生前贈与をした土地の価格が110万円を超えると「贈与税」という税金がかかります。
贈与税は税率が高いです。
この時の土地の価格はどのように計算すればよいのでしょうか。
1.そもそも生前贈与とは?
生前贈与とは何でしょうか。
定義です。
[補説]年間の贈与額が基礎控除額を超える場合、相続税よりも高率の贈与税が課される。
(出典:デジタル大辞典)
(出典:とっさの日本語便利帳)
贈与の場合、毎年110万円の基礎控除、と呼ばれる免税ラインがあります。
このラインを超えた場合に、税率が高めの贈与税が課せられます。
不動産の場合は110万円を超えるケースがほとんどです。
ですから、税金を計算する基となる、不動産価格の計算方法が重要となります。
2.生前贈与をした際の不動産価格の計算方法
不動産とは、一般的には土地と建物のことです。
そしえ、生前贈与の場合も、不動産価格、と言ったら、この土地と建物の価格のことを指します。
国税庁では財産の評価方法について「財産評価基本通達」の中で定めています。
財産評価基本通達とは、土地や建物など不動産の評価方法や株式等の財産に関する評価方法など、相続税・贈与税を算出を目的とした評価基準を示したものです。
この財産評価基本通達では、土地と建物では、評価方法が異なりますので注意して下さい。
3.土地価格の算出方法
土地の価格は、毎年国税庁が発表する「路線価」を基準に算出されます。
路線価についてはこちらの記事をご覧ください。
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また、相続税の路線価は、時価の80%です。
ですので、相続税路線価から時価の目安を計算する場合には、
路線価 ÷ 0.8 × 土地面積
という式で、土地の目安価格を求めます。
しかし、ここでは、あくまで税金計算のための土地価格を求めますので、
÷ 0.8
をしないことがポイントになります。
(この方法を「路線価方式」と言います。)
もし、調べたい土地に路線価が付けられていない場合は、「固定資産税評価額」を使います。
「倍率表」という表が国税庁のホームページで調べられますので、固定資産税評価額に、この倍率をかけた金額が、税金計算に使用しる金額の目安となります。
(この方法を「倍率方式」と言います。)
4.建物価格の算出方法
建物価格の場合は非常にシンプルです。
何故なら、建物の固定資産税評価額そのものが、税金計算で使用する建物価格となるためです。
「一物四価」と言われる土地価格の公的指標の中で、固定資産税評価額だけ、建物価格があります。
だからと言って、この建物価格が、本当の売買時に参考となる時価を表しているかというと、そうではありませんので注意しましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
生前贈与の際の不動産価格は、
国税庁が定めた「財産評価基本通達」
に従って計算されます。
したがって、いわゆる「時価」と呼ばれる価格とは異なることに注意しましょう。
(「財産評価基本通達」に従って計算された土地価格は、少し安めに計算されます。)
また、土地価格の実際の計算は、奥行や形状によってさまざまな補正率を使用することから、一般の方にはとっつきにくいかもしれません。
ただ、路線価に面積を乗じた計算式でも、ある程度使える目安を出すことができます。
ぜひ、ご参考になさって下さい。