【忙しい方必見!】マンションの大規模修繕の予算とは?

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マンションの大規模修繕。

大きな工事費用がかかります。

あらかじめ、このくらいの金額がかかる、と見積もられた予算のようなものはあるのでしょうか。

この記事では、大規模修繕の予算、という観点から、調べたことをまとめてみました。

 

 

1.大規模修繕の予算〜長期修繕計画〜

 

 

結論から先に書きます。

 

大規模修繕の予算は、

 

長期修繕計画

 

です。

 

 

そもそも「予算」とは、

 

ある「計画」のための「費用」の「見積」のことです。

 

ある計画のために、あらかじめ必要な費用を見積もること。また、その金額。

(出典:デジタル大辞典)

 

 

 

そして、「長期修繕計画」とは、以下のようなものです。

 

 

・「長期」・・・10年後、20年後、30年後

・「修繕」・・・主に新築レベルまで回復させる工事のこと。(グレードアップ工事も含みます。でも、お金がなければグレードアップまでは難しいですね。)

・「計画」・・・工事の計画だけでなく、その費用を集めるための修繕積立金の計画も含みます。

 

 

 

つまり、

 

大規模修繕の予算、とは

 

10〜30年後までの修繕工事の計画と、その工事を行うための修繕積立金の計画

 

のことであり、

 

長期修繕計画

 

が、大規模修繕の予算である、と言えます。

 

関連記事:【忙しい人必見!】長期修繕計画作成ガイドラインをチェック!

 

 

2.大規模修繕の予算は誰が作る?〜長期修繕計画の作成者〜

 

 

大規模修繕の予算である「長期修繕計画」は誰が作ってくれるのでしょう。

 

何と信じ難いことなのですが、誰も作ってくれないものなのです。

 

なぜなら、長期修繕計画の作成者は「管理組合」なのです。

(要はマンション住民が自主的に作るもの、ということです。ちなみに私のマンションの長期修繕計画も、作成時点の理事長の署名がされています。理事長は責任重大です。)

 

とはいえ、マンション住民は普通であれば、ド素人です。

作れ、と言われて作れるものではありません。

 

そのため、多くは管理会社に作成を委託しているケースがほとんどです。

(あくまで「委託」という点に注意です。責任は基本的には自分たちにあります。)

 

ただし、管理規約の見本、と言われる標準管理規約では、通常の管理委託契約と、長期修繕計画作成業務は「別契約」にすべき、と記載されています。

 

もし、通常の管理委託業務の中に、長期修繕計画作成業務が入っているようであれば、管理会社のフロントマンに質問してみましょう。

(手抜きをされているかもしれません。)

 

また、管理会社に委託する以外には、設計事務所などの専門家に依頼するケースもあります。

 

関連記事:【忙しい人必見!】マンション標準管理規約とは?管理組合の役員向けにザックリと!

 

 

3.長期修繕計画のチェック方法〜工事費用の相場から見る〜

 

 

では、誰が作成実務を行うかは別として、長期修繕計画が手元にある場合、どのようにチェックすれば良いのか。

 

まさか、目を通すだけにしてませんよね?

さらに、素人である自分たちには分からないから、見てもいない、なんてことはありませんよね?

 

絶対に確認して下さい!

 

 

なぜなら、私たちのマンションは、複数回、管理会社が長期修繕計画を変更してきて、修繕積立金を値上げする計画を作ってきて、誰も何も気づかずに承認された結果、工事費用も修繕積立金も相場の倍近い水準に設定されていたからです。(残念ながら、実話です。)

 

工事費用を見るポイントは簡単です。

 

まず、大規模修繕工事の金額を確認して下さい。

(大体、1回目の大規模修繕工事が築12年くらい、2回目か築25年くらいです。その年の工事金額だけ、跳ね上がっていると思います。)

 

 

工事金額を確認したら、それを自分たちのマンションの「戸数」で割って下さい。

 

そうすると、「1戸当たりの大規模修繕工事金額」が出てきます。

 

この金額が相場の範囲内かどうかを確認すれば良いのです。

 

やることはそれだけです。

 

ちなみに、1戸当たりの大規模修繕工事金額は、70〜130万円と言われています。

工事が割高になるタワーマンションでも、1戸当たり130〜150万円と言われています、

 

(参考までに、私のマンションは長期修繕計画作成当時は1戸当たり120万円でしたが、その後、1戸当たり200万円に、管理会社によって変更されていました。もちろん、タワーマンションではありません。)

 

明らかに相場を外れている場合は、管理会社へ問い合わせ、または他の専門家に相談しましょう。

 

関連記事:【忙しい人必見!】大規模修繕費用の相場

 

 

4.長期修繕計画のチェック方法〜修繕積立金の相場から見る〜

 

 

次に、修繕積立金の金額についてもチェックしましょう。

 

なぜなら、大規模修繕の予算である長期修繕計画は、工事金額と修繕積立金に関する計画だからです。

 

工事金額が適正だからと言って、修繕積立金が安すぎる場合は、いざ工事、という時にお金が足りない、ということになってしまいます。

 

平成25年度の全国総合調査では、

1戸当たりの平均的な修繕積立金は、

 

1戸当たり約11,800円

 

という調査結果が出ています。

 

 

また、平米単価としては、マンションの修繕積立金に関するガイドラインによると、

 

1戸当たり180円〜200円/平米

 

が平均値であるとされています。

 

 

工事金額と同じように、自分のマンションの修繕積立金が平均の範囲に入っているかどうか、確認をしましょう。

 

 

(ちなみに私のマンションでは、最終的に500円/平米まで修繕積立金を値上げする計画になっていました。信じられないくらいにボッタクリですよね。)

 

関連記事:マンション大規模修繕の修繕積立金を貯めるには?

 

 

5.長期修繕計画のチェック方法〜機械式駐車場には注意〜

 

 

最後に、長期修繕計画を考えるうえで、

 

機械式駐車場

 

には注意しましょう。

 

 

先ほどのマンションの修繕積立金に関するガイドラインによると、

 

機械式駐車場がある場合、平均的な修繕積立金に、さらにプラス概ね1万円する必要がある、とのことです。

 

 

つまり、先ほどの平均的な修繕積立金に1万円を加えると、

 

約21,800円

 

になります。

 

 

これに管理費と駐車場使用料を加えると、月々どのくらいの支払いになるでしょうか。

 

恐ろしいですね。

 

機械式駐車場は、「金食い虫」と呼ばれることもあります。

 

私のマンションでも、一時、機械式駐車場を潰してしまおう、という話になりましたが、あいにく使用している人が多くて、話は進みませんでした。

 

もし、空きの多い機械式駐車場がマンションにあるのでしたら、いっそ、潰すことを検討されるのが宜しいかと思います。

 

関連記事:【忙しい人必見!】国土交通省が調べた大規模修繕の費用

 

 

6.まとめ

 

 

大規模修繕の予算を知りたい時は、

 

長期修繕計画

 

を確認して下さい。

 

 

そして、確認する項目は主に2つです。

 

工事金額

 

 

修繕積立金

 

の金額です。

 

 

これが相場の範囲から外れているような場合は、要注意です。

 

ちなみに、もし、大規模修繕工事のための修繕積立金が不足している場合は、

 

 

工事時期をずらす

一時金を徴収する

借入をする

 

 

の中から、いずれかの選択をすることになります。

 

 

いずれにしても、マンション購入者から見るとマイナスのポイントです。

 

つまり、資産価値は下がる方向に作用します。

 

もし、簡単に、

 

お金を借りる銀行ならいくらでも紹介しますよ

 

という管理会社の担当がいたら、その管理会社自体の変更を検討して下さい。

 

企業文化に疑問があります。

要注意です。

 

関連記事:【忙しい人必見!】マンションの管理会社を変更するということ

 

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