AIによる不動産価格の査定・推移の使い方のおすすめ

不動産情報コラム

最近、AIが流行っています。

AIとは、人工知能のことです。

そして、不動産の世界にも、AIによる価格予測や賃料予測というものが出始めています。

どれだけ精度が高いのか、また、どのように使うのが良いのか。

 

まず、最近ブームになっているAIというは、

ドラえもんなどの、本当に人間のような知能を持つAIではありません。

イメージとしては、将棋や囲碁などのプレイヤーとして使われるもの、という方が近いです。

 

つまり、囲碁に例えるなら、

過去のデータをAIに大量に読み込ませて(学習させる)、ベストな方法を考える、ということにAIが使われています。

これを不動産に例えれば、過去の売買や賃貸の大量のデータをAIに読み込ませて、ベストな価格や賃料を計算する、ということになります。

 

そして、これらは今まで人間が行ってきたことでもあります。

 

特に、不動産価格を決定する独占資格としては、不動産鑑定士という国家資格があります。

AIがより進歩したら、このような専門家は不要になるのでしょうか。

 

結論としては、どんなにAIが進歩したところで、専門家や人間は不要にはならないでしょう。

 

なぜなら、ドラえもんだって、間違えた判断もするし、迷いますよね。

また、将棋の藤井聡太棋士は、AIとの闘いを通して、人間では思いつかないようなAIが使う戦法を藤井聡太棋士自身で使うこともあると言われています。

つまり、人間とAIが融合した新たな可能性ではないでしょうか。

話を不動産価格の査定に戻しますと、確かにAIは、

過去のデータ分析には最適

です。

今までは部屋の広さ、駅からの距離などで、どのくらいの賃料で契約されていたのかを読み込ませれば、ある条件を与えた時に、その条件に対応する賃料を答えてくれるでしょう。

AIは、そのような過去の分析から、将来を予測する、という点ではすごい、と私も思います。

しかし、不動産にはAIによる予測が不向きな特徴があります。

それは、

不動産の使い方は時代によって大きく変わる

ということです。

 

特に、新型コロナウィルス流行後は、ニューノーマル、という言葉とともに、もはや新型コロナウィルス流行前の社会には戻らないとすら言われています。

テレワークが浸透し始め、東京から他県へ移動する人も増えています。

今まで1部屋で良かった1人暮らしが、テレワーク用にもう1部屋必要になるかもしれません。

また、今までは都心への通勤に不便だった地方都市が、テレワークをきっかけに人口が増えるかもしれません。

 

コロナとは話が変わりますが、地方の空き地は駐車場か資材置き場だったのが昔ですが、最近ではソーラーパネルを設置している所を良く見かけます。

 

このように不動産は、時代によって、その使い方が大きく変わる可能性があります。

オリンピック前までは1LDKや2LDKが流行っていましたが、テレワークが今後さらに浸透すれば、3LDKや4LDKの需要が増えるかもしれません。

 

AIによる不動産予測には、残念ながら、このような不動産の持つ

用途の多様性

を予測する能力はありません。

今後もそれは難しいかもしれません。

 

ただし、全く使えないことはありません。

前にも言った通り、過去のデータ分析には長けていますので、将来予測というよりは、

過去の延長線上の価格・賃料

として参考にするのが良いのではないかと思います。

そして、将来の可能性は、それらのAI査定などをもとに、人間が考えて決断する以外には、ないのではないかと思います。

(ドラえもんでも悩むはずです。ちなみにドラえもんのようにAIを強いAI、最近ブームのAIは弱いAI、と言われたりもします。)

 

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