従来、莫大な資金を運用していた年金基金は、国内外の株式や国債などのローリスク・ローリターンといわれる伝統的アセットを主な投資対象としていました。
しかし、最近では、あまりにも低いリターンによる運用難から、不動産投資やプライベート・エクイティ(未上場株式)などの代替投資(オルタナティブ投資)に乗り出しています。
今後も、年金基金の不動産投資への投資割合は、世界的に拡大していく傾向にあると言われています。
そして、その年金基金の運用を任されるのは、不動産投資のプロたちです。
裏を返しますと、不動産投資は確実に利益を生む、ということが、世界的にも認められてきた、と考えることができると思います。
私は、不動産投資のプロと言われる職業の方々から、よくお話しを聞きます。
また、実際にその仕事内容の詳細を把握しています。
不動産投資のプロたちの考え方と、それに基づく行動は非常に合理的です。
結論からいうと、不動産投資のプロたちの考え方を理解して、真似をすることで、少なくとも、致命的な失敗を防ぐことはできるのではないか、と考えています。
このブログでは、私が見たり聞いたりしてきた不動産投資の失敗談などをもとに、その関連知識などをまとめて記事にしたりしています。
その目的は、不動産投資で失敗する人が減ってほしいためです。
このブログの他の情報を見る前に、ぜひ、この記事の内容を見てください。
そもそも、「不動産投資」とは何なのか?
それを、この記事でわかりやすく、説明していこうと思います。
目次
1.「不動産投資」を理解するために必要なこと
「不動産投資」
と検索すると、色々な情報が出てきます。
ただ、本当に重要な情報は至ってシンプルです。余計な情報に惑わされるのは時間の無駄です。
不動産投資とは何か。
「不動産投資」を理解するために必要なのは、不動産取引の実務的な知識やテクニカルターム、裏情報などではありません。
理解のために必要な情報は、その仕組みと基礎となる部分だけで十分です。
余計な尾ひれは不要です。
そして、その理解のために必要な情報とは、全く難しいものではありません。
誰にでも理解できるシンプルなことです。
「不動産投資」の仕組みと基礎を理解するためには、
「不動産」と「投資」
という言葉それぞれを、分解して深く理解していくことが必要です。
(逆に言えば、ただ、それだけです。次節以降で説明していきます。)
では、もし、専門的な知識や情報が必要になった場合はどうすればよいのか。
それは、その時々に応じて、必要な専門家を活用することになります。
活用、とは、具体的には、
質問すること
です。
(もしくは、自らの勉強で足りることも多いです。)
専門的な知識や情報は、あくまで、「不動産投資」の仕組みと基礎を理解・整理するための情報でしかない、ということに注意が必要です。
本当に忘れてはいけない重要なことは、
「不動産投資」とは、そもそもどのようなことであるか
を正しく理解する、ということです。
「不動産投資」とは、そもそもどのようなものなのか、ということを、しっかり理解した上で不動産投資に取り組めば、失敗はしないはずです。
逆に、たくさんの情報や専門用語に踊らされて、
不動産に詳しくなった
とか
十分に勉強し、経験も積んだ
などと勘違いしていると、もしかすると「投資」には失敗してしまうかもしれません。
2.「不動産投資」を理解するメリット
「不動産投資」という言葉を深く理解することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットとして、
専門家に質問ができる
ようになります。
質問ができる、ということは、とても大切なことです。
つまり、不動産投資の目的のために、
自分は今、何を知らないのか
何を知りたいのか
が明確になる、ということです。
私は、不動産投資に関わる数々の失敗談や成功体験、そして不動産投資に関わる知識と情報を持っています。
また、不動産投資のプロと言われる職業の方々からも、よくお話しを聞きますし、実際にその仕事内容の詳細を把握しています。
不動産投資のプロたちの仕事は、非常に合理的です。理にかなっています。
失敗する可能性のあるリスクを的確に把握し、対処する。
常に投資採算分析をアップデートしつつ、迅速な意思決定を行う。
そして、驚くほどのリターン実績を上げているプロたちを目の当たりにする時もあります。(利回りでいうと、20%程度の実績を出していることがあります。厳密にはIRRですが。)
しかし、彼らが何か特別なことばかりをしているのではないか、というと、実はそうではありません。
確かに、不動産や金融に関わる高度な専門知識を持っていますが、実際に失敗しないようにするために実践していることは、非常にシンプルなんです。
そして、それらは、不動産投資を始めたいと思っている人にとって、それほどハードルが高いことではありません。
何年も勉強したり、高い勉強代をつぎ込む必要はありません。
「不動産投資」とは何か、という重要な基礎をおさえ、
自分が「今」知らないことを明確にして、
不動産投資を成功に導くために、効率的に専門家を活用する
ということを心がければ、不動産投資のプロたちの運用と同程度のパフォーマンスを得ることは不可能ではありません。
注意していただきたいのが、
ここで、達成可能としているパフォーマンス水準は、コア型投資、と言われる安定的で確実な不動産投資を行うプロたちが生み出す水準のことを言っています。これは短期ではなく、長期投資を前提としています。
いわゆる短期投資にカテゴライズされる、ハイリスク・ハイリターンのオポチュニスティック型投資、と言われる投資に関わるプロたちのパフォーマンスは非常に高く、そこまでの高いパフォーマンスを得るためには高度な知識と豊富な経験が必要となります。
冒頭のとおり、このブログでは、私が見たり聞いたりしてきた不動産投資の失敗談などをもとに、その関連知識などをまとめて記事にしたりしていますが、これはあくまで、不動産投資で失敗する人が減ってほしい、と切に願うためだからです。
逆に言うと、先ほどのオポチュニスティック型投資のプロたちのように、高いリターンを出して成功を収める、ということを推奨するブログではありません。
(とはいえ、不動産の基本を理解すれば、高いリターンを出すことは不可能ではありません。)
そもそも、不動産投資の失敗体験を数多く持っている人の話・・・参考になるでしょうか?
また、不動産投資に数多く失敗している人って・・・お金はすっからかん、もしくは「超」がつくほどの大富豪でしょう。
人の失敗談も参考にはなりますが、やはり、不動産投資のプロの考え方のほうが、
失敗しない
ために、必要な情報だと思います。
3.まずは「不動産投資」という言葉を分解して理解すること
シンプルな問題です。
<問1>
「投資」って何でしょうか?
<問2>
「不動産」って何でしょうか?
<問3>
「不動産投資」って何でしょうか?
問の1から3、どちらも簡潔に即答できないようでしたら、必ず不動産投資は失敗します。
逆に言うと、この3つの問いを、深く深く理解すると、不動産投資には失敗しないでしょう。
「不動産投資」というと、
地方のアパートとか、都内のワンルームマンションを買って、賃料収入をもらうこと
のようなイメージが、おそらく世間的には定着していると思います。
このような認識だけで不動産投資を理解したつもりになってはいけません。
1から100のどれ程の内容かと言うと、ゼロレベルの理解度と言ってもいいと思います。
では、例えば、次のような回答はどうでしょうか。
<問1>のダメな回答例
「投資」とは、貯蓄とは違い、より利益を出すためにお金をつぎ込むこと。貯金は必ず返ってくるが、投資したお金は必ずしも全て返ってくるとは限らない。
<問2>のダメな回答例
「不動産」とは、宅地と建物のことで、オフィスやアパート、ワンルームマンションのこと。
<問3>のダメな回答例
「不動産投資」とは、貯蓄や国債購入、株式投資や外貨取引(FX)などのローリスク・ローリターン投資とハイリスク・ハイリターン投資の中間に位置するミドルリスク・ミドルリターン投資である。
いかがでしょうか。
なんとなく、それっぽいですね。
<問1>については、
「貯蓄」はお金が返ってくるけど、「投資」は返ってこないかもしれないからリスクが高い。
本当にそうでしょうか。「貯蓄」だって景気が悪化して銀行がつぶれてしまえば、返ってこない可能性もあります。
「投資」とは、より利益を出すためにお金をつぎ込むこと。
より利益、とはどのくらいの利益でしょうか。銀行の預金より割が良ければいいのか、宝くじ一発当てるくらいに儲けたいのか、どのくらいのイメージでしょうか。
「投資とは・・・」ということについて、社会貢献とか、資産形成とか、色々と解説しているサイトは多くありますが、根本的なところでいうと、「投資」とは何でしょうか。
結局のところ、投資の目的と、その目的を達成するための手段について、投資を行う自分自身が理解していることが大事なのではないでしょうか。
<問2>については、
確かに、不動産は宅地と建物も含みますし、オフィスビルやマンションなどは代表的な不動産です。
「宅地」とは、建物の敷地のことです。建物の敷地以外は不動産ではないのか、とか、マンションの場合はどうなるのか、とか色々な反論が考えられます。
中途半端に「宅地」と言われても、不動産業界以外の方は混乱するだけです。
「不動産とは・・・」を考えはじめると、きりがありません。
民法では、土地とその定着物、と定義されています。そういう意味だと、一戸建住宅の塀や中庭、門なども不動産と言えますし、ソーラーパネルが置いてある土地だって不動産と言えます。
「宅地」と「建物」だけが不動産ではありません。
不動産への投資を考えるという意味では、「投資の対象」となる不動産とは何か、どのようなものか、ということを理解することが大事ではないでしょうか。
<問3>についてです。
まれに、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン、と解説されたサイトを目にしますが、ちょっと意味が分かりません。
確かに、株式は購入後に、元本価値が下落するリスクはあります。しかし、購入後、保有している間にかかる費用はあまり発生しません。
ところが、不動産の場合は固定資産税や修繕費といった費用、ランニングコストが発生します。特に修繕費については、注意深く相見積などを取得して費用削減していかないと、知らぬ間に取り返しのつかない損失につながる危険性があります。
加えて、建物は年数が経過するにつれ価値がどんどん下落していきますし、景気の変動によって、不動産価格は乱高下することがあります。このような点を考えれば、不動産投資も元本価値の下落リスクは当然あります。
また、ボロボロのマンションを安く仕入れて、リノベーション後に高く売却して利益を出す会社など、かなりのハイリスク・ハイリターンな不動産投資の形態もあります。
何をもって、ミドルリスク・ミドルリターンなのか、さっぱり分かりません。
大事なことは、不動産投資のリターンは何か、どのように得られるのか、ということと、
不動産投資のリスクには何があるのか、どのくらいの損失額が予想されるか、ということを、
正しく理解することです。
4.「投資」とは何か?
では、「不動産投資」について、
「投資」、「不動産」、「不動産投資」の順で、考えていきます。
まず、「投資」とは何か。
投資とは、
お金を増やす目的で、
お金をお金「以外」のものに変えること
です。
そして、一番重要なことは、お金を増やす「目的」は人それぞれ、ということです。
また、お金を「増やす」ことが投資の目的です。
減らすことが目的ではない、ということです。
お金を増やす目的で、お金を不動産に変えたけど、最終的にお金が減ってしまった・・・
これは、投資の目的を達成していません。
では、「お金」を「お金」のまま持っておいたら、どうなるのか。(銀行にも預けず、ただ持っていることです。財布に入れていたり、タンスの引き出しに封筒に入れてしまっていたり。)
財布に入れているだけで、財布の中のお金が増えていたら、とても嬉しいですが、そんなことは起こりません。
では、もし、「お金」を銀行に預けるとどうなるか。
「お金」は「預金」に形を変えると考え、「利息」が発生します。
「利息」の分だけ、お金が増えます。
「お金」は「預金」に形を変え、「利息」として「お金」が増えるため、銀行に預金することも「投資」の一つと考えることもできます。
不動産投資は、例えば部屋を貸した人から支払われる賃料によって、お金が増えます。
銀行への預金は、預かったお金を銀行から事業会社へと貸し出されるなどして、銀行は利益を得ます。つまり、銀行は、あなたの預金を「借りて」、貸出しなどを行っています。つまり、「利息」というのは、銀行からあなたへ支払われる「お金」の「賃料」のことです。
ただ、銀行の利息は、この記事を書いている時点では、0.001%と、とても低いです。
1万円を銀行に預けて、1年間でいくらお金が増えるかといえば、1円です。
100万円を銀行に預けていたとしても、1年間で100円しか増えません。
どうでしょうか。こんな銀行預金では、あなたの「投資の目的」を達成することはできませんか?
一般に株式投資や不動産投資では、2~5%くらいの利回りが期待できると言われています。
100万円の投資によって、1年間で2~5万円のお金が増えます。(ただ、株式や不動産の価値が10万円分下落していたら、損をすることになりますが・・・)
どうでしょうか。株式投資や不動産投資では、あなたの「投資の目的」を達成することができますか?
そもそも、あなたの「お金を増やす目的」は何ですか?
老後の生活資金を貯める、贅沢をする、趣味に使う資金を貯める、子供の学費を貯める などなど、人それぞれ、お金を増やす目的はさまざまだと思います。
これらを踏まえると、先ほどの問1は、
「投資」とは、
「〇〇〇」(あなたのお金を増やす目的)
のために、
お金を
「〇〇〇」(お金以外のもの)
に変えること
という回答が、私個人的には、とてもしっくりくるのですが、いかがでしょうか。
不動産投資の場合でしたら、
老後の生活資金2,000万円を貯めるため、お金を不動産に変えること
と言えるのではないでしょうか。
5.「不動産」とは何か?
「不動産投資」について、
「投資」、「不動産」、「不動産投資」の順で、考えていきます。
「不動産」とは何か。
「不動産」とは、ということを考えはじめると、建物、塀、門、建物付属設備、ため池、山、畑などなど、きりがありません。
そこで、ここでは「投資」の対象となる「不動産」とは何か、ということに絞ります。
5-1.修繕費の必要性
「投資」の対象となる「不動産」とは、
です。
例えば、銀行への預金は、
「銀行」へ貸す「お金」
です。
株式投資は、
「企業」へ貸す「お金」
です。
不動産投資も、銀行預金も、株式投資も、
投資をした人(あなた)に対して「お金」が支払われます。
銀行預金も株式投資も、貸してくれた「お金」に対する賃料が、あなたに支払われます。
(銀行預金では「利息」、株式投資では「配当」です。)
不動産投資の場合は、貸してくれた「場所」に対する賃料が、あなたに支払われます。
ここで、とても重要なことは、
借りるだけの価値のある「場所」
とするためには、
メンテナンスが必要
ということです。
つまり、修繕費のことです。
この修繕費の存在が、銀行預金や株式投資と全く異なる部分です。
この修繕費が、重要なポイントの1つ目となります。
5-2.持っているだけでお金が発生「ランニングコスト」
銀行や企業に貸す「お金」は、メンテナンスなどしなくても「お金」のままですが、
「不動産」はメンテナンスしなければボロボロになってしまいます。
ボロボロの「場所」には魅力がなくなり、借りたい、と思う人はいなくなってしまいます。
その結果が、いわゆる「空室リスク」というものです。借りる人がいなければ、お金は増えませんし、むしろ、お金は減っていきます。
ここが、重要なポイントの2つ目となります。
「不動産」は、持っているだけで「お金」が減ります。
(いわゆるランニングコスト、という費用です。代表的なものに、固定資産税があります。)
「お金」を持っているだけだと、特にランニングコストは発生しません。
ところが、「不動産」は持っている(所有している)と、費用が発生してしまうのです。
5-3.不動産の価値は「人」で動く
最後に、「不動産」に関する重要なポイントの3つ目です。
それは、「不動産」がどのような時に、価値が増えたり、減ったりするか、です。
例えば、株式は、景気の良し悪しによって、株式の時価が変動します。
日経平均株価が過去最高を記録、というニュースなどが、それを良く表しています。
株式の場合は、お金を貸し出した「企業」の業績が良ければ、株式の価値(つまりは元本、投資額のことです)が上がります。
不動産の場合も、建物は毎年、年数が経つにつれて価値が減少していきますが、土地については、基本的には景気に連動して、その価値が変動します。
ここで注意しなければいけないのは、
株式は「お金」を貸している
不動産は「場所」を貸している
ということです。
「場所」というのは、人がいる所です。
「場所」の価値は、人が多ければ多いほど、高くなるものです。
つまり、「不動産」の価値は、
「人の多さ」によって変動する
という点が非常に重要なポイントです。
例えば、人口のほかにも、観光客数、来場数などが関係します。
最近では、訪日外国人旅行者が大幅に増加して、北海道や沖縄の土地の価格(地価)は急激に上昇しました。
反対に、少子化により人口下落傾向にある日本は、戦後最長の好景気と言われた安倍政権下でも、地方の人口が下落傾向にある町の地価は上昇していません。よくて横ばい、下手すると好景気にも関わらず下落しているところもります。
5-4.投資対象となる「不動産」とは?
以上のことをまとめると、
問2としては、
「不動産」とは、
という回答でいかがでしょうか。
特徴としては、
・持っているだけでランニングコストが発生する
・周りに「人」が多ければ多いほど価値が高くなる
とまとめられます。
6.「不動産投資」とは何か?
最後に「不動産投資」を考えます。
今までのことを踏まえると、
「不動産投資」とは、
ある目的のために
お金を不動産に変えて
お金を増やすこと
と言えます。
もう少し分かりやすい、具体的にするため、数学の式で考えてみます。
不動産投資の目的は、お金を増やすことです。
ですから、数式の単位はお金です。
(日本国内で考えるなら「円」になります。)
後は、お金を不動産に変えることで減るお金、増えるお金を数式で表します。
減るお金は、
不動産の購入費用
ランニングコスト
です。
(厳密には、購入費用は、不動産の売買価格に、仲介手数料や不動産取得税などの諸費用を加算した金額です。)
一方、増えるお金は、
賃料
不動産の売却価格
です。
これらを一旦、数式で表すと、次のようになります。
となります。
このうち、
不動産の売却価格 - 不動産の購入費用
という部分を抜き出します。
これは、買った価格より高く売れて利益が出た状態だと仮定すると、
キャピタルゲイン
と呼ばれる利益が発生します。
(もちろん、損失となることもあります。買った価格より、売れた価格の方が低い場合です。)
以上をまとめると、
「不動産投資」とは、
と表されます。
(賃料のことは「インカムゲイン」と言われます。)
最も重要なポイントは、
「ランニングコスト」をしっかりとマイナスとして認識
することです。
そのランニングコストの中でも、取り扱い次第で大きく変動するものが、
修繕費
です。
特に、数年に一度行われる
大規模修繕
については、相見積などのコスト削減努力によって、
その支出額には倍近い差が生まれてしまうことがあるので、注意が必要です。
7. まとめ
以上のことをまとめると、
「不動産投資」とは、
ある目的のために
お金を不動産に変えて
場所代として賃料収入を得て
最終的にお金を増やすこと
と考えられます。
そして、不動産投資を数式で表すと、
と表すことができます。
そして、不動産投資に特有のポイントとして、
①メンテナンスが重要 (特に大規模修繕)
②ランニングコストがかかる (固定資産税など)
③「人」の多さによって価値が変動すること
が挙げられます。
不動産投資のプロたちが、不動産投資で損をしない理由として、
まず、ランニングコストの削減努力をしていること、が挙げられます。
特に、金額の大きい修繕費などは、数社の相見積などを徹底し、コスト削減努力を行っています。
また、明確なリターン目標と投資の方針を設定しています。
ネットで何%、IRRで何%、保有期間は10年、売却トリガーはどんな時か、などなどです。
「投資」は、その目的によって、人それぞれ、と言いました。
「不動産投資」で失敗しないための第1歩。
それは、
「投資の目的」を明確にすること
です。
そして、
「不動産」には「ランニングコスト」、特に「修繕費」が発生することを認識すること
です。
「修繕費」は特に重要です。
管理組合のある分譲マンションを購入した場合、ずさんな修繕費の支出のツケは、毎月の修繕積立金の増額として返ってきます。
実際、私の住んでいるマンションは、相場の倍近い大規模修繕費用を、マンション管理会社がふっかけてきました。管理会社の言う通り、借金して大規模修繕をやっていたら、月々プラス2万円くらいの修繕積立金の増額になっていたかもしれません。(相見積や専門家への相談などで、相場での大規模修繕を実施することができて、ことなきを得ましたが。)
これは、不動産投資におけるランニングコスト増加につながりますので、要注意です。
最後になりましたが、不動産投資は、
「投資」というところを少し曖昧にすれば、とても面白いものです。
実際、都内のマンションなんかは、空室でずっと埋まらなければ、テレワーク用の仕事場所として使うこともできるし、築50年くらいの団地の1室を、建て替え目的で購入する投資家の方もいます。
また、不動産のうち、建物部分は価値が減少していくものですが、土地は価値が減りません。
特に、長期的な視野で見れば、今の建物を取り壊して、新築建物を建築した方が、不動産全体の価値が大幅に上昇するような場合もあります。
「土地」というのは、とても奥が深いもので、面白いものなんです。
一旦、得した損した、を離れてみると、
「不動産」
というのは、多様な使い道のある「場所」として捉えることもできるのです。