「建設協力金」とは何か。
そのお金をもらって、どのように処理をすればよいのか。
この記事では、「建設協力金」について調べたことをまとめました。
1.建設協力金とは?
建設協力金とは何でしょうか。
定義です。
(出典:アットホーム https://www.athome.co.jp/contents/words/term_2362/)
文字通り、建物の「建設」に「協力」するお金です。
その背景として、土地の貸し借りが前提となります。
土地の貸し借り方法には、大きく2パターンあって、それぞれ建設協力金が有る場合と無い場合があります。
地主から土地を借りる場合、土地を借りた人が、建物を建設して、店舗などとして営業します。
この場合には、土地を借りた人が借金などをして、建物を建設しますが、この借入金は「建設協力金」には該当しません。
2つ目のパターンとして、地主が建物を建てて、土地を借りた人が、その建物も借りるパターンです。
この場合、地主が建物を「建設」することに、土地を借りる人が「協力」するため、「建設協力金」が支払われます。
建設協力金は誰が、誰に支払うのか。
パターン②のように、土地を借りる人が、地主に支払います。
2.建設協力金の具体的なイメージ
建設協力金のお金の流れをイメージする前に、通常の建物賃貸の流れを書きます。
通常は、
①まず、地主が空き地に賃貸用の建物(ビルやマンション等)を建設する。
②次に、建設した賃貸用建物を貸す。
③借りた人は、地主に賃料を支払う。
という流れがほとんどの賃貸です。
では、建設協力金が支払われる場合はどのような流れになるのか。
①地主が空き地に賃貸用建物を建てる・・・・・・お金がない。(建てたいけど。)
②もし、その空き地に賃貸用建物があったら、「借りたい」と思っている人がいる。(けれども、建物がない。)
③地主と、その建物があったら借りたいと思っている人が話し合う。
④建物があったら借りたいと思っている人が、地主に建物を建てるためのお金を貸してあげる。(このお金が「建設協力金」です。)
【ここから下は、通常の①~③と同じ流れです。】
⑤地主は、そのお金で賃貸用建物を建てる。
⑥次に、建設した賃貸用建物を、お金を出してくれた人に貸す。
⑦借りた人は、地主に賃料を支払う。
通常の場合は、ここで終わりですが、建設協力金が支払われた場合は、最後にもう1つの流れがあります。
3.なぜ、建設協力金が必要なのか
先ほど書いたパターン②の場合に、土地を借りる人が、建物を建てる地主に対して、建設協力金を支払います。
でも、そもそも、土地と建物を一緒に借りてしまえばいいのでは、と疑問を持たれる方もいると思います。
賃貸マンションを借りる場合、部屋、つまり建物は借りますが、土地は借りません。
それと同じように、建物を借りてしまえば、土地は借りる必要ない、つまり、建設協力金をわざわざ支払う必要がない、とも考えれらます。
では、なぜ建設協力金というものがあるのか。
先ほども書きましたが、土地は持っているけれども、建物を建てるお金がない地主に、建設協力金の需要があります。
建設協力金が使われはじめたのは戦後まで遡ります。
当時は、銀行から、そう簡単にお金を借りられる時代ではありませんでした。
そのため、土地は持っていても、その上に賃貸用建物を建てるだけのお金を用意できる地主が大勢いたそうです。
そんな時、もし、その地主が持っている土地で、商売をしたい、と思っている会社などがいたとします。
その場合、お金を地主に貸してでも、建物を建てて商売を始めれば儲かることが分かっていたとしたら、どうしますか。
地主にお金を貸して、建ててもらった建物を借りて、商売を始める。
そのために使われたのか、建設協力金です。
4.まとめ
建設協力金とは、イメージしやすいように噛み砕いた言い方をすれば、
土地を有効活用したいけど、建物を建てるお金がない地主
と、
その場所で商売を始めたいと思っている人
が、お互いの思惑を実現するために支払われるお金である
と言えます。
つまり、建設協力金は、土地を借りる人が、地主に対して「貸してあげる」お金のことです。
要するに融資です。
ただし、ほとんどの場合、銀行の融資よりも期間は長く、利子が低いことがほとんどです。
(そうでなければ、地主は銀行からお金を借りるでしょう。)