日本一の不動産価格、と言われて、ピンと来ますでしょうか。
細かいことは抜きにして、不動産価格の「日本一」について記事にしました。
目次
1.不動産価格の日本一は?
結論から言いますと、公表されている「日本一」の不動産価格は、
もし和室6畳だったら約「6億円」
です。
(つまり、家の中の1部屋分の広さです。)
その「不動産価格の日本一」は
「銀座」
のことです。
そして、具体的な場所として有名なのは、
「銀座4丁目交差点」
です。
この「銀座4丁目交差点」の道路向かいに位置するのが、不動産価格(具体的には土地価格)が公表されているポイントとして有名な、
「山野楽器」(銀座4丁目)
「鳩居堂」(銀座5丁目)
です。
(地図で検索してもらえれば分かりやすいですが、4丁目と5丁目とがやや異なりますが、「銀座4丁目交差点」の北と南にある、というだけで、どちらもほぼ同じ場所です。)
そして、それぞれの価格は1坪(約3.3平米)当たり約1億9,000万円です。
「1坪=3.3平米」で分かりづらい方は、「畳」(たたみ)を思い出して下さい。
「1坪」は、畳「2畳」(2じょう)分です。
良く家のチラシとかで、
6畳和室
みたいな部屋の書き方がされています。
もし、銀座4丁目交差点の近くに6畳和室と同じ大きさの土地が売りに出されると、
なんと
「6億円」弱
です。
2.地価公示と相続税路線価
不動産価格が「公表」されている、と言いました。
具体的には、
「山野楽器」は「地価公示」
で公表され、
「鳩居堂」は「相続税路線価」
として公表されています。
「日本一の不動産価格」を理解するために、地価公示と相続税路線価について、簡単に説明します。
2-1.「地価公示」は、いわゆる「時価」を公表
「地価公示」で公表される価格(「公示地価」といいます。)は
いわゆる「時価」
というものです。
参考までに定義を引用します。
(出典:大辞林第三版)
(時価の定義は様々なのですが、この記事では分かりやすく、シンプルにするために、上記の定義のイメージで話を進めます。)
注意点としては、建物の価格は含まれていないことです。
純粋に「土地」の価格です。
そして、相続税路線価は、公示地価の80%の水準です。
逆算して、相続税路線価を80%で割ると(割戻、といいます。)、地価公示の水準になります。
まとめますと、
時価=公示地価=相続税路線価÷80%
(ただし、土地価格のため、建物価格は含まれない。)
ということになります。
2-2.誰が時価を分析するのか?
結論から言いますと、
「公示地価」、いわゆる「土地の時価」は、
「不動産鑑定士」という専門家により、分析・判定されます。
(「不動産鑑定士」が判定した時価は、裁判資料となったり、法人の意思決定の際に使われたりと、様々な場面で活用されています。)
お菓子とか新車などは、
「定価」
があるので、「時価」が分かりやすいです。
(コンビニよりも、スーパーの方が安い、というのことはありますが。)
ところが、不動産、とくに「土地」の価格には、「定価」がありません。
ましてや、「銀座4丁目交差点」近くの土地なんて、そうそう滅多に売りに出されません。
そのため、誰から見ても分かりやすい「定価」というものが存在しません。
だから、専門家である「不動産鑑定士」が、
もし今、売買されたら………
という視点で、土地の「時価」を判定します。
これが「公示地価」です。
(不動産鑑定士以外の人が出した価格は、「時価」とは認められません。注意しましょう。)
3.ジャンル別「日本一」の不動産価格
不動産価格にも、いわゆる「ジャンル」というものがあります。
例えば、先ほどの「銀座」と、高級住宅地とは、ジャンルが違います。
いろいろな物の中から、似たような特徴をもつ物をグループにしたものが、ジャンルと言われています。
不動産価格の場合は、どんな特徴でジャンル分けされるのか。
それは、
使い方、つまり「用途」
です。
先に大まかにイメージをした方が分かりやすいのですが、
自分が住んでいる家
と
デパート
と
でかい工場
を想像して下さい。
これが、そのまま、公表されている不動産価格のジャンルになります。
(「地価公示」や「相続税路線価」などです。)
自分が住んでいる家、の用途は「住宅地」と言われます。
デパートは、「商業地」です。
でかい工場は、「工業地」です。
もっと細かい分類はあるのですが、大まかには、この3種類に分類されます。
ちなみに、「日本一の不動産価格」と言われる「銀座4丁目」は、「商業地」としての価格です。
4.日本一の商業地「銀座」
不動産価格としても日本一で、ジャンル別でも一位の「銀座」ですが、どのような場所なのでしょうか。
無理矢理一言で、「銀座」の日本一である理由を説明するなら、
ブランド
と言えるのではないでしょうか。
消費者からだけでなく、出店する側から見ても「銀座に店を出す」と言われるように、様々な人にとってブランド価値があると思います。
参考までに辞書を調べました。
(出典:世界大百科辞典 第三版)
銀座は、世界的に有名な繁華街です。
高級ブティックや上品なカクテルバー、寿司店が出店されています。
有名店などとしては、
「和光」
「歌舞伎座」
「銀座三越」
「GINZASIX」
「アップル銀座」
「ユニクロ銀座店」
などがあります。
繁華街の中で最も人通りが多い通りを「目抜き通り」と言いますが、銀座の目抜き通りは、
「中央通り」
です。
他にもビジネス街と連絡する「晴海通り」や、中央通りに次ぐ人気の「並木通り」があります。
5.日本一の住宅地
では、日本一の「住宅地」はどこでしょうか。
公示地価では、
東京都の港区「赤坂」が最も高い価格として公表されています。
また、同じく公示地価で2番目の住宅地価格として公表されている千代田区「番町」は、平成29年(2017年)地価公示までは、ランキングトップでした。
ちなみに、どちらも価格は均衡していて、1坪当たり約1,300万円から1,400万円です。
1坪は2畳ですから、畳の6畳分の和室の価格は、
約4,000万円
です。
(3LDKのマンションが買えちゃいます。)
「赤坂」の公示地価ポイントは、虎ノ門ヒルズがある「虎ノ門」と、東京ミッドタウンのある「六本木」に挟まれた、周りに高層のオフィスビルやホテル、大使館、ホテルオークラなどがある、いわゆる「超高級住宅地」です。
また、2番手ながらも千代田区「番町」ポイントは、日本で初めての高級住宅地、と言われるくらい、歴史と伝統のある地域にあります。
皇居の西側のお堀から、「四谷駅」までの一帯が、一番町から六番町、いわゆる「番町」と呼ばれる地域です。
歴史は江戸時代初期まで遡り、様々な文化人や有名政治家などが住んできたところです。
なぜ、日本一の住宅地なのか、その理由を無理矢理一言で言えば、
先ほどの銀座と同じく、
ブランド
という一言で表現できると思います。
(ブランド価値がいくらか、ということは、素人にはまるで分かりませんよね。)
6.日本一の工業地
最後に、日本一の「工業地」を調べました。
地価公示の工業地の最高価格の地点は、東京都大田区「東海」です。
地名だけではピンと来ないかもしれませんので、
「羽田空港」のすぐ近く
と言った方が分かりやすいと思います。
地価は1坪当たり約200万円弱です。
「銀座」や「番町」と比べるとかわいい、と思われるかもしれませんが、6畳和室に例えれば、
約600万円
です。
決して安くはないです。
工業地が、商業地や住宅地と比べて単価が低いのは、工業地の面積が大きいことが理由の一つとして考えられます。
例えば、商業地は100坪くらいの土地の大きさです。(様々ですが、例えば、です。)
また、住宅地は戸建住宅だと40坪とかです。
これに対して、工業地は、大きいものでは、なんと、
10,000坪
を超えるものがあります。
ですから、各用途の地価を、単価に面積をかけた「総額」として、仮に比較してみると、以下のようになります。
商業地:単価1億9,000万円×100坪≒約200億円
住宅地:単価1,300万円×40坪≒約5億円
工業地:単価200万円×10,000坪≒約200億円
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。
不動産価格の日本一、といっても、ジャンルにより複数あります。
特に公表されているものだと、
商業的:銀座4丁目交差点周辺
住宅地:港区赤坂、千代田区番町
工業地:羽田空港の近く
がそれぞれの用途別の最高価格地点です。
和室6畳分の価格で考えると、
商業地No1の銀座4丁目交差点周辺では、
約6億円
住宅地の港区赤坂周辺では、
約4,000万円
です。
何となくイメージできましたでしょうか。
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