【忙しい人必見!】管理委託契約の重要事項説明は理解しないと損!

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マンションを購入してお住まいの方、管理会社に管理してもらっていますか?

もし、管理してもらっているなら、管理会社のフロントマンから、

「重要事項説明」

なるものを聞いたことがありますか?

「ない」

という方のマンションはかなり問題がある気がします。

また、

「ある」

という方でも、しっかりとその内容を分かっている人はどのくらいいるでしょうか。

何かお決まりの儀式みたいなアレでしょ、では済まされません。

「重要事項」というくらいですから、内容を把握していないと恐しいことになりますよ!

 

 

この記事では、管理会社と締結する管理委託契約に関する「重要事項説明」について、効率よくチェックするポイントを解説しています。

 

 

マンションの管理会社を盲目的に信頼しては絶対にダメです。

特に新築当時から管理会社が変わっていないマンションや、管理人さんが人気のマンションなどは要注意です。

管理人さんは、第一線から退いた方がやられていることが多いですが、さすが経験豊富なだけに、サービスもコミュニケーションも行き届いていることが多いです。

でも、管理人さん = 管理会社、ではありません。

私の知人のマンションでは、住民から大人気の管理人さんがいましたが、管理会社の言うことを聞かなかったので、住民の反対があったにもかかわらず、変更させられてしまいました。

少し話が逸れましたが、管理委託契約の「重要事項説明」についても同様です。

盲目的に管理会社さんがしっかりしてくれているから、と内容の理解もせずに、契約してしまうのは、目隠しをして横断歩道を渡るくらい危険なことです。

 

 

1.要確認!管理委託契約の重要事項説明が行われる時は「悪いこと」が起きる?

 

1-1.そもそも管理委託契約の「重要事項説明」って何?

管理委託契約の重要事項説明とは、簡単に言えば、管理委託契約の解説書のようなものです。

管理委託契約の契約「条件」について説明したものになります。

管理委託契約書は、かつて業者ごとにバラバラでしたが、国交省が「マンション標準管理委託契約書」を通知することにより、標準化・統一化が図られてきました。

そのため、その中には管理会社が行う管理業務が記載されています。
つまり、管理委託契約の解説書である重要事項説明書には、管理会社が行う全ての管理業務の詳細が記載されている「はず」なのです。
(詳細というのは、実施時期や回数、作業人数などのことです。)

 

1-2.重要事項説明は必ずしなければならないのか?

重要事項説明は、原則として、新規の管理委託契約の締結、契約更新の際に、

「契約前」

に、「管理組合」(マンションにお住まいの皆様、とイメージして下さい)に対して行われるものです。

ただし、「必ず」ではありません。

ある一定の条件を満たせば、例外的に理事長にだけ、説明をすればよいことになっています。

 

1-3.重要事項説明をしなくてよい時は?

その一定の条件には、細かくいくつかの例示がありますが、実質的に言えば、

「管理組合に不利益がない時」
つまり、
「マンション住民が損しない時」

なのです。

例を一つ挙げるなら、同じサービスでの更新時に、管理委託費を下げる時です。

マンション住民が受けるサービスは変わりませんが、管理委託費が下がるのであれば、損するどころか、得しますよね。
(ただし、サービスを減らしたことにより管理委託費も下がる場合などは、重要事項説明をしなければならない場合もあります。)

これを反対に考えてみて下さい。

重要事項説明が行われる時は、

「管理組合に不利益がある時」
つまり、
「マンション住民が損する時」

なのです。

 

2.重要事項説明が発生するタイミングが超重要!

 

2-1.重要事項説明って義務?任意?

 

管理委託契約の重要事項説明は、平成13年のマンションの管理の適正化の推進に関する法律の施行により、「義務」付けられたものです。

重要事項説明の目的は、管理委託契約の「相互」理解のためです。

この「相互」というのは、管理会社とマンション住民のことです。

つまり、重要事項説明を受けたけど、マンション住民側が理解していなければ、何と言いますか………要は「負け」なのです。

 

2-2.重要事項説明を絶対にしなければならない時は?

 

重要事項説明は、管理委託契約の内容が実質的に変更になる場合には、必ず行わなければならないものです。

この「実質的」とは、つまり、先程も言った通り、「管理組合の不利益」になる内容が含まれる、ということです

つまり、

「管理組合に不利益」
になる時は、
「必ず」
重要事項説明を行わなくてはならないのです。

そのため、重要事項説明が発生したタイミングというのは、マンション管理にとって、超重要なタイミングなんです。

 

3.「悪いこと」って何でしょう?それは「損すること」です。

 

3-1.「管理組合の不利益」とは、マンション住民の支出が増えることとほぼ同義です!

 

先程から、管理委託契約の重要事項説明は、
「管理組合の不利益」
になるような更新時には、必ずしなければならない、と言ってきました。
しかも、それは「義務」だと。

では、この「管理組合の不利益」とは、どのような場合でしょうか。
それは、要するに、マンション住民の毎月の支出が増えるとき、
つまり、
「マンション住民が損する時」
のことです。

実は法令上、例示がされています。
ただし、気をつけて頂きたいのは、この例示は、重要事項説明を管理組合向けに「しなくてもいい」時です。

つまり、この例示を反対解釈すると、例えば、「業務委託費を据え置くか、減額する」時には重要事項説明を「しなくていい」のです。
これを反対に解釈すると、業務委託費を増額するときは、「必ず」重要事項説明をしなければならない、ということになります。

参考までに法令によりの例示は次の通りです。
(ざっくり言うと、マンション住民が損しないパターンが例示されています。)

 

(1)管理会社の商号・名称・登録番号・登録年月日を変更する場合
(2)管理委託契約と業務内容・実施方法は同一であるが、委託業務費を減額する場合
(3)従前の管理委託契約に比べ業務内容・実施方法の範囲を拡大するが、委託業務費を据え置くか、減額する場合
(4)従前の管理委託契約より、委託業務費の支払時期を後に変更(前払いを当月払いもしくは後払い、または当月払いを後払い)する場合
(5)従前の管理委託契約より、更新後の契約期間を短縮する場合
(6)管理委託契約の対象マンションの所在地の名称が変更される場合

 

 

3-2.重要事項説明が行われる時には「管理委託費」の値上げを疑おう!

 

繰り返しになりますが、重要事項説明は、マンション住民が損する時には「必ず」行われるものです。
(そんな時でもやらない業者は、もちろん論外です。)

この記事の始めの方にも言いましたが、管理会社は法人だし、専門家なのだから、その管理会社が行う重要事項説明については、何も考えずに聞き流せばいいや、というのは危険です。

なぜなら、何回も言いますが、重要事項説明が行われる時は、マンション住民が損する時なのです。

もっと具体的に言えば、重要事項説明がされる時には、
「管理委託費の値上げ」を疑いましょう!
(というか、内容次第では反対しましょう。)

 

4.毎年のように重要事項説明があるけど………

4-1.重要事項説明の一連の流れから、管理会社のコンプライアンス意識を見る!

 

先程の通り、管理委託契約の重要事項説明は
管理会社の「義務」です。
ただし、契約更新時で管理組合に不利益になるような契約内容の変更が特段ないのであれば、理事長にだけ説明を行えば良いことになっています。

でも、
「アレ?うちのマンションは毎年、総会で重要事項説明しているけどな……」
というマンションもあるかと思います。

もちろん、手堅く、契約内容の変更がなくても、毎年のように重要事項説明が行われるマンションもあるでしょう。

それはそれとして、実は重要事項説明に関しては、もう一つ見るべきポイントがあるのです。

それは「正確な手続きがされているか」です。

重要事項説明を行うときには、事前にマンション住民の見やすい場所に掲示を行なったり、必ず契約前からでなくてはならないなどなど、決まりごとがあります。

その決まりごとをキチンと守っていれば、真面目なフロントマンなのでしょうが、やっていない場合はフロントマンの勤務姿勢、さらには管理会社のコンプライアンスに対する意識を疑いましょう。

コンプライアンスに対する意識が低いと、管理会社から出される工事見積、特に大規模修繕工事の見積などは疑ってかからなければなりません。

この「手続き」に関しても、大事なチェックポイントになります。

 

<マンションの管理の適正化の推進に関する法律>
(重要事項の説明等)
第七十二条   マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約(新たに建設されたマンションの当該建設工事の完了の日から国土交通省令 で定める期間を経過する日までの間に契約期間が満了するものを除く。以下「管理受託契約」という。)を締結しようとするとき(次項に規定するときを除 く。)は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に 対し、管理業務主任者をして、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるもの(以下「重要事項」という。)について説明を させなければならない。この場合において、マンション管理業者は、当該説明会の日の一週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び 当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。
2  マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。
3  前項の場合において当該管理組合に管理者等が置かれているときは、マンション管理業者は、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について、これを記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
4  管理業務主任者は、第一項又は前項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。
5  マンション管理業者は、第一項から第三項までの規定により交付すべき書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。

 

4-2.毎年恒例なら「変更点はありますか?」

 

もし、あなたのマンションでは毎年、重要事項説明がされているのであれば、気を付けるべきポイントは一つ。

「どのような変更点があるのか」

です。

管理会社のフロントマンからも説明があるかもしれませんが、念のため、説明後でも質問してみることをお薦めします。

「管理組合にとってマイナスな変更点はありますか」

のような聞き方で良いと思います。

 

5.「管理組合に不利益な変更点」は必ず理解しましょう!

何度も言いますが、「管理組合に不利益な変更点」がある場合は、マンション住民に対する重要事項説明は必須です。

もし、重要事項説明で「管理組合に不利益な変更点」について説明を受けたとします。
この点に関しては、理解せずに素通りしてはいけません。

しっかりと理解するまで質問しましょう。

管理会社と管理組合は通常、月1回ほどの理事会の時しか顔を合わせません。(ひどい時には2ヶ月に1回くらいしか会わない会社もあるそうです。)

特に理事会の役員でもない人にとっては、1年に1回の通常総会くらいしか、管理会社のフロントマンの顔を見ない、ということもあるでしょう。

逃がしてはいけません。

管理会社からしたら、通常総会の日だけ乗り切れば、後はやり過ごせる・・・・・・そう考えているフロントマンは少なくないと思います。

 

6.管理委託契約の重要事項説明でのチェックポイント

 

6-1.ポイントをおさえて効率よく重要事項説明をチェック!

 

これまで説明してきたように、管理委託契約の重要事項説明を甘く見ていたら、損をしていても気が付きません。

ただし、全てを理解しようとすれば、相当な勉強時間が必要だと思われます。

要は大事なポイントをおさえてチェックすれば十分なのです。

ポイントは大きく3つです。
専門的な知識を必要とするのではなく、重要事項説明の作られた経緯や発生する理由などを踏まえた上で、下記ポイントの視点に立ってチェックすれば、あなたのマンションにとって十分な情報を得られるはずです。

 

6-2.ポイント①「管理組合に不利益な変更点」

 

管理委託契約の重要事項説明は、「管理組合に不利益な変更点」がある契約更新時に、「必ず」行わなければならないものです。
なので、どこの点が変更されたのか、変更内容はどの程度のマイナスをもたらすか 等について、目を光らせて下さい。

 

6-3.ポイント②「管理会社のコンプライアンス意識」

 

重要事項説明の際には、法令上、手続きの流れなどが定められています。
その手続きをしっかりと守っているかどうか。
これが、管理会社のコンプライアンス意識をチェックする良い機会となります。
法令に定められた手続きを省略したり、実施していなかった場合は、管理会社全体についてもカルチャーを疑って下さい。
具体的には、管理会社の提示する工事見積の信頼性をまず、疑うことから始めて下さい。

 

6-4.ポイント③「管理会社への質問は、この一言」

 

あなたのマンションが毎年のように重要事項説明をしているなら、管理会社のフロントマンにこのように質問してみて下さい。

「管理組合にとって何かマイナスな変更点はありますか?」

そして、もし、マイナスな変更点があれば、理解できるまで管理会社のフロントマンに質問しましょう。
なぜなら、次にそのフロントマンに会うのは来年になる可能性が高いからです。

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