マンションにお住まいの方で、下の階から水漏れのクレームがあった方。
最上階に住んているのに、天井から水漏れがしている方。
水漏れはマンションのトラブルのうち、大きな割合を占めるのですが、いざ起きると、どう対応してよいか分からない、という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、マンションの水漏れが起きた場合に、もし、加害者となってしまった時、保険によって補償ができるのかどうか、またその際の留意点についてまとめています。
水漏れの修理代金は高額となる可能性があります。
例えば、天井から水漏れして、壁紙を湿らすくらいであれば、まだかわいいものですが、中には床をビシャビシャにしたり、家電製品を壊してしまったりすることもあります。
何十万円もする修理代金をあなたが負担するのか、それともあなたの責任ではないのか、このことはとても重要なことです。
「加害者」が誰なのか?
このことは、水漏れの保険を使う上で、最も重要な確認内容です。
目次
1.水漏れの「加害者」とは?
マンションの水漏れとは、例えば、洗濯機の排水ホースが壊れたり、水を出しっぱなしにしていたりして、下の階の天井から水が染み出しているようなケースが挙げられます。
染み出すだけならまだしも、テレビやパソコンなどの家電製品が水浸しになって、使えなくなってしまうケースもあるようです。
こんな時のように、明らかに自分の不注意で水を漏らしてしまった場合、「加害者」は誰だと思いますか?
「被害者」は、当然ですが、水漏れしてしまった部屋の人です。
不注意で水漏れを起こしてしまった場合には、その人は「加害者」になります。
では、次のケースのうち、あなたが「加害者」になってしまうケースはどれでしょうか?
①下の階から水漏れの連絡を受け、調べてみたら、自分の部屋の床下を通っている水道管が破裂していた。
②下の階から水漏れの連絡を受け、調べてみたら、外壁タイルの隙間から水が侵入して、下の階の天井まで水漏れしていた。
③下の階から水漏れの連絡を受け、調べてみたら、最近行った大規模修繕の工事業者の欠陥工事が原因だった。
①〜③の場合で、あなたが加害者となるケースは①のみです。
(①は良く間違えられるのですが、水漏れの原因があなたの部屋からだと、あなたが加害者になります。注意しましょう。)
②の場合の加害者は「管理組合」です。
(共用部分が水漏れの原因であるからです。)
③の場合の加害者は「工事業者」です。
2.加害者の保険って?
良く生命保険や医療保険などの保険がありますが、これらはどちらかと言えば被害者が救済される保険です。
では、水漏れのような事故で、「加害者」が救済される保険はあるのでしょうか?
マンション管理組合が加入する保険としては、「施設賠償責任保険」があります。
個人か加入する保険としては、「火災保険」または「個人賠償責任保険」があります。
「火災保険」は、文字通り、あなたの部屋が火災になった時の保険ですが、特約をつけることにより、水漏れ時の補償も可能なことがあります。
つまり、水漏れ事故の場合、被害者だけでなく、水漏れの原因となった「加害者」を対象とした保険もあるのです。
出来ることなら、水漏れが発生した時ではなく、事前に、自分やマンション管理組合がどのような保険に入っているのかを調べて、把握しておきましょう。
3.実際に水漏れの加害者になってしまった時は………
では、実際に水漏れの加害者となってしまった時はどうすればいいのでしょうか?
例えば、あなたの下の階の住民から、水漏れのクレームを受けた時です。
これは大変失礼なことをした、と平謝りすれば済む問題でしょうか?
そうではありません。
まず、この段階では、水漏れの責任があなたにあるか否かも確定していません。
ですから、水漏れが起きた時に、第一にやるべきこと、それは、
「原因を調べて責任をはっきりさせる」
ことです。
それ以上でも、それ以下でもありません。
そして、そのためには、次のことをやりましょう。
水漏れが発生!その時には………
①管理会社に連絡する
②保険会社に連絡する
③電気会社に連絡する
④水道会社に連絡する
と、関係者へ連絡した後、最も大事なことがあります。
⑤水漏れ現場を確認して写真やメモで記録を残す
以上のことは、水漏れの原因を調べて責任をはっきりさせるために必要なことです。
特に⑤の現場確認と記録作成は、後日のために必ず行いましょう!
4.こんな誤解をしていませんか?
とはいえ、マンションの天井や床はコンクリートでできているのだから、水は通さないから、ある程度の不注意レベルだっら安心だ………………そんな誤解をしている方はいませんか?
水を通さないコンクリートは、相当機密性の高いものです。
マンションの天井や床に使われているコンクリートは、完全に水を通さないほどの機密性があるものではありません。
ですから、不注意での水漏れ事故に対しては、普段からの注意が必要です。
お風呂の水の出しっ放しや、洗濯機の排水ホースの手入れ不足など、あなたの不注意で水漏れを起こしてしまうと、何十万円もの修理代金をあなたが負担することになります。
5.水漏れの加害者にとっての保険とは?
水漏れの場合、被害者だけでなく、加害者にとっての保険があります。
また、例え、あなたの下の階が水漏れとなったとしても、必ずしも加害者があなた、とは限りません。
外壁タイルや屋上などからの水漏れであれば、マンション管理組合が加害者となる場合があります。
誰が水漏れの加害者になるかは、水漏れの原因によって異なります。
水漏れの保険を使うためにも、誰か加害者になるかという原因究明をしっかりと行うようにしましょう!
現場には必ず立会い、写真やメモで記録を残しましょう。
6.今すぐに保険の内容を確認しておきましょう!
マンションの水漏れは、加害者も保険の対象となります。
加害者とは、その水漏れの原因によって、あなたが加害者になる場合やマンション管理組合が加害者になる場合などに分かれます。
いずれにしても、もし、自分が加害者になってしまった場合、原因によっては、あなたが何十万円もするかもしれない水漏れ修理代金の責任を負ってしまうかもしれません。
そのため、事前に、または今すぐにでも自分が加入している保険の内容を確認しましょう。