マンションの管理規約って、そもそも何?
管理規約をネットで検索しても、難しい定義でなかなか良く理解できない。
そう感じでいる方、いませんか?
この記事では、マンション管理組合の管理規約について、分かりやすくシンプルな形で解説しています。
管理規約については、ネットで検索すると「マンション標準管理規約」というワードに出会うと思います。
以外と、「管理規約」自体を解説しているサイトは少ないかもしれません。
また、解説していても、難解な法律用語を使っていて分かりづらい場合もあると思います。
この記事では、なるべく分かりやすい表現を使い、説明を心掛けています。
目次
1.管理規約とは?〜マンションの憲法〜
管理規約とは何か。
簡単に言えば、マンションのルールブックです。
法律の世界で言うと、憲法に当たります。
憲法とは言っても、それはイメージのことで、実際には法律ではありません。
そのため、法律的な強制力というものはありません。
(ただ、後述するように、違反した場合には法律を根拠にペナルティを課される場合があります。)
管理規約は、共同住宅、つまりマンションで生活する上で、避けては通れない必需品なのです。
2.管理規約の5W1H
管理規約の定義をネットで調べたりすると、
区分所有法がどうのこうの、区分所有者がどうのこうの・・・
と専門的な書き方をしてあって、何となくイメージが湧きづらいです。
なので、ここでは「5W1H」として、なるべくシンプルに管理規約を表現します。
2-1.管理規約の「Who?」
管理規約に関わる登場人物は誰でしょうか。
当然のことながら、マンションに住んでいる人、が中心になります。(区分所有者、と言います。)
また、マンションの住民の集まりのことを、「管理組合」と言います。
管理規約は、マンションの住民のためのルールブックです。
(近年のマンション標準管理規約の改正で、外部専門家も管理組合の一員になることができるようになりました。)
2-2.管理規約の「When?」
管理規約はいつ、作られるのか?
基本的には新築された時から管理規約はあります。
ただ、正確に言うならば、「総会」で決議された時に、管理規約は正式に認められることになるのです。
総会とは、マンションでの総選挙のようなものです。この総会で、多数決を取ることで、マンション内の様々な事柄を決めていきます。
決議とは、要は総会で多数決による勝つことです。通常は50%以上の賛成を取れれば勝ちですが、特殊な事柄の場合、75%以上の賛成を求められる場合があります。
(50%の賛成でよい場合を「普通決議」、75%以上の賛成を取らないといけない場合を「特別決議」と言います。
普通に考えて、50%以上よりも、75%以上の賛成を取る方が難しいです。
つまり、普通決議よりも特別決議の方がハードルが高いわけです。
ちなみに、管理規約を新築後、変更したい場合には75%以上の賛成票を、総会で取る必要があります。
(つまり、管理規約の改正は特別決議なのです。)
2-3.管理規約の「Where?」
管理規約はどこで作られるのか?
物理的に言えば、どこかの印刷所で印刷されます。
そういうことではなく、内容面において、どこで作成されるのか、と言えば、先程お伝えした「総会」の場で作成される、と言えます。
また、変更する場合も総会での決議が必要です。
ただ、実際には、管理規約を改正する場合、軽微な変更を除けば、内容確認からマンション内の合意形成など、作業量が多く、期間も長期に渡る場合が多いです。
そのため、「専門委員会」というものを理事会の中で立ちあげて、そこで管理規約の改正案が作成されることが多いです。
また、外部専門家が改正案を作成するケースもあります。
つまり、基本的には総会での特別決議により、管理規約は改正されますが、実際に作成されるのは、総会以外の場所で、また、理事会役員以外の人によって作られることが多くなっています。
2-4.管理規約の「What?」
管理規約の「What?」、つまり何を管理するために管理規約が作られるのか?
簡単にシンプルに言うと、
「マンション全部」
です。
当たり前ですが、マンション全部を対象として、管理規約は作成されています。
法律上では、自分の部屋(「専有部分」と言います。)と、土地(「敷地利用権」と言います。)については、自分のものであると主張することができます。
(「所有権」と言います。)
また、それ以外の部分、分かりやすく言えば、皆で一緒に使う部分(「共用部分」と言います。)については、自分のものだ!と主張することはできません。
管理規約は、このような自分のものと、皆で一緒に使う部分、マンションが建っている土地を含めて、全てを対象として作成されています。
2-5.管理規約の「Why?」
管理規約は何故作られるのか?
皆で一緒に暮らす場所なのだから、共通のルールを作るために。
マンションは管理を買う、と言われているくらいだから、しっかりとした管理規約を作成して、資産価値を上げるために。
管理規約は法律ではないが、その上位に位置する区分所有法などを、個々のマンションに合わせた形でルール化するため。
これらは間違いではなく、全て正解です。
ただ、もっと端的に言えば、短い一言ですみます。
それは、
「暮らしやすくするため」
なのです。
つまり、管理規約があることによって、暮らしにくくなるようなら、その管理規約の内容は良くない、と言えます。
また、管理規約を改正する目的についても、より暮らしやすくするため、と考えれば分かりやすいでしょう。
2-6.管理規約の「How」
管理規約の目的である「暮らしやすくする」ために、どのように管理規約はルール化されるのでしょうか?
管理規約には基本的な手続き方法が定められています。
例えば、総会や理事会の運営方法、リフォームする時の手続きなどです。
もし、さらに細かな内容を決めておきたい場合は、「細則」という形でルール化することもあります。
例えば、使用細則や駐車場細則というものが挙げられます。
3.管理規約のお手本〜マンション標準管理規約〜
マンション標準管理規約という言葉を聞いたことはありますか?
これは国が公表している管理規約のお手本のことです。
そしてこのマンション標準管理規約は、多くのマンションの管理規約のもとになっているものです。
ですけら、管理規約とはどのようなものか、まず確認されたい場合は、国土交通省のホームページから、マンション標準管理規約を見てみるのが良いでしょう。
4.管理規約に違反しても法律じゃないから大丈夫?
管理規約はマンションの憲法だ、と言っても法律ではないのだから、管理規約に違反する行動をしたからといって、何も言われないし、問題もないんじゃないか。
そう考える方もいると思います。
それが全く違うのです。
確かに管理規約自体は法律ではないので、管理規約違反、というだけで法律で罰せられるわけではありません。
ただ、区分所有法では、管理規約違反をして場合に厳しい処罰ができるような定めがあります。
つまら、管理規約自体は法律ではないけれども、違反した場合は厳しい処分を受ける可能性があります。
気をつけめしょう。
5.管理規約は意外と厳しいマンションのルールブック
管理規約はマンションの憲法と言われている、マンションの意思決定における最高規範です。
マンションにおけるルールではあるのですが、法律ではありません。
ただ、法律ではないにしても、管理規約に違反することで、法律に基づいた処罰をうけることがあります。
つまり、管理規約は意外と厳しいマンションのルールブックである、と言えることができます。
6.時代が変われば管理規約も変わるはず
ここで一度、あなたのマンションの管理規約を見て下さい。
あなたのマンションの管理規約はどのようなものでしょうか。
マンション標準管理規約に準拠した内容になっていますか?
もし、分譲当初から一度も改正されていないようなら、そのマンションの管理規約は問題だと思われます。
何故なら、マンション標準管理規約でさえ、時代の流れに合わせて、数回改正されてきているからです。
また、管理会社が管理規約の改正について一度も提案をしてこないようでしたら、その管理会社は変更した方がよいかもしれません。