リートとは不動産投資信託のことです。
東京証券取引所に上昇されているリートを「Jリート」と言います。
Jリートは、株式投資や不動産投資と比較して、ミドルリスク・ミドルリターンと言われます。
Jリートには、どのような種類の銘柄があるのでしょうか。
1.大きく分けられる2つの種類
リートは不動産投資によって運用される投資信託です。
不動産は、オフィスやマンション、ホテルなどの用途によって価格や賃料の動向が異なります。
そして、Jリートも、投資する不動産の用途によって、種類が分けられます。
まず、
単一用途特化型リート
と
複数用途型リート
に大きく分けられます。
そして、複数用途特化型リートは、
2用途か、3用途以上か、によって、
複合型
と
総合型
に分けられます。
単一用途特化型リートとは、
ある特定の用途の不動産
に投資するリートです。
その特定の用途ごとに、
オフィスビル特化
住居特化
商業施設特化
物流施設特化
ホテル特化
などのタイプがあります。
複数用途型リートとは、
オフィスビルと商業施設といった2つの用途を組み合わせて投資する複合型リートと、
オフィスビルと商業施設とホテルといった3つ以上の用途を組み合わせて投資する総合型リートがあります。
2.特化型の特徴
特化型は、単一用途への投資のため、賃料や価格動向が予測しやすい特徴があります。
例えば、ホテル特化型であれば、外国人観光客の増加傾向から今後パフォーマンスが良くなるかもしれない、だとか、オフィス特化型であれば、再開発による空室リスクが心配だ、とかです。
一方で、特化型は複合型よりは分散投資という点では劣ります。
そのため、特化している用途が調子が悪い時には、その影響を強く受けます。
(反対に調子が良い時には、儲かります。)
複合型に比べると、リスクとリターンともに高い、という特徴があります。
現在の主流とされている用途は、以下の6用途です。
●オフィス
●住宅
●ホテル
●商業施設
●物流施設
●ヘルスケア
3.複数用途型の特徴
複数用途型の特徴は、特化型よりも分散効果がある点です。
ある用途が調子が悪くても、他の用途でカバーできるため、大幅な下落リスクが特化型よりは少ない点です。
また、反対に、ある用途が調子が良くても、他の用途の調子が悪ければ、調子の良さが相殺されてしまう、という点もあります。
4.投資エリアの種類
Jリートでは、投資する不動産の用途による分類に加えて、投資対象となる不動産が所在する地域・エリアによる分類があります。
多くのリートは、全国の都市圏を投資対象としています。
中には関西圏の不動産を重点的に投資対象とする、阪急リート投資法人(8977)や、福岡をはじめとする九州圏の不動産に重点投資している福岡リート投資法人(8968)のように、投資対象を特定の地域に特化しているリートもあります。
一方で、阪急リート投資法人は関西圏を重点投資対象エリアとしていたり、福岡リート投資法人は九州圏を投資対象エリアにしていたりと、特定の地域・エリアに特化しているリートもあります。
エリア特化型の特徴は、用途の場合と同様に、調子が良い時と悪い時の影響が、全国を投資対象エリアとしているリートよりも強く出る点です。
その意味で、エリア特化型は、全国を投資対象とする投資法人よりも、ハイリスク・ハイリターン、と言えます。
5.銘柄選びのポイントは?
Jリートには、単一用途型から複数用途型までありますが、銘柄選びの際に気をつけるポイントは何でしょうか。
当然、先ほどまでに説明してきた単一用途特化型を選ぶのか、複数用途型を選ぶのか、という基準は、リスクとリターンの度合いによります。
エリア特化型も含めて、特化型のリスクとリターンは、複数用途型よりも変動しやすい傾向があります。
また、用途やエリア以外のポイントとしては、
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が大きな影響を持っています。
リートはより良い物件、利回りの高い物件を取得すれば、分配金も向上し、リートの利回りも高まります。
また、売却益が出れば、それも分配金利回りに影響します。
そして、リートはスポンサーから優先的に物件情報を入手することができます。
また、もちろん時間での売買とはなりますが、スポンサーは有力な不動産の売却先となります。
他にも分配金利回りや、LTV(借入金等の比率を示す指標)なども重要な選定ポイントではありますが、上に挙げたような、
特化型や複数用途型
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という要因についても、注意する必要があります。
6.用途ごとの特徴
Jリートが投資する用途ごとに、それぞれ異なる特徴があります。
しかし、それぞれの用途ごとの細かい特徴まで比較していくとキリがありません。
そこで、ここでは、Jリートの分配金に影響を与える要因に絞りました。
やはり、特に重要なのが、
賃料収入
です。
賃料収入が
安定的なのか
ハイリスク・ハイリターンなのか
という点で、各用途をランク付けしてみました。
(数字が少ない方が安定的)
1.住居
2.オフィス
3.物流施設
4.商業施設
5.ヘルスケア
6.ホテル
こちらのランク付けはあくまで私見ですが、以下の理由に基づきます。
住居型は、固定賃料であり、戸数が多く、より分散効果があります。
オフィス型も、固定賃料がメインでテナント数も多いのですが、住居に比べると、大型テナントやシングルテナントがある、という特徴があるため、分散効果では住居にやや劣ります。
物流施設は、大抵、シングルテナントか、または、2〜3程度の少数テナントが多いですが、契約が長期固定のため、安定的です。
また、eコマースの発展など、後押しする勢いもあります。
商業施設は固定賃料だけでなく、変動賃料が含まれる場合があるため、賃料の安定性という点では、住居などよりは劣ります。
また、商業施設、ヘルスケア、ホテルは運営を担当するオペレーターの成績によって業績が変動し、それが賃料に影響してくる場合もあります。
ただし、全て変動賃料ではなく、固定賃料の契約を行い、賃料の安定化が試みられいますが、オペレーターやテナントが抜けた場合の代わりを見つけるのが一苦労です。
こんなことをいうと、商業施設、ヘルスケア、ホテルについては悪いことばかりのように聞こえますが、そうではありません。
特にホテルなどは、外国人観光客の増加などの影響で、ホテル需給が逼迫してくるとホテル宿泊代金が高騰し、それが変動賃料として分配金に影響してくる可能性があります。
逆に、住居やオフィス型には、このようなボーナス的な要素はあまりありません。
7.まとめ
いかがだったでしょうか。
Jリートは不動産に投資する投資信託です。
そのため、不動産の用途に応じた特徴が、各リートにはあります。
そして、それはそれぞれメリットもあれば、デメリットもあります。
ハイリスクだけど、ハイリターンが望める銘柄が好きな方向けのリートもあれば、手堅くコツコツ投資が好きな方向けのリートもあります。
用途・エリア・スポンサーという視点から、納得できる自分好みのリートが見つけましょう。