【簡単に説明】マンションの大規模修繕の防水に関する工事とは?

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大規模修繕の防水工事とは何でしょうか。

 

屋上やバルコニー、共用廊下などの防水性能を新築当初の性能まで回復する工事のことです。

 

この記事では、マンションの防水工事について調べたことをまとめました。

 

 

1.防水工事の種類

 

 

そもそも防水工事は、多くの工法・材料があります。

 

それは、マンションやオフィスビルなどの用途別、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの構造別によっても違います。

 

また、工事箇所によっても、使える工法や材料が違います。

 

 

主な工事箇所は、

 

屋上
バルコニー
共用廊下

 

です。

 

 

防水工事は、

 

材料
工法
機能

 

の3つの面から分類されます。

 

 

 

材料による分類では、「アスファルト防水」「シート防水」「塗膜防水」等に分類されます。

工法による分類では、「保護工法」「露出工法」「機械固定工法」等に分類されます。

機能による分類では、「断熱防水」や「遮熱工法」などに分類されます。

 

 

 

防水工事の相場は1㎡当り7,000~12,000円程度と言われています。

 

また、各材料別の単価の非常に大まかな目安は以下の通りです。

(あくまで目安のため、詳細は相見積を取って検討して下さい。)

 

・ウレタン防水:約7,000円/平方メートル
・シート防水:約7,500円/平方メートル
・アスファルト防水:約8,000/平方メートル
・FRP防水:約9,000/平方メートル

 

 

2.防水工事の耐用年数

 

 

防水工事は、1回実施すれば永久に大丈夫、というものではありません。

 

賞味期限のようなもので、「耐用年数」というものがあります。

 

イメージとしては、「使用に耐えうる」年数、ということでしょうか。

 

この耐用年数を超えている場合は、いつ雨漏りなどの漏水事故が発生してもおかしくない状況となっていることが多いです。

 

各工法別の耐用年数の目安です。
(先ほどの単価の順番に並べてます。)

 

・ウレタン塗膜防水:約10年~13年
・ゴムシート防水:13年
・塩ビシート防水:13年
・アスファルト防水露出工法:13年
・アスファルト防水保護工法:約15年~20年
・FRP防水:約10年~13年

 

一般に標準的と考えられる耐用年数では、10年を目安に防水工事を行うことが必要であると考えられます。
(アスファルト防水保護工法は少し耐用年数が長いです。)

 

先ほどの単価との関係で考えれば、価格が高い工法ほど、耐用年数も長くなるようです。
(FRP防水は少し違いますが。)

 

 

3.定期的な防水工事をする理由

 

 

定期的に防水工事をするのは何故でしょうか。

 

例えば、使えるだけ使って、壊れたら直す、という方法はダメなのでしょうか。
(つまり、賞味期限を過ぎても、まだ食べられる、というようなイメージです。)

 

 

防水工事に関しては、

 

転ばぬ先の杖

 

という対応をする必要があります。

 

 

なぜなら、漏水箇所はより痛みやすいからです。

 

つまり、一度漏水してしまうと、漏水前に防水工事を実施するよりも、多く費用がかかってしまいます。

 

漏水が起きていない場合は、補修などの定期的なメンテナンスで済むケースが多く、一から防水工事をやり直すよりも安く済みます。

 

ただ、漏水が起きた場所を中心に劣化が進んでしまった場合、補修程度のメンテナンスでは、防水性能を回復できない場合があります。

 

そうなると、新たに防水工事を行う必要があるので、費用がかかってしまうことになります。

 

車のコーティングをイメージすると分かりやすいかもしれません。

初回は高いですが、1年に1回のメンテナンスは安く済みます。

そのようなイメージです。

 

 

4.水漏れの原因には何がある?

 

 

水漏れと雨漏りは違います。

 

無理矢理イメージを簡単にまとめると以下のようになります。

 

 

水漏れは、専有部分から専有部分へ水が漏れたもの。

雨漏りは、共用部分から専有部分へ水が漏れたもの。

 

 

つまり、水漏れの原因は、上の階などに住んでいる人の不注意などで、お風呂の水があふれたりすることで発生するケースがほとんどです。

 

これに対して、雨漏りは、屋上やバルコニー防水、窓枠のシーリングの劣化などにより、そこから雨水が浸入してくるケースがほとんどです。

 

つまり、雨漏りを防ぐために、定期的な防水工事が欠かせない、というわけです。

 

また、水漏れの原因により、使う保険が変わってきますので、注意が必要です。

 

 

 

 

 

5.防水工事の具体例

 

 

防水工事の具体例として、

 

バルコニー防水工事

 

 

屋上防水工事

 

 

について、さらに調べてみました。

 

 

5-1.バルコニー防水工事

 

 

バルコニー防水工事は、バルコニーの床から、雨水が内部へと浸入するのを防止するための工事です。

 

バルコニーは屋上と違い、作業スペースが限られています。

 

ですから、ウレタン塗膜防水はスペースが狭くても施工可能なため、バルコニー防水工事に使用されています。

 

ただし、あくまで「塗膜」工事なので、塗ったら乾かす必要がありますので、工事中はバルコニーに出れない期間があります。

 

また、ウレタン塗膜防水は、費用も安価で作業効率も良いのですが、見た目が単調、という欠点があります。
(公立の小中学校のベランダをイメージして下さい。)

 

そこで、配色や模様を選べる塩化ビニールシート防水が使用されています。

一般的に分譲マンションでは、見た目を良くして資産価値を上げるために、シート防水が使用されています。

 

 

5-2.屋上防水工事

 

 

屋上防水工事は、主に屋上からの雨水の浸入を防ぐ為に行われます。

 

また、足場が必要ないケースも多いため、屋上防水の状態に応じたメンテナンスも行われます。

 

私のマンションでは、足場が必要ない、ということで、大規模修繕とは別に、先送してお金が貯まった時点で工事を行いました。

 

 

6.まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

防水工事といっても、材料の違い、工法の違い、工事する場所の違いから、価格や耐用年数も幅があります。

 

また、屋上防水や共用廊下の防水工事は、足場が必ずしも必要とならないことから、大規模修繕工事とは別の時期に先送りされることがあります。

 

(私のマンションも、共用廊下と屋上は簡単なメンテナンスだけ実施して、工事自体は先送りにしました。)

 

 

修繕積立金が不足して、なかなか大規模修繕が実施できないマンションが多いと聞きます。

 

この記事でも書きましたが、漏水した場合は劣化が早く進みます。

 

その結果、より多くの改修費用が必要となってしまいます。

 

つまり、お金がないから、必要な防水工事を先送り、というのは、悪循環に陥る危険性が高い、ということです。

 

 

マンションの大規模修繕は、非常に大まかに分けると、

 

防水工事

 

 

設備工事

 

しかありません。

 

 

お金がないなら、ないなりに、防水対策だけはしっかりと行うようにしましょう。

 

 

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