はありません

 

ということです。

 

 

つまり、買い時によって、失敗や成功、ということは本来、あり得ないはずなんです。

 

むしろ、

 

マンション価格が高騰しているからと言って、

無理矢理住んでいる家を売ってしまったり、

 

 

マンション価格が底を打っているからと言って、

無理矢理マンションを購入したり、

 

 

と、こういう無理な行動をすると、大抵は失敗します。

 

 

繰り返しますが、

 

マンションに買い時はありません

 

 

 

大切なのは、

 

自分が納得できる物件を見つけること

 

です。

 

 

自分が満足できる物件があれば、時期は関係なく買うべきです。

 

高い時に買っても、ずっと住むなら関係ないし、

 

高い時に売れたとしても、代わりに買う物件が高ければ、あまり効果はないですよね。

 

とはいえ、マンション価格の高騰や下落が、物件自体の特徴に全く影響を与えないか、というと、そうではありません。

 

 

2.マンション価格の影響を受けるポイント

 

 

マンション価格の高騰や、地価の下落などが、物件自体に与える影響には、主に以下のようなことが考えられます。

 

 

2-1.部屋の広さ

 

マンション価格は、建築費の水準に強く影響を受けます。

建築費が高い時は、利益を上げるためには、販売価格を高くする必要があります。

 

 

しかし、販売価格を上げるのにも限界があります。

 

住宅ローンが組めなくなるからです。

 

そういう場合、住宅ローンの上限を超えないように、部屋の面積が小さくなっていく傾向があります。

 

 

3LDKの場合、70平米が基準になると思われます。

 

価格高騰期には、70平米未満の部屋が多くなります。

 

逆に、価格低迷期には、70平米を超える部屋が多くなります。

 

もし、部屋の広さにこだわりがあるなら、価格高騰期の購入は避けた方が良いかもしれません。

(面積にこだわりがなければ関係ありません。)

 

 

 

2-2.敷地面積

 

 

建築費と同様に、地価はマンション価格に強く影響を与えます。

 

なぜなら、マンション開発には、まず、土地を仕入れる必要があるからです。

 

つまり、地価が高い時は、販売価格に利益を乗っけて、元を取ろうとします。

 

体力のあるデベロッパーであれば問題ないでしょうが、地価が高い時に、広大な敷地面積を仕入れるのは、リスクが伴います。

 

ですから、広い敷地、ゆったりとした敷地にこだわる方などは、地価が低迷している時が、マンション購入には良い時期かもしれません。

 

 

3.今後のマンション価格の推移はどうやって決まる?

 

 

マンションに買い時はない、とは言われても、部屋の広さや敷地面積に影響があるなら、気にした方がいい、と考える方もいると思います。

 

そんな方のために、今後のマンション価格の推移をどうやって調べるか、ということをまとめました。

 

 

 

まず、マンション価格に影響を与える基本的事項としては、主に以下のものがあります。

 

 

【マンション価格に影響を与える基本的事項】

・所得水準と金利
・地価
・建築費
・新築マンション価格

 

 

 

所得水準と金利は、マンション購入者が借りることができるローンの総額に影響を与えます。

 

所得水準が高ければ高いほど、借入ができるローンは増えます。

 

また、その反対に、金利が低ければ低いほど、借入ができるローンが増えます。

 

つまり、所得水準が高くて、金利が低ければ、マンション価格は高騰する傾向がある、という訳です。

 

 

地価や建築費は、一般の商品でいうところの材料費です。

 

材料費が上がれば、利益を出すためには、販売価格を上げなければなりません。

 

 

ですから、地価や建築費が高騰している時は、同じようにマンション価格も高騰する傾向にあるのです。

 

 

最後に新築マンション価格です。

これは、中古マンションの価格に影響を与えます。

 

新築マンションの価格が上がれば、相対的に中古マンションの価格も上がります。

 

また、その反対に、新築マンションの価格が下がってくれば、中古マンションも価格をさげなければ売れなくなります。

 

 

 

4.マンション価格の今後の予想は?

 

 

では、基本的な事項を踏まえ、具体的に今後のマンション価格の展開について考えてみましょう。

以下サイトのグラフをご覧下さい。

 

一般財団法人日本不動産研究所ホームページ

 

東京23区のマンション価格予測です。

 

このように具体的に価格動向を予測してくれている資料は珍しいのですが、グラフを良く見ると、あることが分かると思います。

 

波がある

 

ということが分かると思います。

 

 

 

もう一つ、次のグラフを見て下さい。

(出典:国土交通省「不動産価格指数」)

 

こちらは、過去からのマンション価格の推移を確認したい場合に分かりやすいグラフです。

 

つまり、価格高騰期や、価格が最も低い時期は、15年周期でくることを前提にすれば、おおよそ何年後が価格高騰期なのか、とか、価格が下がる時期なのか、ということが予想できます。

 

 

このグラフはマンション価格ではなく、土地価格、つまり地価の推移を表したグラフです。

(出典:「地価にみる日本の今」伊藤裕幸)

 

 

このグラフにも波がありますよね。

 

つまり、不動産価格は、全般的に波がある、ということなんです。

 

 

そして、この波は

 

15年周期

 

ともいわれております。

 

 

 

 

 

5.中古マンションは「管理」を絶対にチェック!

 

 

最近では、駅徒歩10分圏内かどうかで、価格が2極化している、と言われます。

 

でも、だからと言って、徒歩15分の物件が全く売れないわけじゃありません。

 

また、今後、働き方改革などで電車通勤が少なくなるようなことがあれば、徒歩15分の物件も売れやすくなるかもしれません。

 

しかし、そのように時代の移り変わりによって価格への影響が変化することがある一方で、絶対的に不変なポイントもあります。

 

 

マンションの場合は、

 

管理

 

です。

 

 

マンションは管理を買う

 

と言われますが、まさしくその通りです。

 

 

なぜなら、管理の良し悪しは、大規模修繕などを通して、所有者の出費に直結するからです。

 

管理の状態が悪く、修繕積立金も貯まっていないマンションの場合、中古マンションの購入価格以外にも、積立金の値上げや、場合によっては一時金の負担など、突然の出費が発生する可能性があります。

 

その反対に、管理の良いマンションでは、築年数が経過していても、グレードアップ工事を実施したりするなど、資産価値を一定に保っているようなマンションもあります。
また、一時金などの出費の心配もありません。

 

 

中古マンションの価格の推移を知りたければ、

 

新築マンション動向をチェックすることよりも、

 

まず管理がしっかりしているかどうか

 

を最優先にチェックすることが必須です。

 

 

6.まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

 

繰り返しますが、

 

マンションに買い時はない

 

です。

 

 

むしろ、買うタイミングを気にするよりも、

 

自分がどういう立地に住みたいか

 

どういう部屋に住みたいか

 

広さは?間取りは?

 

 

ということを突き詰めていくことが、最重要です。

 

 

私の知人でも、安く買って高く売った、という話を聞いたことがあります。

 

ただ、高く売れたのはいいのですが、その代わりに買ったマンションは、ものすごく高かったですが………

 

 

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【簡単解説】不動産価格の決まり方は?不動産価格を決定する方法とは?

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不動産価格は、

 

「一物四価」

 

と言われたり、

 

売り希望価格や実勢価格などなど、

 

様々な価格の種類が世の中には氾濫しています。

 

 

この記事では、

 

そんな世の中に氾濫した不動産価格を可能な限りまとめて、

 

それらの価格がどのように決定されるのか、

 

解説しています。

 

 

1.不動産価格は、色々あるように見えて本質的には2種類しかない

 

 

不動産価格は、一物四価や実勢価格など、価格の種類が様々あるように言われていますが、本質的には

 

2種類

 

しかありません。

 

 

時価

 

 

売買価格

 

です。

 

 

この記事では、様々な不動産価格を、この2種類の価格にグループ分けして、

 

なぜ価格が決まるのか

 

価格に影響を与えるものは何か

 

という視点で、不動産価格の決定の仕方について、解説していきます。

 

 

様々な不動産価格を、時価と売買価格にグループ分けした場合、次のようになります。

 

【時価】
・鑑定評価額
・一物四価(公示地価、基準地価、相続税路線価、固定資産税評価額)

 

【売買価格】
・実勢価格
・成約価格
・購入希望価格
・査定価格
・売り出し価格
・売却希望価格

 

 

 

 

 

 

2.不動産の価格に影響を与えるもの

 

 

不動産の価格に影響を与えるものには、どのようなものがあるのでしょうか。

 

国家資格者である不動産鑑定士が拠り所とする不動産鑑定評価基準では、

 

価格形成要因

 

として、以下の3グループ(「一般的要因」、「地域要因」、「個別的要因」)に分けて、具体的な項目が列挙されています。

 

 

【一般的要因】
物価や賃金、金利動向などのマクロ的な要因

 

 

【地域要因】
不動産が所在している地域の特徴。
例えば、駅から離れた住宅団地なのか、駅前商店街近くの住宅地なのか、など。

 

【個別的要因】
個々の不動産の特徴。
土地であれば、面積や建ぺい率・容積率等の、道路の幅、隣接地などに嫌悪施設がないか等。
建物であれば、構造(木造、鉄筋コンクリート造等)、面積や築年数、維持管理の状況等。

 

 

先ほど時価のグループの中に、「鑑定評価額」という価格が入っていたのを思い出して下さい。

 

「鑑定評価額」は不動産鑑定士によって分析・判定された「不動産の時価」のことです。

(厳密には、「正常価格」についての「鑑定評価額」です。鑑定評価額にも時価に相当する価格以外の種類があります。)

 

ですから、上記の価格形成要因は、時価に影響を与える要因である、ということです。

 

 

 

では、もう一つの価格である「売買価格」も、同じような要因で決定されるのでしょうか。

 

基本的には時価と同じです。

 

つまり、マクロ的な経済情勢の下、地域や個別性を反映して価格が決まります。

 

 

ただ、根本的に異なるのは、

 

売主と買主の関係

 

が価格に影響することです。

 

時価との違いは、この点のみである、と言ってもいいと思います。

 

時価と異なり、売主と買主の関係が売買価格に与えるケースとして、以下のような場合が考えられます。

 

・売主が至急お金が必要になったため、安めに売りに出す場合
・買主が、どうしても欲しい物件のため、高めに購入する場合

 

以上のケースは、つまり、実際の売買では、時価よりも高く売れたり、安く売れたりすることがあり得る、ということです。

 

売買価格の場合は、時価に影響する要因に加えて、上記のような売主と買主の要因が強く影響することを、忘れないで下さい。

 

 

3.不動産売買時の価格の種類

 

 

では、先ほど売買価格グループに分類して価格については、実際どのようなものなのでしょうか。

 

・実勢価格
・成約価格
・購入希望価格
・査定価格
・売り出し価格
・売却希望価格

 

これらについては、実際の売買の順番通りに見ていくと理解がしやすいと思います。

 

 

 

3-1.売却希望価格

 

 

自分がいくらで売却したいのか、その希望価格のことです。

 

通常であれば、ポストの販売チラシなどから、大体どれくらいで売れるのか、ということを自分なりに調べてから、不動産業者に問い合わせて査定してもらうことになります。

 

関連記事:【時間がない人は必見!】効率的に不動産情報を集めるやり方はコレ!

 

 

 

3-2.査定価格

 

 

不動産会社が、物件がいくらで売れるのかを査定した価格のことです。

 

現地や部屋を見ないで行う机上査定と、現地を見てから行う本査定(呼び方は色々です。)があります。

 

両者の違いは、主にリフォームに必要な費用、周辺環境といったところです。

 

当然ですが、机上査定より本査定の方が精度が高いですが、分析手法や収集データなどを比較すると、後ほど説明する不動産鑑定士による鑑定評価額より精度は劣ります。

 

関連記事:たったこれだけ!不動産業者の営業マンへの相談すること!

 

 

 

3-3.売り出し価格

 

 

実際に販売チラシなどの広告に掲載される価格です。

 

つまり、物件を探している人が、

 

少し高いな

 

とか、

 

意外と安いな

 

とか、あれこれ考える元になる価格のことです。

 

中古マンションなどの売買では、値引き交渉が行われることが多いので、ある程度の値引き幅を考慮した価格となっていることが多いです。

 

関連記事:不動産価格を値引きするときの心構えとポイントについて

 

 

 

3-4.購入希望価格

 

 

購入希望者が、売り出し価格に対して提示する価格です。

 

通常は、いくらかの値引きをしますが、あまりに値引き幅が大きいと、売主から断られる可能性もあります。

 

 

3-5.成約価格

 

 

売り主と買い主の双方が合意し、売買契約書に記載される価格が成約価格です。

 

この成約価格こそ、売買価格です。

(「実勢価格」とも言います。)

 

今までの売却希望価格や査定価格、購入希望価格は、成約価格、つまり売買価格へ至るまでのプロセスに過ぎません。

 

先ほども言いましたが、この成約価格は時価とは異なるものです。

 

それは、売主と買主がどのように歩み寄ったかによって、時価より高くなったり、安くなったりするものです。

 

関連記事:土地価格の実勢価格とは?時価や公示地価、売買価格との違いは?

 

 

4.一物四価とは?

 

 

「一物四価」とは、

 

「行政機関」から公示される
「土地」の
「価格」に関する
「目的」に応じた
「4種類」の
「指標」のこと

 

です。

 

 

下記の表は、一物四価の特徴をまとめたものになります。

 

 

以下、それぞれの簡単な解説です。

詳しく知りたい方は、関連記事「土地価格は一物四価?公示価格・路線価・基準地価に固定資産税評価額?」をご覧ください。

 

 

4-1.公示地価

 

国土交通省が毎年1月1日時点の土地の時価として公表している価格。

目的は、一般の土地取引の指標とされています。

 

 

4-2.基準地価

 

公示地価と同じく、土地の時価を示す指標ですが、都道府県から公表されます。

また、基準日も毎年7月1日時点です。

 

 

4-3.相続税路線価

 

相続税や贈与税の税金を計算する目的で、毎年1月1日時点の土地価格として公表している価格。

価格水準として、公示地価、つまり時価水準の80%の水準になります。

 

 

4-4.固定資産税評価額

 

各市区町村が、固定資産税や不動産取得税等の税金を計算する目的で、土地や建物等の固定資産について公表している価格。

公示地価や相続税路線価と異なり、3年ごとに見直しが行われ、公表されます。

 

土地は、時価の70%程度の価格水準となっています。

 

 

また、一物四価と呼ばれる公的指標の中で唯一、建物価格が算定されています。

ただし、総務大臣の定める固定資産評価基準によって算出されているため、時価水準とは異なります。

 

 

 

5.一物四価の根拠となる鑑定評価額

 

 

不動産の売買価格は、実際の取引された事例から分かります。

 

では、その売買価格が高いか、安いかを判断するための時価は、どのように分かるのでしょうか。

 

先ほどの一物四価の公的指標は、時価がベースとなっているものであり、これらの公的指標を調べることで、時価水準は分かります。

 

しかし、そもそも、この時価水準自体、どのように判定されているのでしょうか。

 

 

その答えは、

 

不動産鑑定士による鑑定評価額

 

です。

 

 

この鑑定評価額が、時価の根拠となるものです。

反対に、不動産鑑定士以外の者が出した価格(宅地建物取引士、税理士など)は、時価とは認められませんので、注意しましょう。

 

 

5-1.不動産鑑定士とは?

 

 

不動産鑑定士とは、不動産の適正価格を判断できる唯一の国家資格です。

 

先述した、不動産の価格を形成する要因を分析し、不動産の経済価値として、鑑定評価額を決定することができる、唯一の資格者です。

(不動産鑑定士以外の者は、時価を決定できません。)

 

 

5-2.鑑定評価額を求める手法

 

 

不動産鑑定士の鑑定評価手法は、主に以下の3つです。

 

 

①原価法

 

「積算」という、工事費などを見積る考え方で価格を試算する手法です。

 

コストアプローチに分類されます。

 

分かりやすく言うと、新築価格から、経年減価を引いた価格です。

 

 

②取引事例比較法

 

価格を出したい不動産と、特徴や立地条件などが似ている不動産の成約価格等(取引事例、と言います。)を使って、価格を試算する手法です。

 

マーケットアプローチに分類されます。

 

採用する取引事例の選択は、高度な分析力と経験が必要です。

 

 

③収益還元法

 

価格に利回りを掛けると、儲け、が計算されますよね。

 

その数式を逆算して、儲け、つまり賃料等に基づく収益から、不動産価格を求める手法です。

 

投資用不動産の価格は、収益還元法によって求められます。

 

インカムアプローチに分類されます。

 

 

6.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

世の中に氾濫する様々な不動産価格。

 

 

結局のところは、

 

時価

売買価格

 

の2種類にまとめることができます。

 

 

そして、

 

時価は不動産鑑定士により決定されます。
(法律上で計算方法が定められているものを除き、不動産鑑定士以外の者は時価を決定できません。)

 

売買価格は、取引当事者(売主と買主)の交渉により決定されます。

 

売買価格(つまり、実勢価格)は高かったり、安かったりしますが、時価はブレません。

 

 

 

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