【忙しい方必見!】IFRSと減損と不動産?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

不動産、と言えば、土地や建物、マンション、オフィスビル………などなどが思い浮かびます。

 

では「減損」と聞いて、何が思い浮かびますか。

 

また、「IFRS」と聞いて、「不動産」と「減損」とのつながりが分かりますか?

 

 

1.そもそもIFRSって?

 

 

IFRS(International Financial Reporting Standards)とは、国際会計基準審議会( IASB)という団体によって設定された国際的な会計基準です。

 

会計基準とは、企業の業績を評価するルールです。

このルールを全世界で統一することで、違う国の会社でも、同じモノサシで業績を比べることができる、と言われています。

 

2006年以降、欧州連合(EU)が導入したことをきっかけに、世界各国でバラバラだった会計基準を統一基準であるIFRSにまとめていこうとする動きが加速しています。

 

日本でも、いずれは全面的に強制適用となる予定です。

 

 

2.日本の「減損」、IFRSの「減損」?

 

 

とても大まかに、

一言で無理矢理言うと、

 

「減損」とは、

 

買った価格より、今の価格が大幅に下がってしまったこと

 

です。
(無理矢理、一言で言っています。)

 

そして、この記事では、不動産の「減損」について書いていきます。

(不動産以外にも、「減損」はあります。)

 

なお、会計上は「固定資産」、「有形固定資産」などという正式な定義がありますが、この記事では、「固定資産≒不動産」として書いていきます。

 

日本では、不動産の減損について、企業会計審議会が公表した「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準委員会が公表した 企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」において規定されています。

 

一方、

IFRS においては、不動産の減損については、IAS第36号「資産の減損」で規定されています。

 

冒頭でも言いましたが、全世界的にIFRSへの会計基準統一の流れが加速化している中で、不動産の「減損」に関しては、日本とIFRSでは異なるルールが使われています。

 

 

3.「減損」方法の日本とIFRSの違い

 

 

「減損」方法は、日本とIFRSでは共通している部分と違う部分があります。

 

まず、共通している部分としては、

 

 

基準となるモノサシが、「今の価格」であることです。

(無理矢理、一言にしています。専門用語では「回収可能価額」などと言います。)

 

つまり、買った価格より今の価格が大幅に下がって、その下がった分を損失として報告する、という点は同じです。

 

 

次に、日本とIFRSとの違いです。

違いは、

 

買った価格と今の価格を比較する前の段階があるかないか

 

です。

 

IFRSはいきなり比較します。

 

日本では、今の価格よりも少し甘い基準で、まずは「減損」が発生しているかどうか、を調べます。

 

繰り返しになりますが、IFRSでは買った価格と今の価格を比べて、今の価格の方が低ければ、「減損」状態と判断されます。

 

日本の場合は、買った価格と「割引前CF」を比較します。
(「割引前CF」というのは、無理矢理一言で言えば、今の価格+アルファ、つまり、今の価格よりも少し高い価格、のことです。)

 

その結果、買った価格よりも今の価格が低くても、買った価格よりも割引前CFの方が「高い」ということが起こる可能性があります。

 

つまり、何が起こるかと言うと、

IFRSでは「減損」が発生しているにもかかわらず、日本では「減損」が発生していない、ということが起こります。

 

 

4.もし「減損」処理後に価格が上がったら?

 

 

今まで、ご覧頂いた方の中には、

 

買った価格より、今の価格が下がることはある。

でも、今の価格よりも将来の価格が上がっている可能性もあるのでは?

 

と考える方もいると思います。

 

確かに、「減損」処理後に、価格が上がった場合、その差額(今度はプラス、です。)はどうするのか。

 

日本では、何もしません。

 

つまり、一度「減損」処理した不動産は、その後、そのままの価格で、報告されます。

 

ところが、IFRSでは違います。

 

IFRSでは、上がった価格は、全てではない時もありますが、考慮されます。

 

つまり、「減損」処理をした価格より、今の価格が高ければ、原則、今の価格まで価格を上げる処理をします。

 

この処理のことを、「戻入れ」と言います。

 

 

5.「減損しているかも?」も日本とIFRSでは違う

 

 

日本でも、IFRSでも、どちらも「減損の兆候」がある、と判断された場合に、より詳細な減損処理へ進んでいきます。

 

「減損の兆候」とは、「減損」しているかもしれない状態、つまり、買った価格よりも今の価格の方が下がっているかもしれない可能性、のことです。

 

何が違うのか、と言うと、具体的な数値基準の有無が大きな違いとして挙げられます。

 

日本では数値基準があります。

 

無理矢理一言で言えば、

 

買った価格の半分(50%)

 

以下になっているかもしれない時、「減損の兆候」あり、と判断される可能性があります。

 

これに対し、IFRSでは具体的な数値基準はありません。

 

また、日本とは異なる視点となっている部分もあるようです。

 

(例えば、IFRSでは単に赤字というモノサシではなく、経営者の予測からどの程度外れているか、というモノサシがあるようです。ですから、ずっと黒字の不動産でも、減損の兆候あり、と判断される可能性があるのです。)

 

 

6.まとめ

 

 

減損とは、買った価格よりも今の価格が低い状態のことです。

 

そんな時は、今の価格まで、会計で報告する価格を下げます。

 

IFRSとは、国際的な会計基準です。

 

世界的にIFRSを統一ルールにしようとする動きが加速しています。

 

そんな中、不動産の「減損」に関しては、日本とIFRSでは、やり方が違います。

 

違いについての細かい所は、上に戻って頂きたいのですが、要は、IFRSの方が厳しく、細かい、と無理矢理一言で言えばそういうことだと思います。

 

Pocket

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*