マンション中の修繕積立金を集めて行う大規模修繕工事。
12〜15年に一度のビックイベントです。
主に防水工事とタイル貼替が大きい工事になります。
ところで、保証期間はどれくらいなのか?
工事業社によっても違うのか?
調べたことをまとめました。
1.外壁タイルの保証が3年?
大規模修繕工事の内容は、
躯体補修
シーリング工事
バルコニー防水
屋上防水
外壁タイル など
があります。
このうち、シーリング工事やバルコニー、屋上防水工事の保証期間は重要です。
なぜなら、次の大規模修繕までは少なくとも10年以上、間が空くからです。
出来る限り長い期間が欲しいです。
また、外壁タイルの保証も気になります。
小まめにタイル貼り替えをすれば、管理会社の儲けになります。
もし、管理会社へ大規模修繕工事をお願いするマンションの方であれば、外壁タイルの保証期間の長さに気をつけて下さい。
(短いところでは3年、という話を聞いたことがあります。)
2.瑕疵保険という保証方法もある
工事の保証は、材料のメーカーからの保証だったり、工事業社が保証したりするケースがあります。
違う方法として、保険という方法もあります。
この保険には大きく2種類あります。
「瑕疵保険」と「工事完成保証」です。
このうち、工事後の保証は「瑕疵保険」の話になります。
(「工事完成保証」は、工事中に工事業社が倒産した場合、代わりの工事業社で工事の完成を保証させる、ザックリ言えばそういう保険です。)
「瑕疵保険」は、「住宅瑕疵担保責任保険法人」という、国土交通省の指定を受けた法人(執筆時点では5法人)が取り扱っています。
また、保険料は工事業社が負担します。
(そこまで高額にはならないようです。)
保証範囲は、大規模修繕工事の内容とほぼ同じ範囲です。
保証期間は概ね5年、特約で10年も可能です。
取り扱っている会社も国が指定してるので安心です。
是非、検討してみましょう。
3.一般的な保証期間は?
大規模修繕工事には色々な工事があります。
下地補修、シーリング工事、外壁塗装、鉄部塗装、バルコニー防水、屋上防水 など
これらに、それぞれ仕様により異なる保証期間があります。
普段お仕事をしている時間のない方は、次のように覚えておきましょう。
普通は5年、長ければ7年。
(外壁タイルは除く。)
屋上防水は10年。
鉄部塗装は2年。
上の年数を基準に、短い場合や長い場合に、工事業社などに質問をしましょう。
4.工事後の定期点検
保証期間は大体5〜10年。
保証の対象となる欠陥などはどのような発見すれば良いのか。
一般的に、工事後、1・3・5・7・10年に定期点検が行われます。
工事業社が定期的に点検を行い、必要があればアンケートを実施するなどして、管理組合に報告がされます。
設計事務所が立ち会う場合もありますが、1年目だけ無償で、3年目以降は有料のケースがあるようです。
定期点検は保証期間と同じく、工事内容により異なります。
工事前によく確認しておきましょう。
5.外壁タイルの保証は?
色々サイトを調べても、
「外壁タイル」
という直接の表現はありませんでした。
では、外壁タイルの保証期間は一体何年?
最初に書いたように3年あれば良い方なのか?
先程お伝えした国土交通省指定の瑕疵保険であれば、外壁タイルの保険があります。
特約を付けることで、5〜10年間、保証されます。
また、タイルの保険は、剝落特約があります。
金額にすると、剥落特約を付ける付けないで数万円単位なので、是非特約を付けましょう。
(剥落特約を付けない場合、タイルが剥がれても防水性能がある、と判断された場合は保険が下りないこともあるそうです。)
6.まとめ
以上のことをまとめますと、
大規模修繕工事の保証システムには、
・メーカーや元請業者、下請業者による保証
・国土交通省指定の瑕疵保険
があることが分かりました。
そして、保証や保険に共通する期間は、
「5年」
長くて、
「7〜10年」
です。
(保証については、屋上防水は10年、鉄部塗装は2年が一般的です。)
そして、重要なのが、
「外壁タイル」
です。
色々とサイトを調べても、外壁タイルに関するメーカーや工事業社の保証についてはヒットしませんでした。
代わりに、国土交通省指定の瑕疵保険では、特約を付けることで、5〜10年の期間の保証を受けることができます。
是非、瑕疵保険の付保を検討しましょう。