固定資産税評価額から不動産価格を調べる方法【簡単解説】

不動産売却
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固定資産税評価額ってご存知ですか?

不動産価格、つまり不動産の時価が、この固定資産税評価額から、ある程度当たりをつけることができます。

 

 

1.固定資産税評価額から時価の「目安」が分かります!

 

 

まず、時価の「目安」の出し方を説明します。

 

土地:土地の固定資産税評価額 ÷ 0.7

 

 

建物:築年数に応じて変わります。

 

新築:建物の固定資産税評価額 ÷ 0.5

築10年程度:建物の固定資産税評価額そのまま

築30年程度:建物の固定資産税評価額 × 0.25

(上記の「0.5」や「0.25」などは著者の感覚です。予めご了承ください。)

 

 

固定資産税評価額は、固定資産税を計算する基になる数字です。

 

そして、不動産の所有者には、毎年4月頃に、「固定資産税納税通知書」というものが送られてきます。

 

この納税通知書の中に書いてある「固定資産税評価額」から、不動産価格、つまり不動産の「時価」の当たりをつけることができます。

 

 

どのくらい正確なのか、というと、

 

 

土地はある程度正確です

 

建物はザックリです

 

 

というレベルです。

 

 

2.固定資産税評価額は「時価」ではない?

 

 

固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税に登録免許税といった不動産関連の税金を計算するためのものです。

 

ですから、固定資産税評価額は「時価」ではありません。

あくまて、税金計算用の指標です。

 

 

 

 

 

まず、土地の固定資産税評価額は、公示地価、つまり「時価」の水準の70%です。

 

ですから、

 

土地の固定資産税評価額 ÷ 0.7

 

で、時価の水準にすることができます。

 

 

建物の固定資産税評価額は、土地よりも、やり時価とは違うものになります。

 

そのため、建物の固定資産税評価額から時価の目安を知るためには、補正が必要となります。

 

その補正の前提として、以下の2点を知っておく必要があります。

 

 

建物の固定資産税評価額は、新築時点であっても、50〜70%の水準に落とされる。

(新築だからと言って、あまりに高い税金は取らない、という趣旨でしょうか?)

 

反対に、どれだけ古い建物でも、ゼロ円にはならず、最低でも新築価格の20%の価値のままになる。

(ゼロ円にしてしまうと、税金もゼロ円になってしまいますからね。)

 

 

 

3.そもそも固定資産税評価額とは?

 

 

繰り返しとなりますが、固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税や登録免許税といった、不動産関連の各種税金を決める際の基準となる評価額です。

 

固定資産税評価額は3年毎に各市町村(東京都23区は除く)が公示します。

 

いつの時点の価格かと言えば、公示される1年前の1月1日の価格です。

 

 

固定資産税評価額は、土地や建物などの評価マニュアルである「固定資産評価基準」に基づいて、各市町村(東京の場合は23区)が決定するものとされています。

 

実務的には、固定資産税評価額は固定資産評価員の評価に基づいおり、この固定資産評価員は市町村が委託した不動産鑑定士のことを指します。

 

ですから、固定資産税評価額は不動産鑑定士が決めている、と実質的には言えます。

 

 

よく土地の公的価格指標のことを「一物四価」と言いますが、実はこの「一物四価」のうち、固定資産税評価額だけ「建物価格」があります。

 

ただ、先ほども説明しましたが、固定資産税評価額の目的が税金の計算、というだけあって、建物評価額については、安めの新築価格からスタートして、築何十年後には本来ゼロ円になる建物

でも、新築価格の20%までしか下がらない(つまり、ゼロ円にならない)ような仕組みとなっています。

 

したがって、建物の固定資産税評価額から「時価」を推定するためには、築年数に応じた補正が必要となり、かつ、正確な水準を把握することは難しいのです。

 

 

また、固定資産税評価額は、「路線価」から計算されます。

 

この路線価は、「標準宅地」というポイント(公示地価や基準地価などと同じイメージです。)の価格を基に付けられます。

 

この「標準宅地」は、不動産鑑定士による鑑定評価額の約70%をもとに決められます。

 

 

4.まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

固定資産税評価額を使えば、時価の「目安」が分かります。

 

「一物四価」と言われる土地の公的指標のうち、この固定資産税評価額だけ、「建物価格」があります。

 

しかし、主に税金計算用の建物価格のため、固定資産税評価額から建物の時価を推定することは、少し難しいかしれません。

 

 

ただし、土地については、

 

土地の固定資産税評価額 ÷ 0.7

 

という計算式で、公示地価の水準、つまり「時価」の水準を計算することができます。

 

 

他のサイトで、

 

公示地価は時価よりも少し安い

 

と説明されているのを見ますが、それは安易であり、間違いです。

 

 

正確には、

 

公示地価の公表日から時間が立つと、時価とのズレが生じる

 

というのが正解です。

 

 

公示地価を始め、基準地価や相続税路線価は、毎年1回の公示のため、時間の経過により、時価とのズレが生じるのは防げません。

 

 

ただ、不動産の価格下落期には、

 

時間の経過により、公示地価は時価よりも少し高い

 

価格になるため、安易に公示地価が時価より安い、というのは間違いなのです。

 

 

 

 

 

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