東京都の条例で………
条例で禁止されている………
などなど、
条例
という言葉を聞く機会は多いかと思います。
条例とは何でしょうか。
法律などとは何が違うでしょうか。
1.条例とは何か?一言で言うと?
条例とは何か。
無理矢理、一言で言えば、
地方ルール
です。
これに対して、
お国のルール
には、
法律
があります。
お国のルールである法律の下に、地方ルールがある
そういう風に思われがちですが、必ずしもそのようには言い切れません。
それは何故でしょうか。
2.条例の仕組み
条例の定義です。
(出典:デジタル大辞典)
条例を決めるのは、
地方公共団体
です。
地方公共団体とは、
都道府県や市区町村
のことです。
一方で、法律は
国会の議決
で決まります。
(要は国が決めている、ということです。)
条例は、憲法及び地方自治法などに基づき、地方公共団体の議会の議決により制定されます。
また、議会の議決ではなく、地方公共団体の長が定めるものは、
規則
と呼ばれ、区別されていますので、注意しましょう。
これらのルールは、いわば地方公共団体のルールですので、その地方公共団体の中でルールが適用されます。
ただし、もし違反等した場合には、罰則を受けることもあります。
なお、「指導要綱」や「指導要領」といった名称のルールが作られていることがありますが、これは各地方自治体が自ら作成した判断基準や指針となるべきものでうるため、国民や事業者にとって、直接的に拘束力はありません。
3.条例の具体例
では、地方公共団体のルールである条例には、どのようなものがあるのでしょうか。
具体例を挙げて説明します。
・建築安全条例
建築安全条例とは、建築基準法というルールに対して、各地方公共団体がさらにルールを付け加えたい時や、緩めたい時に使われます。
東京都建築安全条例が有名です。
・がけ条例
建物の敷地が「がけ」に面している場合、ある程度の大きさの建物を建てることを制限するための条例です。
建築基準法の内容に、制限をプラスするものになります。
東京都の場合には、先ほどの建築安全条例の中で、この「がけ」条例に相当するルールがります。
各地方公共団体によって、制限の内容が異なりますが、通称として、
がけ条例
と呼ばれています。
・賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)
賃貸住宅紛争防止条例とは、別名「東京ルール」とも呼ばれているものです。
その名前の通り、
賃貸住宅の
紛争を
防止する目的
で作られた条例です。
主に入居中の修繕に関する取り決めや、退去時の原状回復についてのガイドラインに関して取り決めがなされています。
部屋を借りている人が、部屋を出る時に、原状回復費用の負担の範囲でトラブルになることが多いため、この東京ルールが定められました。
(主に借主が不利にならないように定められています。)
・駐車場附置義務条例
駐車場附置義務の条例は、自動車の混雑解消のために定められる制限です。
自動車が混雑しそうな市街地などで、一定規模の建築物を建てる時には、一定台数の駐車場を作るように定められています。
駐車場法に基づく駐車場整備地区に対して、制限を加える形の条例になります。
4.法律を上回る規制はかけられない?
先ほどからお伝えしているように、
条例とは、
法律の範囲内で、
地方公共団体が定めものです。
では、必ず、地方公共団体が定める条例は、
法律の範囲内
なのか、というとそうではありません。
法律の範囲を超えているように見えるものでも、効果が認められることがあります。
ポイントは、
法律の趣旨
です。
趣旨とは、要するに、理由です。
その法律が作られた理由から、逸脱していなければ、見た目の範囲を超えている条例でも、効果が認められます。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
条例とは、いわば、
地方ルール
です。
とはいえ、条例に違反すれば罰金もあります。
また、条例とは言え、法律の趣旨に反しない限りにおいて、法律よりも拡大して定められていることもあります。
特に不動産業界では、
建築安全条例
がけ条例
駐車場附置義務条例
など、重要な条例が多く制定されています。
条例のポジションを正確に理解して、日々の業務に活かしましょう。