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マンションの機械式駐車場のメリットやデメリットは?問題点や仕組みなど

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マンションでは多くの機械式駐車場が使われています。

 

機械式駐車場は敷地が狭くても、駐車場台数を多く確保できるため、都市圏のマンションでは多く使われています。

 

この記事では、そんなマンションの機械式駐車場に関する論点をピックアップしてまとめてみました。

 

 

1.マンションで用いられる機械式駐車場の仕組み

 

 

そもそも機械式駐車場とは何でしょうか。

この「機械式」とは、駐車場所までの移動を機械で行う、という意味です。

自分で駐車場所まで走行する場合は、「自走式」の駐車場と言います。

 

機械式駐車場は、都心のような限られた土地においても、駐車台数を増やすことができるため、昭和50年代頃から、居住用のマンションでも機械式駐車場が利用され始めています。

 

機械式駐車場の種類は、以下の大きく2種類あります。

 

・上下にのみ動くタイプ
・上下左右に動くタイプ

 

そして、上下左右に動くタイプは収容台数や使い勝手は良いのですが、上下にのみ動くタイプに比べて、メンテナンス費用が嵩むというデメリットがあります。

 

 

また、それぞれのタイプには、地上や地下、構造に応じて以下のものがあります。

 

【上下にのみ動くタイプ】
・地上二段式
・ピット二段式

 

【上下左右に動くタイプ】
・昇降横行式
・垂直循環方式
・エレベーター方式

 

 

 

 

 

 

2.機械式駐車場の部品

 

 

機械式駐車場の部品には、主に動力部分、安全装置、制御基板等に分けられます。

そして、各部品ごとに耐用年数は様々です。

(また、各メーカーにより様々です。)

 

 

ここでは、私のマンションで実際に取得した、機械式駐車場の長期修繕計画に記載されている耐用年数をもとに、分類を行っていくと、

 

耐用年数が5年、7年、10年の3分類ができます。

落下防止装置
基盤
操作パネル 等

の制御基盤等は、一般に耐用年数が5年程度です。

 

スプロケット
パワーサプライ
漏電ブレーカー

などは耐用年数が7年程度で、大きな部品となります。また、設置個数も多いものもあり、交換する個数によっては、工事総額が高くなります。

 

モーター
ローラーチェーン

などは、機械式駐車場が作動するうえで、重要な部分であり、一般には耐用年数は10年としているメーカーは多いようです。
ただし、実際には、15年~20年くらいで交換等を行っているマンションが多いようです。

 

 

 

 

3.マンションにおける機械式駐車場の問題

 

 

「国土交通省・マンション総合調査」(平成25年度)によれば、都心では約40%ほどのマンションに機械式駐車場があるそうです。

 

多くのマンションで使用されている機械式駐車場ですが、「金食い虫」という異名も付けられるほど、問題となることも多いです。

 

例えば、高額なメンテナンス費用が挙げられます。

これは、大規模修繕1回分に匹敵するほどの金額となることがあります。

 

 

また、そのような高額なメンテナンス費用が、マンションの長期修繕計画に含まれていない場合があるのです。

 

これは、つまり、資金計画の破綻に発展する可能性がある、ということです。

 

一般的に長期修繕計画は30〜35年周期で作成され、向こう30年の修繕計画に合わせて、積立金を値上げしたりして、準備をします。

 

ところが、このような長期修繕計画に、機械式駐車場の維持・更新に掛かる費用が計上されていないマンションがあります。

(実際に、私のマンションも計上されていませんでした。)

 

長期修繕計画に従って修繕積立金を値上げしても、機械式駐車場分の工事費は借金しなければならないことになります。

 

また、仮に機械式駐車場部分の長期修繕計画があったとしても、信用ならないことがほとんどです。

 

あくまで、将来の計画などの話し合いを行うための材料とするなら良いのですが、工事金額などを鵜呑みにしては絶対にいけません。

 

もし、どう考えても、機械式駐車場の部品交換や更新費用が足りないような場合、どうすれば良いのでしょうか。

 

そういった場合は、機械式駐車場を全部、あるいは一部撤去して平置きに変えるという方法があります。

 

もし、機械式駐車場の空きが多いような場合、平置き化にすることで、無駄なメンテナンス費用を節約することができますが、このようなことを考えなくてはいけないことが、問題だと思います。

 

さらに、法律上の問題もあります。

 

マンションを建築する場合、自治体から条例に基づき、最低限の駐車場台数を設置する義務が課せられていることがあります。
(駐車場附置義務、と言います。)

 

もし、駐車場附置義務の設置台数ギリギリだった場合、1台でも駐車場を潰せば付置義務を満たさなくなり、建築基準法違反になってしまいます。

機械式駐車場の平置き化や廃止する場合、この駐車場附置義務についても、注意するようにしましょう。

 

マンションにおける機械式駐車場の問題点の最後として、駐車場使用料は一体何に使われているのか分からない場合があることです。

つまり、駐車場使用料が、キチンと駐車場のメンテナンスに使われているかどうか、チェックしましょう。

 

その原因は、管理規約にもあるようです。

知人のマンションでは、管理規約上、駐車場使用料は「管理費」に充当されるようになっていたらしいです。

 

 

 

 

 

 

4.マンションの機械式駐車場の価格

 

 

まずはマンションが新築され、機械式駐車場が設置されます。

この段階では、デベロッパーが機械式駐車場のコストを負担します。

 

そして、入居が始まり、機械式駐車場が利用され始めます。

この段階では、通常の定期点検とメンテナンスが行われ、継続的な費用が発生します。

 

また、5年、6年と使っていくうちに、故障する部品の交換を続けているうちに、「寿命」、つまり「耐用年数」が到来します。

耐用年数が到来した機械式駐車場は、選択を迫られます。

 

それは、
「更新」(リニューアル)
するのか、
「撤去」
するのか、
「停止」
するのか、という選択です。
そして、それぞれ更新費や撤去費等が発生します。

 

機械式駐車場の価格が、直接関係してくる段階は、「更新」(リニューアル)の段階です。

つまり、20~30年後に機械式駐車場を新品と入れ替える際に、価格が関係してきます。

 

問題なのは、この機会式駐車場の価格が、総入れ替えをした場合、大規模修繕工事に匹敵するほどの高額な金額となることです。

 

 

 

 

 

5.機械式駐車場の耐用年数とマンションの長期修繕計画

 

 

機械式駐車場もエレベーターも、建物自体ではなく、設備という点で共通していますが、

 

法律上の規制がかかるか、かからないか

 

という点で大きく異なります。

 

エレベーターは建築基準法の適用を受けるため、定期点検が「義務」となっています。

 

しかし、機械式駐車場は建築基準法の適用を受けません。また、駐車場法という法律の適用も受けません。

 

すなわち、機械式駐車場の各部品の耐用年数や長期修繕計画は、各メーカーやメンテナンス業者等の独自色が色濃く出るものである、と言えます。

 

業者(管理会社またはメンテナンス業者)の提案をそのまま受け入れず、管理組合自体が十分にチェックした場合、耐用年数を経過しても修繕費用を抑制できている実績があるそうです。

 

右から左に業者の言うことに従うのはヤメましょう。

 

 

 

 

 

 

6.マンション内での機械式駐車場の事故

 

 

機械式駐車場は、商業施設や事務所ビルだけでなく、共同住宅にも多くの機械式駐車場が設置されています。

 

これらの機械式立体駐車場で、人が挟まれるなどして大けがをしたり、亡くなったりする事故が発生しています。

 

政府広報オンラインによると、2007年度から2013年度までの7年間で、発生場所を確認できた事故145件のうち約40%が、共同住宅の機械式駐車場で発生しているとのことです。

 

中には死亡事故に発展してしまったケースもあります。

 

業者の安全点検や、安全対策の住民への周知など、事故を発生させない取り組みが求められています。

 

 

 

 

 

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機械式駐車場の部品?名称や交換までの耐用年数について

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機械式駐車場の耐用年数は、一般に、部品等では5~15年、全設備では25年~30年と言われています。

機械式駐車場を設置して、耐用年数満了時にリニューアルするまで、部品の交換が必要となります。

この部品には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

 

 

 

1.耐用年数ごとの分類

 

 

機械式駐車場の耐用年数は、各メーカーにより様々です。

 

ここでは、私のマンションで実際に取得した、機械式駐車場の長期修繕計画に記載されている耐用年数をもとに、分類を行います。

 

 

1-1.耐用年数5年

 

 

耐用年数が5年、と比較的短いものには、

 

落下防止装置
基盤
操作パネル 等

 

があります。

設備の一部分として動くもの、というよりは、制御したりする装置が多いです。

 

 

1-2.耐用年数7年

 

 

耐用年数が7年の部品には、

 

スプロケット
パワーサプライ
漏電ブレーカー

 

があります。

 

パワーサプライや漏電ブレーカーは、比較的小さい装置ですが、スプロケットは動力を伝達する歯車であり、大きな部品となります。

また、設置個数も多く、全交換する場合は費用も高くなります。

 

 

1-3.耐用年数10年

 

 

耐用年数が10年と、他の部品に比べて比較的な長いものには、

 

モーター
ローラーチェーン

 

等があります。

 

これらは、機械式駐車場が作動するうえで、重要な部分です。

耐用年数は10年としているメーカーは多いようですが、実際には、15年~20年くらいで交換等を行っているマンションが多いようです。

 

 

2.機械式駐車場の主な部品の名称

 

 

2-1.落下防止装置

 

チェーンやワイヤーが破断する等した場合、車を格納するパレットが落下することを防ぐ安全装置のこと。

 

 

2-2.制御基板

 

半導体、ミニリレー、コンデンサ等で構成されており、信号の送受信などにより、機械装置の動作命令など制御を行うもの。

電気回路の配線が板の表面や内部に実装されたもの。

 

 

2-3.スプロケット

 

軸部分に取付けられる、チェーンと噛み合せることにより動力を伝える歯車部分のこと。

 

 

2-4.パワーサプライ

 

電圧の変換装置のこと。

機械式駐車場の設備では、交流200Vを直流24Vに変換されている。

 

 

2-5.漏電ブレーカー

 

機械式駐車場内の配線や電気器具・モーターなどで漏電や過電流等のトラブルがあった場合に、自動的に電気を遮断する装置のこと。

 

 

2-6.モーター

 

機械式駐車場の装置を動かすためのモーター。

タイプに応じて、昇降用や横行用などがある。

 

 

3.機械式駐車場の部品交換で注意すること

 

 

機械式駐車場には、法律で定められた点検保守の基準がありません。この点、法定点検があるエレベーターとは異なります。

 

このように法定点検がないために、各メーカーが独自の修繕計画を作成しています。

 

その結果、部品が壊れる前に修繕計画に基づいた予防保全としての部品交換を、メーカーは勧めてきます。

 

また、ある部品のうちの1つが故障した場合、同時期に全部の交換も勧めてきます。

例えば、数あるうちの1つが壊れた場合、他の部品も交換時期であるとして、例えば200個の部品全ての交換を勧めてきます。

 

このように、各メーカーによる修繕計画は費用を負担する側の視点から作成されたものではありません。

 

少しでも故障したら全交換、という立場で作成されているため、メーカーの修繕計画通りに交換等を行っていたら、巨額の修繕費用が必要となってしまいます。

実際の修繕費を調査したところ、管理会社やメーカーの言うことは聞かず、部品が壊れてから修理していた管理組合は、大幅な修繕費の削減に成功している、という話も聞きます。

 

管理会社やメーカーの言うことを鵜呑みにするのではなく、自分達でもしっかり調べて、工事実施の判断を行いましょう。

 

 

 

 

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機械式駐車場の長期修繕計画とは?計画通りに工事しなければいけないのか?

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「長期修繕計画」という言葉をご存知ですか。

マンションには、修繕積立金を原資とする将来の大規模修繕工事に関する計画である「長期修繕計画」が策定されることが通常です。

 

しかい、機械式駐車場については、別途、長期修繕計画が存在することもあれば、計画自体がない場合もあります。

この記事では、マンションの「金食い虫」と呼ばれる機械式駐車場の長期修繕計画について、解説しています。

 

 

 

 

 

1.機械式駐車場の長期修繕計画

 

 

機械式駐車場にも、長期修繕計画があります。

 

保全計画とも言うそうです。

 

通常は、長期修繕計画の単独での作成は受注していません。

定期的なメンテナンス契約とセットで作成してもらうのが普通です。

 

 

また、作成期間はメンテナンス契約締結後から、半年〜1年程度の期間が必要となるところもあるようです。

 

いずれにしても、現在のメンテナンス業者と相見積を取って、検討するようにしましょう。

 

 

2.長期修繕計画における交換・更新時期

 

 

機械式駐車場の長期修繕計画において、部品の交換時期や更新時期はどのように決められるのでしょうか。

 

機械式駐車場の耐用年数は減価償却資産として15年と定められています。

しかし、それはあくまで「法定」なのであって、実際の機械式駐車場の装置自体の全面的な取替えは、約25〜30年程度で行われることが多いです。

 

実際、私のマンションでも、耐用年数の終了前に、メーカーが見積とともに長期修繕計画を出してきました。

 

ところが、特に何も故障などが起きませんでした。

 

数年後、しびれを切らしたメーカーと管理会社が、「優先修繕事項」として、再び見積を上げてきました。

 

そうなんです。

 

業者にもよりますが、基本、長期修繕計画は「目安」です。

 

焦って工事を発注してしまわないように注意しましょう。

 

 

マンション管理士会の研究会にて作成報告された資料として、こちらのリンクで、考えが述べられています。

 

上記資料によれば、年々、更新費用は安くなってきているとのことです。

(以前は1パレット150~250万円程度だった更新費用が、1パレット50~80万円台に安くなってきている話もある、とのことです。)

 

また、そのことが原因で、長期修繕計画に従い、

 

計画的に部品交換を行い耐用年数(25年)以上使用した場合の費用よりも

 

壊れてから直す方法(事後修繕)により必要最低限の部品交換で耐用年数満了時点(約25年)で全て更新した方が経済的である

 

との考えも述べられており、非常に参考になります。

 

 

 

 

 

 

3.機械式駐車場とエレベーターの違い

 

 

機械式駐車場もエレベーターも、建物自体ではなく、設備という点で共通しています。

 

しかし、明らかに異なる点があります。

 

それは、

 

法律上の規制がかかるか、かからないか

 

ということです。

 

 

エレベーターは建築基準法の適用を受けるため、定期点検が「義務」となっています。

また、構造上の技術的な基準等も法律の規制を受けます。

 

 

しかし、機械式駐車場は建築基準法の適用を受けません。また、駐車場法という法律の適用も受けません。

従って、機械式駐車場には定期点検の義務がありません。

また、構造上の技術的な基準等も、各メーカー任せになっています。

 

すなわち、機械式駐車場の長期修繕計画はなおさら、各メーカーやメンテナンス業者等の独自色が色濃く出るものである、と言えます。

 

 

4.工事を判断するのは誰か?

 

 

これは、当然ながら管理組合が自分達で工事実施するか否かを判断しなければなりません。

 

機械式駐車場のメンテナンス方式には、主に2種類あります。

 

部品交換を含めたメンテナンス契約(フルメンテナンス方式)

 

それとも、

 

部分的なメンテナンスのみで部品交換は契約に含まれない方式(POG方式)

 

です。

 

 

エレベーターとは異なり、部品交換時期の予測は難しいため、機械式駐車場のメンテナンスでは、POG方式が主流となっています。

 

これはつまり、長期修繕計画が存在していても、工事の判断主体である管理組合の組合員(つまり、住民です。)自身が、主な部品の種類や機能等を勉強しなければ、適切な工事実施の判断ができない、ということです。

 

長期修繕計画を作成してくる業者は、通常、メンテナンスも行っているため、定期点検結果等と合わせて、工事見積を提出してきます。

ただ、点検結果に基づき工事見積を提出した段階で業者は責任から解放されます。

つまり、最終的な責任は、やはり工事実施の判断主体である管理組合に押し付けられる、というわけです。

 

 

5.長期修繕計画の通りに修繕した方が良いのか?壊れてから治す事後修繕の方が良いのか?

 

 

結論から言えば、機械式駐車場については、

 

壊れてから直す(事後修繕)

 

という方法が良さそうです。

(つまり、分かりやすく言えば、長期修繕計画は無視する、ということです。)

 

マンション管理士会の研究会にて作成報告された資料として、左記のリンクで、考えが述べられています。

 

上記の資料では、

 

業者(管理会社またはメンテナンス業者)の提案をそのまま受け入れず、管理組合自体が十分にチェックした結果

 

耐用年数を経過しても修繕費用を抑制できている

 

と記載されています。

 

 

主な内容は以下の通りです。

 

・耐用年数を超える16~17年目における修繕費用合計(鉄部塗装は除く)が、

約27,000円/台 ~ 約46,000円/台
(総額では、約150~240万円)

に修繕費用が抑えられている。

 

・エレベーターのように人が乗る設備と、人が乗って動かない機械式駐車場においては、人命危険度の観点から修繕の考え方も異なる。

 

・調査結果より、機械式駐車場については、壊れてから治す事後修繕で足りるものであることが判断できる。

 

・故障中は使用できないことによる利便性の低下が懸念されるものの、事後修繕により修繕費用の大幅な抑制が可能となる。

 

 

6.まとめ

 

いかがだったでしょうか。

マンションだけでなく、機械式駐車場にも長期修繕計画があります。

 

しかし、内容及びその性格は全く異なるものです。

 

まず、同じ設備であるエレベーターと比べると、人命危険度の観点から修繕に対する考え方が異なること。

そのため、長期修繕計画に基づく計画的な修繕よりも、壊れてから直す、という事後修繕という考え方が採用できること。

また、実際に、事後修繕の方が、修繕費用を抑制できている、という結果が出ていること。

 

私のマンションも、メーカーによる長期修繕計画が、故障しないまま、ずっと後ろに年数がズレていくだけの、何が何やら分からない計画でした。

それでも、管理会社及びメーカーは、

 

人命にかかわります

 

と言って、脅してくるかもしれません。

 

言いなりにならないように、管理組合の組合員自身も、機械式駐車場の各部品等について、知識をつけておくべきなのです。

 

 

 

 

 

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マンションの機械式駐車場の価格は?工事方法により値段が違う?

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マンションは、通常、人口密度が高い地域に建設されます。

ですから、限られた土地を有効に利用するために、立体駐車場が利用されています。

特に機械式駐車場は多くのマンションで使われています。

 

ところが、この機械式駐車場は「金食い虫」とも言われています。

一体、機械式駐車場の価格はどのくらいなのでしょうか。

 

 

1.機械式駐車場の費用には何がある?価格はどの段階で使う?

 

 

機械式駐車場の価格が、直接関係してくる段階は、「更新」(リニューアル)の段階です。

つまり、20~30年後に機械式駐車場を新品と入れ替える際に、価格が関係してきます。

 

 

そもそも、機械式駐車場の費用には何があるのでしょうか。

 

マンションが建築される流れから考えます。

 

 

まずはマンションが新築され、機械式駐車場が設置されます。

この段階では、デベロッパーが機械式駐車場のコストを負担します。

 

 

そして、入居が始まり、機械式駐車場が利用され始めます。

この段階では、通常の定期点検とメンテナンスが行われ、継続的な費用が発生します。

 

 

また、5年、6年と使っていくうちに、故障する部品も出てきます。

このような時は、メンテナンス契約にもよりますが、劣化部分の交換費用が発生します。

 

 

そして、そのような劣化部分の交換を続けていても、いずれやってくるのが「寿命」です。

「耐用年数」とも呼ばれます。

耐用年数が到来した機械式駐車場は、選択を迫られます。

 

それは、

「更新」(リニューアル)

するのか、

「撤去」

するのか、

「停止」

するのか、という選択です。

 

そして、それぞれ更新費や撤去費等が発生します。

 

この時、「更新」(リニューアル)するための、入れ替える機械式駐車場の費用が、価格というわけです。

 

 

2.機械式駐車場の「更新」(リニューアル)について

 

 

機械式駐車場は設備も大きく存在感があります。

 

その分、リニューアル費用も多額になります。

(だから、「金食い虫」と言われています。)

 

 

リニューアルの方法にはいくつか種類があります。

 

例えば、既存のピットと呼ばれるくぼみ(機械式駐車場が設置してある場所)をそのままにして、新たな設備を入れ替える場合があります。

 

または、このピット自体を一度取壊し、もっと大きな車が入れるように掘りなおすことも考えられます。

 

 

グレードアップや、収容台数を増やす工事などは、一般的なリニューアルよりもさらに費用がかかります。

 

では、リニューアル等の種類別に、目安の金額を記載していきます。

(地下ピット式機械式駐車場を例とした場合です。(財)駐車場整備推進機構が実施したアンケート結果を参考としています。)

 

 

3.既存の設備と同等の機械式駐車場設備への取り換え

 

 

耐用年数(一般にては20~30年程度)が経過した後に、機械式駐車場の設備そのものを入れ替える場合です。

 

地下ピットは既存のものを使用します。

(つまり、新設の場合と比べると、地下ピットの掘削費用が不要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

100〜150万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

3,000〜4,500万円が必要となる、ということです。

 

 

4.既存のサイズより大型の機械式駐車場へ入れ替える場合

 

 

耐用年数(一般にては20~30年程度)が経過した後に、機械式駐車場の設備だけでなく、地下ピットも大型化する工事を行う場合です。

 

地下ピットは既存のものを取り壊し、さらに広げる(大型化する)工事をします。

(つまり、既存ピットをそのまま使用する場合と比べると、地下ピットの取り壊し及び改修費用が必要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

200〜250万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

6,000〜7,500万円が必要となる、ということです。

後ほど説明する、新たに機械式駐車場を設置する工事よりも割高な傾向があります。

 

 

 

5.機械式駐車場を廃止して、平置駐車場にする場合

 

 

耐用年数(一般に20~30年程度)が経過した後に、機械式駐車場の設備を撤去して、地下ピットを埋め戻し、平置の駐車場にする場合です。

 

既存の機械式駐車場を撤去して、地下ピットは埋めて平面にします。

(つまり、既存ピットをそのまま使用する場合と比べると、設備の撤去費用と地下ピットを埋める費用が必要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

180〜230万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

5,400〜6,900万円が必要となる、ということです。

 

 

6.平置駐車場に地下ピットを作り、機械式駐車場を新設する場合

 

 

今までとは反対に、機械式駐車場がなかったパターンです。

 

この場合は、平置の駐車場だった場所に地下ピットを掘削し、機械式駐車場を新たに設置します。

(つまり、今までの更新の場合と比べると、地下ピット掘削及び設備の新設のための費用が必要になります。)

 

 

その場合の費用は、車1台当たり、

 

150〜200万円/台

 

が相場です。

 

 

つまり、機械式駐車場が30台あるマンションであれば、

 

耐用年数満了後の入れ替えに、

 

4,500〜6,000万円が必要となる、ということです。

 

 

7.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

機械式駐車場の価格と言っても、

 

入替え
大型化して入替
廃止
新設

 

などの工事方法により、必要な工事費が異なってきます。

 

それは、地下ピットの掘削費用だったり改修費用などです。

 

また、機械式駐車場の更新費用は、例え既存の地下ピットを活用したとしても、1回分の大規模修繕工事費に匹敵するほど、高額になります。

 

このため、廃止検討するマンションもあると聞きますが、ほかにもリースなどの方法もあるようです。

 

「金食い虫」と言われる機械式駐車場ですが、狭い土地を有効活用してくれることは事実です。

 

将来の費用と、本当に必要かどうかの見極めを、真剣に考えることが重要です。

 

上記に記載してきた価格幅はあくまで目安です。

最近では、1パレット50~80万円台に安くなってきている話もある、とのことです。

 

実際の更新の際には、複数の業者から相見積を取得するようにしましょう。

 

 

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マンションの機械式駐車場における問題には何があるか?

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「国土交通省・マンション総合調査」(平成25年度)によれば、都心では約40%ほどのマンションに機械式駐車場があるそうです。

 

とはいえ、私もそうでしたが、マンションを購入する時点で、将来、機械式駐車場が原因で多額の費用が必要となることなど、真剣に考える人はまず、いないでしょう。

 

この記事では、マンションの機械式駐車場に関する問題をまとめました。

 

もし、新築マンションの購入などを考えているようでしたら、ぜひご一読下さい。

 

 

1.高額なメンテナンス費用〜大規模修繕1回分に匹敵〜

 

 

機械式駐車場の費用は、ランニングコストと、リニューアルコストです。

つまり、毎年の維持管理費と、耐用年数が到来した時の設備更新費です。

 

維持費は1台あたり年に約1万円程度で、30台分あれば、毎年約30万円が維持費として必要になります。

 

さらに築後20〜30年目を迎える頃には、耐用年数が到来し、新品に交換するなら1パレットあたり100〜150万円ほどのコストが発生します。

 

30台で考えるなら3,000〜4,500万円もの費用が必要と言われています。

 

 

また、毎年の定期的な維持費以外にも、耐用年数が比較的短い部品等の交換も必要なため、20〜30年のサイクルで見ると、大規模修繕工事の1回分に匹敵するコストが必要と言われています。

 

1回目の大規模修繕工事は、仮に凌ぎきれても、2回目・3回目は分かりません。

 

これまでの修繕積立金では不足するかもしれません。

 

その場合、修繕積立金の値上げ、若しくは一時金を徴収される可能性が考えられます。

 

 

2.マンションの長期修繕計画に含まれていない場合がある

 

 

一般的に長期修繕計画は30〜35年周期で作成されます。

 

そして、大規模修繕工事は12年周期で計画されることがほとんどです。

 

つまり、向こう30年の修繕計画に合わせて、積立金を値上げしたりして、準備をします。

 

ところが、このような長期修繕計画に、機械式駐車場の維持・更新に掛かる費用が計上されていないマンションがあると言うのです。

 

機械式駐車場の維持・更新費用は、大規模修繕工事1回分に匹敵するほど、高額であるのに関わらず、です。

 

 

かくいう、私のマンションも計上されていませんでした。

 

そして、1回目の大規模修繕をギリギリのお金でやり繰りした直後に、管理会社が提出してきたのです。

 

やり終えたばかりの大規模修繕工事に負けないくらい高額な、「機械式駐車場の長期修繕計画」を。

 

管理会社が作成する長期修繕計画は、疑ってかかりましょう。

 

疑ってかかると得することはありますが、信用すると損することしかありません。

 

 

3.長期修繕計画も信用ならない

 

 

もし、機械式駐車場の空き台数が多く、無駄に維持管理費用が垂れ流しになっているようなら、平置化なども検討されるべきです。

 

ただ、そうではない場合。

 

つまり、空き台数もほとんどなく、住民の方々も機械式駐車場を存続させることに異議がない場合。

 

そんな場合には、機械式駐車場に関する長期修繕計画も立案しておくべきです。

 

長期修繕計画を立てることで、修繕積立金の残高、大規模修繕工事の予算、機械式駐車場の更新タイミングや必要な工事費などが見えてきます。

 

 

そして、この長期修繕計画に基づき、将来の一時金徴収や積立金値上げが必要か否かの話し合いをすることができるようになります。

 

とはいえ、管理会社などが作成してきた長期修繕計画を鵜呑みにしてはいけません。

 

竣工時から同じ管理会社の場合は、長期修繕計画の金額が高止まりしている可能性があるからです。

 

実際、私のマンションでは、長期修繕計画が改定されるたびに、予定の工事金額が倍々ゲームのように上がっていましたが、誰も気づいていませんでした。

 

 

重要なことは、保守会社や管理会社から出てくる「機械式駐車場長期修繕計画」は、信用してはいけない、ということです。

 

あくまで、将来の計画などの話し合いを行うための材料とするなら良いのですが、工事金額などを鵜呑みにしては絶対にいけません。

 

 

4.耐用年数が終わったら入れ替える?部分的?それとも、平置にする?

 

 

修繕積立金には限りがあります。

また、銀行などから借入をする場合でも、限界があります。

 

もし、どう考えても、機械式駐車場の部品交換や更新費用が足りないような場合、どうすれば良いのでしょうか。

 

そういった場合は、機械式駐車場を全部、あるいは一部撤去して平置きに変えるという方法があります。

 

もしピット式駐車場の場合は、砂などを入れて埋め戻すような場合もあります。

 

ただ、現在では、雨水などが侵入しないように、鉄板などでカバーするやり方が多いようです。

 

将来、また機械式駐車場の需要が出た場合に、カバーを取り外し、設備を入れ替えれば、また使用が再開できる、ということです。

 

もし、機械式駐車場の空きが多いような場合、平置き化にすることで、無駄なメンテナンス費用を節約することができます。

 

 

5.法律上の問題〜駐車場附置義務〜

 

 

マンションを建築する場合、自治体から条例に基づき、最低限の駐車場台数を設置する義務が課せられていることがあります。

(駐車場附置義務、と言います。)

 

これは、繁華街など、立地条件が良いマンションほど、適用される場合があるので、注意が必要です。

 

駐車場附置義務が影響する場合としては、住民の半数以上が駐車場を使っていない場合が考えられます。

 

このような場合は、費用対効果を考えれば、機械式駐車場を平置化して、不要なメンテナンス費用を節約することが効果的と考えられます。

 

しかし、もし、駐車場附置義務の設置台数ギリギリだった場合、1台でも駐車場を潰せば付置義務を満たさなくなり、建築基準法違反になってしまいます。

 

そうなってしまうと、例えば、将来の建て替えなどが不可能になってしまう可能性があります。

 

機械式駐車場の平置き化や廃止する場合、この駐車場附置義務についても、注意するようにしましょう。

 

 

6.駐車場使用料は一体何に使われているの?

 

 

駐車場が満車の場合でも注意が必要です。

 

駐車場使用料が、キチンと駐車場のメンテナンスに使われているかどうか、チェックしましょう。

 

例えば、私のマンションでは、駐車場使用料が、不要な工事(しかも、駐車場とは関係ない工事です。)に頻繁に使用されていました。

 

その結果、いざ、メンテナンス費用が必要となった場合、資金が不足している、という有様でした。

 

その原因は、管理規約にもあるようです。

知人のマンションでは、管理規約上、駐車場使用料は「管理費」に充当されるようになっていたらしいです。

 

 

マンション標準管理規約では、駐車場の維持管理費用及び修繕積立金に充当するよう、記載がされています。

 

知人のマンションでは、管理規約を改定し、ことなきを得ましたが、住民に全く専門知識がない場合、不要な、しかも高額なメンテナンス工事が知らず知らずのうちに、管理会社主導で行われているかもしれません。

 

十分、注意しましょう。

 

 

7.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

機械式駐車場は「金食い虫」と言われてしまっています。

 

しかし、その事実を知らない人が多いです。

 

また、機械式駐車場の正しい使い方を知らないことなどが原因で、事故が発生していたりもしています。

 

空き台数が多いから、マンション外部の人に勝手に貸し出したりしていませんか?

 

もし収益事業に認定されてしまうと、税金を払う必要が出てきて、やらなきゃ良かった、っていうことにもなりかねません。

 

機械式駐車場の問題をしっかり把握して、自分たちで勉強する姿勢は必須です。

 

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機械式駐車場での事故とは?事故情報を調べて気を付ける

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機械式立体駐車場は、土地が限られた都心などでは、狭い土地でも駐車場台数を多く確保できることから、広く普及しています。

一方で、事故などの発生もあると聞きます。

機械式駐車場の事故にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

 

1.事故の発生件数などは?

 

機械式駐車場は、日本全国で約54万基あり、自動車1台分にすると、約287万台分があるそうです。(平成25年3月時点)

また、商業施設や事務所ビルだけでなく、共同住宅にも多くの機械式駐車場が設置されています。

 

これらの機械式立体駐車場で、人が挟まれるなどして大けがをしたり、亡くなったりする事故が発生しています。

 

政府広報オンラインによると、2007年度から2013年度までの7年間で、

 

207件の事故が発生し、

 

うち10件が死亡事故、16件では重傷者が出ているようです。

 

また、発生場所を確認できた事故145件のうち約40%が、共同住宅の機械式駐車場で発生しているとのことです。

(出典:政府広報オンラインホームページ)

 

 

2.事故の原因は?

 

 

同じく政府広報オンラインでは、2つの事故事例が紹介されています。

 

どちらの事例にも共通して指摘されていることは、

 

・幼児が事故にあっている
・機械式駐車場設備自体に幼児同伴時の安全策がないこと
・緊急時の取扱を利用者が理解していないこと

 

が挙げられています。

 

共同住宅では、当然のことながら小さい子供を連れた家族が機械式駐車場を利用することが想定されます。

また、機械式駐車場は入出庫の操作の際に時間がかかるため、その間、小さい子供が設備の中に入り込んでしまうことも考えられます。

 

 

今後、このような幼児や緊急時の安全策などが、しっかりと対応されていくことが望まれますが、まず、幼児が巻き込まれる事故が発生していることを自覚し、操作時には十分気を付けることが重要です。

 

 

3.機械式立体駐車場の事故情報

 

 

機械式駐車場が普及するきっかけは、商業施設でした。

したがって、取扱に関して知識を有する商業施設等の専任操作員などが操作することが前提として設計されていました。

しかし、先ほど挙げた共同住宅の事故などでは、緊急時の対応等に十分な知識のない利用者が操作しています。

このような設計・製造の段階の前提と、実際の利用段階でのズレが、事故発生の原因の一つと指摘されています。

 

では、事故の内容などを把握して、利用者自身で対策をたてることは可能でしょうか。

国土交通省ホームページでは、機械式立体駐車場における事故の再発防止を図るため、立体駐車場工業会からの報告等に基づき、これまでに発生した重大事故の情報提供が行われています。

http://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_gairo_tk_000063.html

 

そして、毎年度ごとに、事故の発生日、被災者、事故概要等の情報提供が行われています。

 

 

4.国土交通省導入したチェックリスト

 

 

これまで記載してきたように、機械式駐車場の普及に伴い、利用者が機械に挟まれ死亡するなどの事故が発生しています。

 

機械式駐車場の部品等の劣化が原因となる事故は確認できませんが、こちらは設備自体に安全装置などがあるため、設備の不具合による事故ではなく、操作する人や周囲の人の不注意などが、事故の原因となるようです。

 

このような事故等をうけ、機械式駐車場の安全点検を強化する要請がされてきました。

実は、機械式駐車場には法的な点検義務がありません。

(エレベーターは、建築基準法により定期検査が義務付けられています。)

 

したがって、安くない点検・メンテナンス費用を負担して、定期的な点検を実施するかどうかは、共同住宅の場合であれば、管理組合が決める事項とされています。

 

定期点検は、点検業者との委託契約が結ばれるのが一般的です。

ただし、先ほど記載したように、法定の義務がないことなどから、点検項目や頻度などは、統一されておらず、点検の精度にも業者ごとにばらつきがあるのが実情のようです。

 

このような現状を受け、国土交通省では、点検業者選定の目安となる指針案を作成し、公表しました。

 

「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針案」

 

 

この指針案には、各装置装置ごと(安全装置や遠隔監視、搬送台車など)に200に及ぶ点検項目が記載されています。

 

また、点検実施の頻度に関する目安も記載されています。

 

同指針によれば、事故防止において重要な装置については、1~2か月ごとに作動状況を確認するように記載されています。

(人感センサーや非常停止ボタン、警報などの安全設備)

 

 

5.まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

 

機械式駐車場は共同住宅の長期修繕計画を考えるうえで、「金食い虫」と言われているほど、メンテナンス等に費用が嵩む設備です。

 

にも拘わらず、エレベーターと異なり法定点検の義務はなく、点検業者ごとのサービスも不均一なのが実情です。

 

また、利用者に対する十分な指導等がなされない結果、死亡事故や重傷事故などが発生しています。

 

そのような背景から、機械式駐車場を平置化したり、駐輪場に変更したりするマンションもあるようです。

今後、機械式駐車場を取り扱う業者に期待することは、利用者目線に立ったメンテナンス計画の立案や、死亡事故を発生させないようなきめ細かいサービス・点検等ではないでしょうか。

 

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機械式駐車場の耐用年数とは?機械式駐車場にも寿命がある?

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機械式駐車場は、狭い土地でも、駐車場の収容可能台数を増やすことができるメリットがあります。

機械式駐車場は、駐車場需要があるのに、土地がない、という都心立地向きの設備です。

では、機械式駐車場の寿命(耐用年数)はどれくらいなのでしょうか。

 

 

1.そもそも駐車場の種類にはどのようなものがある?

 

 

そもそも、駐車場は大きく、

 

平面

 

 

立体

 

に分けられます。

 

 

平面駐車場というのは、よく町でみかける砂利をしいた駐車場だったり、郊外のスーパーなどのアスファルト舗装された駐車場です。

 

つまり、

 

建物ではなく、

 

土地

 

です。

 

アスファルト舗装などの定期的なメンテナンスは必要でしょうが、基本的には土地の耐用年数は無限、と考えられています。

 

 

 

では、立体駐車場はどうでしょうか。

 

立体駐車場は、駐車スペースへの格納方法により2つに分けられます。

 

自分で走行して駐車スペースに停める
「自走式」

 

か、

 

機械によって駐車スペースまで移動してもらう
「機械式」

 

の2種類です。

 

 

 

 

2.法定耐用年数とは?

 

 

では、耐用年数、とは一体何でしょうか?

 

機械・設備などが使用に耐えられる年数。

(出典:大辞林 第三版)

 

 

耐用年数には、法人税の計算のために、税法により定められた

 

法定耐用年数

 

や、

 

不動産鑑定士による不動産の鑑定評価を行う際に使用される

 

経済的残存耐用年数

 

というものなど、使い方などによって、色々と呼び方が変わります。

また、その意味するところを変わります。

 

 

「自走式」立体駐車場の耐用年数は、駐車場設備、というよりは、その建物自体の耐用年数になります。

 

ですから、立体駐車場の建物構造で多く見られる鉄骨造のように、30年を超える耐用年数となります。

 

 

例えば、立体駐車場の法定耐用年数は以下のとおりです。

・ 自走式立体駐車場(建物)鉄骨造・・・31年
・ 自走式立体駐車場(建物)鉄筋コンクリート造・・・38年

 

 

また、一般的な機械式駐車装置と呼ばれている構造物としての駐車場の法定耐用年数は15年です。

 

 

それでは法定耐用年数を過ぎた立体駐車場はどうなるのでしょうか?

取り壊されてしまうのでしょうか?

 

 

この法定耐用年数は、税金の計算のために、法律により定められたものです。

 

ですから、実際の使用可能な耐用年数とは異なることが通常です。

適切な維持管理が行われていれば、法定耐用年数以上に使用可能であるケースがほとんどです。

 

 

3.機械式駐車場の耐用年数は?

 

 

適切な維持管理を行っていても、土地とは異なり、所有している限り永遠に使用できるわけではありません。

 

機械式駐車場の法定耐用年数は15年です。

 

 

しかし、法定耐用年数は税金計算目的のため、やや短めに設定されています。

 

通常であれば、20〜25年は使用できる、という話を聞きます。

 

 

ただし、それは機械式駐車場設備「一式」の話です。

ほかの設備として、昇降装置、排水装置、安全装置などがありますが、それぞれの法定耐用年数は15年よりも短いのが一般的です。

 

ですから、20年以上使用するためには、それぞれの装置に応じた周期での交換が必要になります。

 

 

4.リニューアル・更新について

 

 

どんなにしっかりとメンテナンスを行ったとしても、将来的には必ず耐用年数には終わりがきます。

耐用年数の終わりを迎えた場合、その先も使用を継続したければ、設備のリニューアル・更新が必要になります。

 

機械式駐車場のリニューアルには、費用がかかります。

 

一般的に機械式駐車場は金食い虫、と言われているように、メンテナンスだけでなく、リニューアル・更新にもお金がかかります。

 

一方で、適切なメンテナンスを行っていなければ、耐用年数も短くなってしまうことに気をましょう。

 

 

5.機械式駐車場の今後

 

 

近年、駐車場は若者の自動車離れや、車の大型化などにより、駐車場の需要は減少傾向にあります。

 

稼働率が低いマンションでは、装置自体を撤去し、駐輪場として利用している場合もあります。

 

また、適切な維持管理を行い続けても、土地とは異なり、永遠に使用できるわけではありまさん。

設置後、20年を経過した当たりでは、設備の更新、または撤去のいずれを選択するかを真剣に考えなければならないでしょう。

 

 

また、そのような住民の足元を見た、管理会社などの不必要な工事提案もある、という話を聞きます。

 

更新か、撤去か、という問題はマンション全体の問題です。

 

慎重に検討し、失敗のないようにしたいものです。

 

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機械式駐車場とは?機械式駐車場の仕組みについて【簡単解説】

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機械式駐車場は、マンションや事務所ビルなどで設置されています。

 

機械式駐車場は1種類ではなく、収容台数や動作方法によって数種類あります。

 

そして、それぞれ異なるメリットおよびデメリットがあります。

 

この記事では、機械式駐車場の種類と、メリットおよびデメリットについてまとめました。

 

 

1.そもそも機械式駐車場とは?

 

 

そもそも機械式駐車場とは何でしょうか。

 

この「機械式」とは、

 

駐車場所までの移動を機械で行う

 

という意味です。

 

自分で駐車場所まで走行する場合は、

「自走式」

の駐車場と言います。

 

機械式駐車場は、都心のような限られた土地においても、駐車台数を増やすことができるため、昭和50年代頃から、居住用のマンションでも機械式駐車場が利用され始めています。

そして、現在では主に商業地等を含む都市圏を中心に利用されています。

 

 

2.機械式駐車場の種類は大きく2種類ある

 

 

機械式駐車場の種類は、以下の大きく2種類あります。

 

・上下にのみ動くタイプ
・上下左右に動くタイプ

 

そして、上下左右に動くタイプは収容台数や使い勝手は良いのですが、上下にのみ動くタイプに比べて、メンテナンス費用が嵩むというデメリットがあります。

 

 

また、それぞれのタイプには、地上や地下、構造に応じて以下のものがあります。

 

【上下にのみ動くタイプ】
・地上二段式
・ピット二段式

 

【上下左右に動くタイプ】
・昇降横行式
・垂直循環方式
・エレベーター方式

 

 

 

3.地上二段式

 

 

 

車を上下に2台とめるタイプの機械式駐車場です。

 

地上二段式は一般住宅に多く採用されているタイプです。

パレットと呼ばれる車載台が昇降することで、それぞれの車を取り出します。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・下段は上段パレットにより雨や日光を遮ることができます。
・上段は地上から高い位置にあるため、下段よりも防犯性に優れています。
・敷地面積の有効活用ができます。

 

【デメリット】
・平面式の駐車場に比べて、上段のパレットは車の出し入れに時間がかかります。

 

 

4.ピット二段式

 

 

ピット二段式とは、地下構造を有する装置のことです。

車を上下に格納するという点では地上二段式と同じですが、下段パレットが地下部分となる点で違いがあります。

ピットを大きくすると、三段式にすることも可能です。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・下段は地下部分に格納されるため、上段パレットにより雨や日光を遮ることができます。
・下段は地下部分に格納されるため、上段よりも防犯性に優れています。
・敷地面積の有効活用ができます。

 

【デメリット】
・地下部分は、大雨等による浸水被害が発生する可能性があります。(特に三段式の場合。)
・平面式の駐車場に比べて、上段のパレットは車の出し入れに時間がかかります。(特に三段式の最下段。)

 

 

5.昇降横行式

 

 

入出庫用の一台分の空きパレットを利用し、各パレットが上下左右に動くことで、指定のパレットを呼び出すタイプの駐車場です。

3段以上することも可能です。

また地下構造にする場合と、地上部分で三段式にする場合のどちらもあります。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・上段は地上から高い位置にあるため、下段よりも防犯性に優れています。
・地下部分に格納されるため、上段パレットにより雨や日光を遮ることができます。

 

【デメリット】
・呼び出し時の車の位置によっては、入出庫に時間にばらつきがあります。
・地下部分は、大雨等による浸水被害が発生する可能性があります。

 

 

6.垂直循環方式

 

 

パレットを垂直方向に循環して動作させることにより、入出庫位置までパレットを呼び出すタイプの駐車場です。

1階部分に入出庫部分が設置されているケースが多いです。

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・格納される全てのパレットへの侵入が困難なため、防犯性に優れます。
・全ての車が外壁等により格納されるため、雨風や日光等による劣化等を防ぐ効果があります。
・エレベーター方式に比べると、メンテナンスが容易で、費用もかかりません。

 

【デメリット】
・呼び出し時の車の位置によっては、入出庫時間にばらつきがあります。
・大型装置のため、作動音・振動音が発生します。

 

 

7.エレベーター方式

 

上下左右に配置されたパレットを、上下左右に動作させることにより、車を入出庫させるタイプの駐車場です。

 

(画像出典:「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の手引き・国土交通省)

 

【メリット】
・格納される全てのパレットへの侵入が困難なため、防犯性に優れます。
・垂直循環方式に比べると、騒音の程度が小さいです。

 

【デメリット】
・呼び出し時の車の位置によっては、入出庫時間にばらつきがあります。
・垂直循環方式に比べると、メンテナンス費用がかかります。

 

 

8.機械式駐車場の耐用年数は?

 

 

機械式駐車場のタイプや、使用頻度、維持管理の状態等により異なります。

 

国土交通省の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」によると、駐車装置は20~25年程度で取替え、昇降装置は10年程度、安全装置は5年程度で修繕・取替え、排水ポンプは10年程度で取替え、という目安が記載されているます。

 

この他に、パレットや支柱等の鉄部塗装も必要です。

 

 

 

9.機械式駐車場に法定点検はある?

 

 

機械式駐車場には、法律で定められた定期検査等の義務はあるのでしょうか。

エレベーターは建築基準法により定期検査が義務付けられています。

一方で、機械式駐車装置には法的な点検義務がありません。

 

しかし、人身事故等が過去に発生しているように、使用に際して危険を伴う機械装置であることは確かです。

したがって、法律で定められていはいなくても、定期的な保守点検が不可欠と言えます。

 

また、機械式駐車場に使用されている部品等は種類が多く、また耐用年数にもばらつきあるため、適切な維持管理を行わないと故障の原因となります。

 

 

10.機械式駐車場のマンションを選ぶ際の注意点

 

 

機械式駐車場は、上記のようにタイプによってメリット・デメリットが大きく異なります。

また、マンションによっては、全戸数分の台数がない場合もあります。

 

したがって、マンション購入の際には、以下のようなポイントについて、事前に確認しておくことをお薦めします。

 

・駐車位置が定期的に抽選されるような仕組みとなっているか
・駐車位置のメリット・デメリットに即した駐車料金設定となっているか
・駐車場のメンテナンス費用および体制は適切か
・自分の所有する車が格納できるサイズかどうか
・近隣に貸駐車場があるか
・機械式駐車場の長期修繕計画
・現状の稼働率
・過去に人身事故が発生したことがあるか
・ゲリラ豪雨が発生しやすい地域かどうか

 

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マンションの大規模修繕に周期や頻度はあるのか?

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分譲マンションを購入すれば、いずれは「大規模修繕」を経験することになります。

 

大規模修繕の頻度や周期に決まりはあるのか?

 

この記事では、マンションの大規模修繕の周期について調べてみました。

 

 

1.周期が決まる要因

 

 

結論から申し上げると、大規模修繕には一定の周期・頻度というものが存在します。

 

しかし、それは全てのマンションに一律に適用されるものではありません。

 

例えば、

 

10年
12年〜15年
13年〜16年
25年〜30年

 

と色々な数字が世の中で言われています。

 

 

しかし、重要なことは、世の中に合わせるのではなく、自分のマンションに合った周期で大規模修繕を実施することです。

 

そのためには、なぜ、上記の周期になるのか、を理解することが重要です。

 

大規模修繕の周期を決める要因は以下のとおりです。

 

10年:工事保証
12年〜15年:建築基準法
13年〜16年:国土交通省の調査
25年〜30年:長期修繕計画

 

 

これらの内容について、さらに調べていこうと思います。

 

 

2.以前は10年周期だった

 

 

一般的に10年周期で大規模修繕を行う理由としては、工事の保証年数が長くても10年の場合が多いためと言われています。

 

他には12年や15年と、より長期的な周期も存在している中、10年周期の場合にはどのような影響があるのでしょうか。

基本的には、区分所有者は損をします。

得をするのは、管理会社および工事業者でしょう。

 

 

現在でこそ、12年や15年という大規模修繕の周期が存在していますが、2000年以前は10年周期で大規模修繕の計画をしているマンションが多かったようです。

 

 

マンションの寿命は約50年と言われています。

 

もし、10年周期だったら、計5回。

 

もし、15年周期だったら、計3回。

 

1回当たりの工事金額が数千万程度する大規模修繕工事が、2回も少ないということになれば、区分所有者の負担は大分減ります。

 

ただ、管理会社や工事業者の儲けは減りますが。

 

その後、10年スパンの大規模修繕工事を行おうとして、一時金や借金をするマンションが問題となり、国土交通省から「12年周期」を推奨するガイドラインが公表されました。

 

 

3.12年周期の理由

 

 

先ほども書きましたが、大規模修繕工事は「12年周期」で考えられることが多い理由として、建築基準法が挙げられます。

 

建築基準法では、築後10年(または外壁改修後10年)を経過した外壁がタイル貼りなどのマンションは、3年以内に外壁の「全面打診調査」を行う必要がある、と定められています。

 

 

築10年を経過した建物(外装材がタイル張り、石貼り、モルタル塗り)について

・外装改修工事を10年以上行っていない
・外壁全面打診調査を10年以上行っていない

上記に該当する場合、3年以内に外壁の全面打診調査もしくは修繕工事を行う必要がある

(出典:建築基準法 国土交通省通告第282号より)

 

 

何故かというと、外壁タイルが落下して、通行人などが負傷などをしないようにするためです。

(通行人に何か大事があれば、工事費用どころの騒ぎではありません。)

 

 

全面打診調査を行う期限は、原則として、

 

築10年(若しくは外壁改修から10年)経過したマンションは、「3年以内」

 

 

つまり、

 

「13年以内」

 

です。

 

 

また、国土交通省が公表しているガイドラインでは「12年程度」が大規模修繕の周期として記載されています。

 

この建築基準法上の全面打診調査の期限と、ガイドライン上の記載とを合わせて、大規模修繕の「12年周期」の根拠と言われています。

 

 

4.15年以上の周期も?

 

 

建築基準法や国土交通省のガイドラインを根拠に、大規模修繕は「12年周期」、と言われていますが、本当に12年周期で工事が必要なのでしょうか?

 

国土交通省のガイドラインでは、

 

「大規模修繕工事は12年周期で必ず行わなければならない」

 

ということは記載されていません。

 

 

私が自分のマンションの大規模修繕の時に、コンサルタントの方たちに聞いた話では、

 

15年周期

 

をオススメされました。

 

理由は、最近のマンションは性能が良いからだそうです。

 

 

実際に、築後20年、30年経過しても、一度も大規模修繕を行っていないマンションもあるそうです。

 

また、国土交通省による「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、大規模修繕の実施時期について、以下のような報告がされています。

 

・1回目:築13~16年
・2回目:築26~33年
・3回目:築37~45年

 

この調査結果によると、多くのマンションで13~16年ごとに大規模修繕が行われている傾向が示されています。

 

 

5.「30年周期」という考え方

 

 

2回目以降の大規模修繕工事では、建物の劣化の程度が1回目と異なるため、大規模修繕の工事内容も変わります。

 

1回目は、建物外部の防水工事を中心に行われます。

 

2回目および3回目は、建物外部の防水工事に加え、建物内部の主要な設備や部材の更新などが必要となります。

 

 

さらに、築年数が経過すれば、耐震補強工事や省エネ化工事といった、グレードアップのための工事が実施されることがあります。

 

つまり、築年数が経過するほど、大規模修繕の工事費用は増えていく傾向にあります。

 

 

したがって、このような設備更新までを含めた長期的なスパンで大規模修繕の周期を考える方法もあります。

 

これが長期修繕計画の根拠になっています。

 

そして、修繕積立金の値上げ計画なども、この長期的なスパンを前提に計画されます。

(ただし、管理会社のお金儲けの道具として使われることもあります。実際に私のマンションでは、何回も長期修繕計画が変わるたびに、修繕積立金の値上げがされてきました。)

 

 

 

 

 

 

 

6.まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

大規模修繕の頻度・周期および、その要因は以下の通りです。

 

10年:工事保証
12年〜15年:建築基準法
13年〜16年:国土交通省の調査
25年〜30年:長期修繕計画

 

国土交通省が公表しているガイドラインですら、「12年周期」が正しい、とは記載されていません。

 

 

築後20〜30年経過しても、大規模修繕を一度も行っていないマンションも存在しますので、一律に何年周期で大規模修繕を実施すべき、とは言えないようです。

 

ただし、確実に言えることは、定期的なメンテナンスを行った方が、修繕費用は抑えられる、ということです。

 

水漏れなどを放置しておくと、劣化の進行が早く、より多くの改修費用がかかってしまいます。

 

自分のマンションに合った周期で、定期的な大規模修繕をできるように心がけて下さい。

 

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【簡単に説明】マンションの大規模修繕の防水に関する工事とは?

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大規模修繕の防水工事とは何でしょうか。

 

屋上やバルコニー、共用廊下などの防水性能を新築当初の性能まで回復する工事のことです。

 

この記事では、マンションの防水工事について調べたことをまとめました。

 

 

1.防水工事の種類

 

 

そもそも防水工事は、多くの工法・材料があります。

 

それは、マンションやオフィスビルなどの用途別、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの構造別によっても違います。

 

また、工事箇所によっても、使える工法や材料が違います。

 

 

主な工事箇所は、

 

屋上
バルコニー
共用廊下

 

です。

 

 

防水工事は、

 

材料
工法
機能

 

の3つの面から分類されます。

 

 

 

材料による分類では、「アスファルト防水」「シート防水」「塗膜防水」等に分類されます。

工法による分類では、「保護工法」「露出工法」「機械固定工法」等に分類されます。

機能による分類では、「断熱防水」や「遮熱工法」などに分類されます。

 

 

 

防水工事の相場は1㎡当り7,000~12,000円程度と言われています。

 

また、各材料別の単価の非常に大まかな目安は以下の通りです。

(あくまで目安のため、詳細は相見積を取って検討して下さい。)

 

・ウレタン防水:約7,000円/平方メートル
・シート防水:約7,500円/平方メートル
・アスファルト防水:約8,000/平方メートル
・FRP防水:約9,000/平方メートル

 

 

2.防水工事の耐用年数

 

 

防水工事は、1回実施すれば永久に大丈夫、というものではありません。

 

賞味期限のようなもので、「耐用年数」というものがあります。

 

イメージとしては、「使用に耐えうる」年数、ということでしょうか。

 

この耐用年数を超えている場合は、いつ雨漏りなどの漏水事故が発生してもおかしくない状況となっていることが多いです。

 

各工法別の耐用年数の目安です。
(先ほどの単価の順番に並べてます。)

 

・ウレタン塗膜防水:約10年~13年
・ゴムシート防水:13年
・塩ビシート防水:13年
・アスファルト防水露出工法:13年
・アスファルト防水保護工法:約15年~20年
・FRP防水:約10年~13年

 

一般に標準的と考えられる耐用年数では、10年を目安に防水工事を行うことが必要であると考えられます。
(アスファルト防水保護工法は少し耐用年数が長いです。)

 

先ほどの単価との関係で考えれば、価格が高い工法ほど、耐用年数も長くなるようです。
(FRP防水は少し違いますが。)

 

 

3.定期的な防水工事をする理由

 

 

定期的に防水工事をするのは何故でしょうか。

 

例えば、使えるだけ使って、壊れたら直す、という方法はダメなのでしょうか。
(つまり、賞味期限を過ぎても、まだ食べられる、というようなイメージです。)

 

 

防水工事に関しては、

 

転ばぬ先の杖

 

という対応をする必要があります。

 

 

なぜなら、漏水箇所はより痛みやすいからです。

 

つまり、一度漏水してしまうと、漏水前に防水工事を実施するよりも、多く費用がかかってしまいます。

 

漏水が起きていない場合は、補修などの定期的なメンテナンスで済むケースが多く、一から防水工事をやり直すよりも安く済みます。

 

ただ、漏水が起きた場所を中心に劣化が進んでしまった場合、補修程度のメンテナンスでは、防水性能を回復できない場合があります。

 

そうなると、新たに防水工事を行う必要があるので、費用がかかってしまうことになります。

 

車のコーティングをイメージすると分かりやすいかもしれません。

初回は高いですが、1年に1回のメンテナンスは安く済みます。

そのようなイメージです。

 

 

4.水漏れの原因には何がある?

 

 

水漏れと雨漏りは違います。

 

無理矢理イメージを簡単にまとめると以下のようになります。

 

 

水漏れは、専有部分から専有部分へ水が漏れたもの。

雨漏りは、共用部分から専有部分へ水が漏れたもの。

 

 

つまり、水漏れの原因は、上の階などに住んでいる人の不注意などで、お風呂の水があふれたりすることで発生するケースがほとんどです。

 

これに対して、雨漏りは、屋上やバルコニー防水、窓枠のシーリングの劣化などにより、そこから雨水が浸入してくるケースがほとんどです。

 

つまり、雨漏りを防ぐために、定期的な防水工事が欠かせない、というわけです。

 

また、水漏れの原因により、使う保険が変わってきますので、注意が必要です。

 

 

 

 

 

5.防水工事の具体例

 

 

防水工事の具体例として、

 

バルコニー防水工事

 

 

屋上防水工事

 

 

について、さらに調べてみました。

 

 

5-1.バルコニー防水工事

 

 

バルコニー防水工事は、バルコニーの床から、雨水が内部へと浸入するのを防止するための工事です。

 

バルコニーは屋上と違い、作業スペースが限られています。

 

ですから、ウレタン塗膜防水はスペースが狭くても施工可能なため、バルコニー防水工事に使用されています。

 

ただし、あくまで「塗膜」工事なので、塗ったら乾かす必要がありますので、工事中はバルコニーに出れない期間があります。

 

また、ウレタン塗膜防水は、費用も安価で作業効率も良いのですが、見た目が単調、という欠点があります。
(公立の小中学校のベランダをイメージして下さい。)

 

そこで、配色や模様を選べる塩化ビニールシート防水が使用されています。

一般的に分譲マンションでは、見た目を良くして資産価値を上げるために、シート防水が使用されています。

 

 

5-2.屋上防水工事

 

 

屋上防水工事は、主に屋上からの雨水の浸入を防ぐ為に行われます。

 

また、足場が必要ないケースも多いため、屋上防水の状態に応じたメンテナンスも行われます。

 

私のマンションでは、足場が必要ない、ということで、大規模修繕とは別に、先送してお金が貯まった時点で工事を行いました。

 

 

6.まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

防水工事といっても、材料の違い、工法の違い、工事する場所の違いから、価格や耐用年数も幅があります。

 

また、屋上防水や共用廊下の防水工事は、足場が必ずしも必要とならないことから、大規模修繕工事とは別の時期に先送りされることがあります。

 

(私のマンションも、共用廊下と屋上は簡単なメンテナンスだけ実施して、工事自体は先送りにしました。)

 

 

修繕積立金が不足して、なかなか大規模修繕が実施できないマンションが多いと聞きます。

 

この記事でも書きましたが、漏水した場合は劣化が早く進みます。

 

その結果、より多くの改修費用が必要となってしまいます。

 

つまり、お金がないから、必要な防水工事を先送り、というのは、悪循環に陥る危険性が高い、ということです。

 

 

マンションの大規模修繕は、非常に大まかに分けると、

 

防水工事

 

 

設備工事

 

しかありません。

 

 

お金がないなら、ないなりに、防水対策だけはしっかりと行うようにしましょう。

 

 

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