10年少し前に、空前のタワーマンションブームでした。
分譲するデベロッパーにとってコスパの良いタワーマンションは、逆に住民にとっては金食い虫になる、と言います。
この記事では、タワーマンションの大規模修繕工事の実態から、目指すべき住民の管理意識について、考えてみました。
目次
1.適正な管理委託費にして修繕積立金を貯める
住民にとって、マンションの管理に対して、どのような意識を持つべきなのか。
まず、多くの人が、自分は素人だから管理会社さんに任せよう、と思うはずです。
結論から言うと、管理会社に任せるスタンスは絶対にダメです。
管理会社は、住民が得するようなことは教えてくれないのが基本です。
また、分譲時は修繕積立金を低く、管理委託費を高くしているケースが多いため、ほとんどのマンションで、自分たちの管理委託費が高い、と気づかないようです。
(同じ月々の支払いでも、修繕積立金は大規模修繕のための貯金、管理委託費は管理会社に対して支払われるお金です。)
2.管理会社はマンション住民の味方ではない
なぜ自分たちで管理する意識を持つことが重要なのか。
私が、知人から聞いた話では、管理会社に任せたことですぐやったくれることと、全く手をつけてくれないことがある、と言っていました。
例えば、ちょっとした数十万円の工事などは、管理会社経由で工事発注することで、管理会社の利益になります。
このように、管理会社の得になることはすぐ対応してくれるそうです。
一方で、管理会社の得にならないことは全く対応してくれないそうです。
例えば、修繕工事のコスト削減や長期修繕計画の見直し、また金食い虫である機械式駐車場の撤去など、です。
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3.不自然な長期修繕計画の変更
いくらなんでも、そんなにエゲツないことはしないでしょう………と思っている方。
これから、具体的に聞いた話をご紹介します。
それは、知人の住むマンションですが、「修繕積立金を段階値上げに変更したマンション」です。
普通、修繕積立金は、長期修繕計画に基づき、計画的に少しずつ値上げが実施されていきます。
………のはずなのですが、知人のマンションでは、5年間の間に2回、長期修繕計画がコロコロと変更されているのです。
知人は気づいていませんでしたが、大規模修繕工事の金額が、何と2倍近くに跳ね上がっていました。(本当の話です。)
その結果として、修繕積立金の値上げに、マンション住民としては賛成せざるを得なかったそうですを
その後、2倍近く跳ね上がった大規模修繕工事を借金して実施し、後日、専門家に確認したところ、そこまでの値上げが必要なかったことが判明したそうです。
(まさに、「後の祭り」というやつです。)
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4.でも………だって………自分は何も知らないから………
確かに、マンション購入者のほとんどが、不動産や管理、工事のことは素人なのが現実だと思います。
自分は素人だから、管理のことは管理会社にお任せする。
そのために、高い管理費を払っているのだから。
確かに理屈としては、ごもっともです。
でも、だから、管理会社が勢いを増すのです。
管理会社は、管理のプロ・専門家というスタンスではなく、会社で言うところの部下、として接するスタンスの方が上手くいくと思います。
(管理会社の方には少し失礼ですが、上手くいく、というのは、マンションの収支が良くなる、という意味です。)
つまり、管理会社はお任せするのではなく、逆に少し疑ってかかった方が間違いない、と思います。
5.修繕積立金を貯めるには、まず管理委託費を見直すことから
先ほども書きましたが、マンション住民の得になることは、管理会社は言わないのが、基本です。
私や私の周りの大規模修繕工事の経験者などに話を聞くと、管理会社の業界は、利益最優先というイメージで共通しています。
そして、それは会社としての文化、ということです。
一人の担当者がとても誠実な方でも、課長や所長が利益を押し付けてくる、そんなイメージの会社もあります。
自分たちのマンションの管理を良くしたい、と思うのであれば、自分たちで動くべきです。
まずは、管理会社に支払う管理委託費が、本当に適正な水準かどうかを疑いましょう。
専門家を起用したい場合は、「マンション管理士」を使うのが良いでしょう。
マンション管理士は管理会社と違い、住民側の視点に立って、アドバイスをしてくれます。(基本的に、そのはずですが、念のため気をつけましょう。)
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6.住民が主体的に動くマンションは管理が良く、資産価値も高い
例えば、タワーマンションは分譲当時はいいが、大規模修繕工事を乗り越えてこそ、本当の資産価値が見えてくるものだと思います。
それは何故か。
タワーマンションのブームに建ったマンションは、そろそろ1回目の大規模修繕工事を迎えます。
一部報道では、タワーマンションはスラム化が懸念されている、とも言われています。
その一方で、早期に住民が立ち上がり、長期修繕計画や修繕積立金を見直したマンションでは、大規模修繕工事の直前になって、修繕積立金が足りない、という事態にはならないそうです。
今からでも遅くはありません。
自分で勉強して、自分たちで管理しよう、という意識を持つことは「大事」ではなく、「必須」です。
そういう意識でいなければ、必ず損します。
毎日、少しずつ、自分の住むマンションについて、勉強することをオススメします。
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