【簡単に説明】「大規模な模様替」と「大規模修繕」との違いは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

 

「大規模な模様替」という言葉と、「大規模修繕」の違いが分からない………

 

そんな悩みをお持ちの方のため、違いについて調べました。

 

 

1.それぞれの定義を比べてみましょう

 

 

結論から先に書きます。

 

「大規模の模様替」とは、

 

建築基準法の法律用語

 

です。

 

 

ですから、「大規模修繕」とは違います。

 

それぞれの定義を比べてみましょう。

 

次のポイントを念頭に、読んでみて下さい。

 

・定期的な修繕、補修
・目的は性能の維持
・大がかり、多額の費用
・主に塗装工事、クリーニング、設備工事

 

 

「大規模修繕」

 

大規模修繕とは、経年劣化が避けられないマンションを定期的に修繕をすることで、建物としての資産価値を維持することを目的として、躯体を維持するための補修や共用部分の改修を行う大がかりな工事のこと。
おおむね10~15年おきに行うのが一般的。
おもな修繕・補修内容としては、壁のひび割れ補修、外壁の再塗装、屋上の防水補修、共用廊下、階段、エントランス等のクリーニングおよび補修、エレベーターの改装や交換、給水管工事、排水管工事、また、高齢化対応として各部のバリアフリー工事なども検討項目となる。

(出典:suumo住宅用語大辞典)

 

 

 

 

分譲マンションの性能を維持し老朽化を防止するために、計画的に行なわれる修繕であって、多額の費用を要する修繕のことである(これに対して多額の費用を要しない計画的な修繕は「小規模修繕」という)。

具体的には、鉄部塗装工事・外壁塗装工事・屋上防水工事・給水管工事・排水管工事などの各種の修繕工事を指している。

(出典:アットホームHP)

※注:建築基準法の法律用語に「大規模な修繕」という用語があります。これは、上記の「大規模修繕」とは違う意味になります。

 

 

・修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材 料、形状、寸法のものを用いて原状回復を図ることをいいます。
・大規模の修繕とは、修繕する建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋 根又は階段)の一種以上を、過半(1/2 超)にわたり修繕することをいいます。

(出典:国土交通省HP)

 

 

 

 

では、次に「大規模な模様替」の定義です。

 

以下のポイントを念頭に読んでみて下さい。

 

・建築基準法での用語
・目的は性能の向上
・過半(1/2)を超える
・「主要構造部」の改造

 

 

「大規模な模様替」

「建築物の主要構造部の一種以上について行なう過半の模様替え」と定義されている(建築基準法2条15号)。

(出典:アットホームHP)

 

 

 

・模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造すること をいいます。一般的に改修工事などで原状回復を目的とせずに性能の向上を図るこ とをいいます。
・大規模の模様替えとは、模様替えをする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、 床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2 超)にわたり模様替えをすることを いいます。

(出典:国土交通省HP)

 

 

 

 

2.「主要構造部」とは?

 

 

「大規模な模様替」の建築基準法上の定義をもう一度記載します。

 

 

「建築物の主要構造部の一種以上について行なう過半の模様替え」と定義されている(建築基準法2条15号)。

(出典:アットホームHP)

 

 

 

「大規模修繕」で工事する場所は、主に塗装工事、クリーニング、設備工事、でした。

 

 

これらは「主要構造部」には入らないのでしょうか。

 

答えは、「入らない」です。

 

 

「主要構造部」を、無理矢理一言で言うと、「建物の骨組」のことです。

 

「大規模修繕」での工事内容は、屋上防水や外壁タイルなどは表面上、つまり仕上げ部分の工事になりますので、「主要構造部」には該当しません。

 

 

では、「主要構造部」とは、具体的にどこの部分なのか。

 

実は、この「主要構造部」も、建築基準法上の法律用語なのです。

 

 

「建物の骨組」というイメージで、以下の定義を読んでみて下さい。

 

 

「主要構造部」

建築物の構造上、重要な役割を果たしている部分のこと。
建築基準法2条5号では、主要構造部とは「壁・柱・床・梁・屋根・階段」であると定義している。
ただし、構造上重要でない最下階の床、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段などは主要構造部から除外されている。

(出典:アットホームHP)

 

 

どうでしょうか。

 

まさに「骨組」というイメージがしっくり来ませんか?

 

また、「大規模修繕」の工事である塗装工事や設備工事(ましてやクリーニングなど)が、「主要構造とは」でないことは、すぐに分かりと思います。

 

 

 

3.建築確認がいらないこともある?

 

 

「大規模な模様替」は建築基準法上の法律用語です。

 

そして、まさに行うとしている工事が、「大規模な模様替」に該当する場合には、

 

建築確認

 

が必要となります。

 

 

建築確認とは、無理矢理一言で言えば、

 

建築基準法のルールを守っているかどうか、役所などから厳しくチェックされること

 

です。

 

 

ですから、もし、これから「大規模修繕」や、「大規模な模様替」には該当しない工事を行う場合は、建築確認は不要なのです。

 

つまり、役所などからのチェックが入らない、ということです。

 

これは、手続きが楽になる、というメリットはあるかもしれませんが、しっかりとしたチェックが入らない、というのはデメリットにもなります。

 

また、もし仮に「大規模な模様替」に該当して、建築確認を受けることになったとします。

 

もし、その物件自体が、今まで違法状態だった場合は、その違法部分を直すことも、建築確認が下りる条件となる可能性がありますので、注意が必要です。

 

関連記事:【忙しい人必見!】大規模修繕とは?建築基準法との関係は?

 

 

4.具体的な建築確認が不要な事例は?

 

 

では、「大規模な模様替」に該当しない具体的な事例を書いていきます。

 

 

・小規模住宅(1戸建住宅の場合)は、例え「主要構造部」の「過半」の「模様替」であっても、建築確認は不要です。なぜなら、2階建以下の木造住宅などの小規模住宅は、建築基準法上「4号建築物」と呼ばれ、例外的に「大規模な修繕」と「大規模な模様替」を行う時でも、建築確認が不要とされています。

 

・4号建築物を除く屋根の瓦の葺き替え
例えば、木造2階建ての1戸建の屋根を葺き替える工事をする場合を考えます。「屋根」は「主要構造部」です。したがって、もし「過半」を超える屋根の葺き替えを行う場合は、「大規模な模様替」に該当します。ただし、先ほどのとおり、「4号建築物」の場合は建築確認が不要です。
しかし・・・・・・です。
4号建築物以外の屋根の葺き替えの場合は、建築確認が「必要」です。(例えば、木造「3」階建の場合は、要確認です。)

 

 

・外壁タイル張り替えは不要
外壁タイルの貼替工事は、建築確認は不要です。でも、「外壁」だから、「主要構造部」ではないの?とお考えの方もいると思います。
先ほどの「構造」について思い出して下さい。
「構造」とは、「建物の骨組み」です。
「外壁タイル」は「骨組み」ではなくて、表面上の「仕上げ」と考えられています。
ですから、過半を超える外壁タイルの貼替を行う時も、建築確認は不要です。

 

 

 

・マンションの部屋の中をリフォームやリノベーションする場合
専有部分をリフォームする時も、基本的には建築確認は不要です。
ただし、面積が増える場合は増築として建築確認が必要になる場合もあるので注意しましょう。

 

 

 

5.まとめ

 

 

いかがでしょうか。

 

「大規模修繕」という言葉は良く聞きますし、イメージしやすいです。

 

ただし、似たような用語で「大規模な修繕」と「大規模な模様替」がありますが、これらの意味は、「大規模修繕」とは全く異なります。

 

そもそも工事する場所が違います。

 

また、工事の際の手続き(建築確認等)も違います。

 

「大規模修繕」は、一般的にイメージが共通する言葉ですが、

 

「大規模な模様替」というのは、建築基準法上の法律用語です。

 

似たような響きで全く異なる意味となってしまいます。

 

使う時は注意しましょう。

 

 

 

Pocket

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*